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『酒乱』というゴミスキルで追放された俺、実は酔えば無双する最強勇者だった 〜美少女たちとスローライフ…を目指してたのに、記憶にないけど目が覚めたら相手をボコボコにしてたので英雄に祭り上げられる件  作者: あいだのも
第八章 転生者による反乱のロマネンド

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第七十三話 囚われの姫が願うものと言えば


(場所:魔王に囚われた、魔王城の客間、おどろおどろしい雰囲気の中、膝を抱えて座っている。その脳裏に、これまでの人生が走馬灯のように蘇る)


クリス視点

物心ついた時から、私の周りは嘘と欺瞞に満ちていた。

私にとって、王や貴族ほど、卑しい者たちはいなかった。


表向きは、きらびやかで何不自由ない生活。

美しいドレス、豪華な食事、かしずく侍女たち。


だが、その裏側では、常に誰かを蹴落とし、自分の優位さを維持するためなら、どんな汚い手段も厭わない、醜い権力争いが渦巻いていた。


学園の中でさえ、それは同じだった。

兄たちは、常に自分の利益になる相手にだけ尻尾を振り、隙あらばその立場を奪い取ろうと画策していた。


私ですら、自分の身を守るために、誰に取り入るべきか、誰を切り捨てるべきかを、常に考え続けなければならなかった。


優秀で、唯一私に優しかった弟が、学園内の「事故」で亡くなった時もそうだ。

誰もが悲しむふりをしながら、心の中では「これで後継者争いのライバルが一人減った」と喜んでいた。


…本当は、兄たちが、邪魔になった弟を暗殺したのだと、私は知っていた。


そして、常に私も狙われていた。

気を抜けば『事故』で殺される。


そんな息の詰まる毎日の中で、私の唯一の希望は、叔母…王宮を飛び出してギルドマスターとなった彼女が、こっそり聞かせてくれる**「冒険者」**たちの物語だった。


身分も、家柄も関係ない。

ただ、己の腕と仲間との絆だけを頼りに、自由に世界を旅する者たち。


私たちの間では、冒険者は、日銭を稼ぐだけの卑しい存在だと蔑まれていた。

だが、だからこそ、私は彼らに、どうしようもなく憧れを抱いたのだ。


あの日、私は、全てを捨てて王宮を抜け出した。

叔母のいるギルドへ行き、初めての任務を受けた。


そこで、私は、彼ら…シューティングスターに出会った。

一人は、下品で、クズで、どうしようもないキリヤ

そして、もう一人は、どこか頼りなく、それでいて、不思議と目が離せない、不思議な男(博史)。


彼らと共に、泥だらけになりながら柱を修理し、酒場で飲み、酔っぱらい、そして…サイクロプスを倒す大冒険をした。

無茶苦茶で、デタラメで、およそ王女の体験するべきことではなかった。

だが、私は、生まれて初めて、心の底から「楽しい」と思った。


その時、私は確信した。

彼らこそが、物語に語り継がれる、本物の「伝説の勇者」なのだと。


彼らの力があれば、あるいは…。

この腐った王国を、本当に変えられるかもしれない。

そんな淡い希望を抱き始めた、矢先だった。


魔王が、たった一人で、王国に攻め込んできた。

あれほど強大に見えた王国の騎士団も、兄たちの権謀術数も、絶対的な力の前に、何の意味もなさなかった。


そして、私は、囚われの身となった。

(…結局、何も変わらなかった)

(私の小さな冒険も、淡い希望も、全ては、籠の中の鳥が見た、一瞬の夢だったのかもしれない)

クリスは静かに目を閉じた。


だが、その脳裏に浮かぶのは、絶望ではない。


泥だらけになりながら、それでも楽しそうに笑っていた、あの男たちの顔だった。

(…博史…キリヤ…)

彼女の唇から、かすかな声が漏れた。

(…また、飲みたい…)

それは、囚われの姫の、か細く、しかし消えることのない、祈りだった。



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その他の作品も読んで頂けると嬉しいです。

【最恐オーガは他種族女子と仲良くなりたい】

【囚われ姫は魔王に恋をする】

https://book1.adouzi.eu.org/n1925ii/


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