第527話.巻き込まれる
軽快なBGMを流しながらステージに上がってきた生徒会長。普段の真面目そうな雰囲気とは裏腹に、今回は楽しませるといった気合いのようなものが感じられた。
マイクを持った生徒会長はイベントのスタートを告げるとイベント進行をしていく。
今回のステージイベントは観客巻き込み型という事で、生徒会の人間だけでは成立せず、私達にも協力を要請しなければいけないが一体どうするのだろうか。そう思いながら私は眺めていると、ステージのバックにある白い壁に観客の私達の映像が映し出された。イメージは海外のスポーツ観戦を現地で行っている際に、始まるまでの間や休憩中の時間を観客が退屈しないように観客の事を映し出すあの感じに近い。
なんとなく映像が映し出された瞬間に「もしや」と思ったが、しばらく見ているとその予想は当たったようだ。
このイベントの核である巻き込み型というポイント。それに巻き込まれる対象はどうやらステージに映し出された映像で切り抜かれた人がその対象となるようだ。
記念すべき1人目は1年生の男の子らしい。刻達3年生とは違ってまだ少し中学生の幼さが残るそんな感じの子。次に選ばれたのは3年生のグラマスで美魔女と有名な他クラスの女の子だ。話したことはないけれど、とっても有名。
他にも色んな学年の男女がステージ上に上がっていく。そして、最後に選ばれる人が誰なのかな〜なんて思いながら見ていると、とても見覚えのある人物が映し出された。
いや、見覚えがあるというのは違うな。そのものなのだな。
「蒼、巻き込まれたみたいだな」
隣に立つ刻にそう言われる。
「も、もう行った方がいいかな」
「かもな。というか、ここにいる方が大画面に映り続けるから目立つしな。早めに行った方が、メンタル的に安心じゃないか?大勢を前にすることにはなるけど」
「大勢を前にするのはまだいいから、そうだね。早めに行くよ」
私は刻に荷物を預けると人の間を縫ってステージに上がる。
これで、準備は完了だ。
司会兼進行役の生徒会長はどこから出したのか、先程まで持っていなかったサングラスをビシッとかけて某音楽番組の有名MC風の姿になる。
「それでは皆様ご唱和ください!」
生徒会長がマイクでそう呼びかける。
「Impossible!!不可能に挑め!mission of the question!」
会長が叫んだ言葉を私達も勢いとノリで復唱してイベントはスタートする。
スタートしたのはいいけど、内容はよく分かりませんっ!!
第527話終わりましたね。巻き込み型のイベントがついに始めりました。内容云々は元々特に決めてなかったのですが、それはまた書きながらでも考えていきたいと思っでおります。
さてと次回は6日です。お楽しみに!
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