第529話.クイズ大会の結果
2人にそれぞれの学年に一体どれくらいのカップルが存在しているのか尋ねる。全ての組み合わせを知っているということはないだろうが、およその数なら私よりも遥かに正しい数を導き出せるはず。今回の問題は一番答えに近ければいいのだ。なのでピッタリを目指さなくてもいい。
「多分、2年生は10組くらいですかね。私のクラスに私含めて3組カップルがあるんで多分よっぽど全部のクラスで飽和しない限りはそれくらいかと」
「にゃるほどにゃるほど」
「1年生はそこまでだったと思います。多くても6組くらいかと」
「なるほど。つまり1、2年合わせてだいたい16組だね。そこに私達の学年も合わせるとざっくり30組!ありがとね2人とも!」
2人にそうお礼を伝えると私はフリップに大きく30の数字を書いた。そして刻にもお礼を言ってスマホを渡す。
「これ、預かってて」
「ん、わかった。じゃあ俺は下で見とくか……ら?どうしたの、腕なんか掴んできて」
「刻にはここに残って私に協力してもらいますっ!」
「え、俺も?」
「いえーす!そっちのが効率もいいし、何より寂しくないし!という事で私の隣に立っててね!」
刻が立つスペースを空けると私は渋々といった表情の刻を移動させた。
その後クイズの結果が発表される。
答えは32組で私と他のもう1人が一番近い30組と答えていたので、それぞれに2ポイント入ることとなった。
その後もクイズ大会は続いていく。
✲✲✲
結局クイズ大会の結果は私が2位と惜しくも敗れてしまった。相手はまさかの1年生の男の子。私の方が学校の事について詳しいはずなのにな、とも思うが、よくよく考えれば向こうの助っ人は私達と同じ学年のお姉さんらしい。そりゃ私達と大した差も無いはずだと分かる。
結果発表をした後に景品だけ貰うと私は刻と増えてきた荷物を一度戻しに教室に行くことにした。随分と繁盛していた店も今はだいぶ落ち着きを見せている。
「ん、空宮さん。文化祭はもういいの?」
店内を任せていたクラスの女の子にそう尋ねられる。
「ううん。もう少し回るつもり」
「そっか。あ、そうだ。お客さんの入りがだいぶ減ってきてこっちにも余裕が生まれてきたから、空宮さんは完全にオフでいいよ。あ、もちろん鏡坂くんも一緒にオフね」
「いいの?2人分の人手が完全に欠けるのって結構大変じゃない?」
心配になってそう聞くが、彼女は「大丈夫!私達だって仕事はできるからさ!」と自信ありげにそう答えた。
うむ、そこまで言うのなら任せてもいいかな。
私はそう考えて刻との文化祭デートを最後まで続行することとなった。とはいってももうそこまで時間が残っていない。あと1時間もすれば文化祭は終わり、売り上げの順位発表と片付けをして、後夜祭をすればそれで終わりだ。
しんどかったけど、考えてみるとあっという間だ。
私はぼーっと歩きながら後夜祭はどう過ごそうかな、とそんな風に考えてみる。
第529話終わりましたね。後夜祭を皆さんは経験したことがありますか?いわゆるあれですよね。フォークダンス踊るやつ。……いや違ったらごめんなさいね。作者後夜祭の経験無いんで。
さてと次回は、10日です。お楽しみに!
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