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第四十話 行動の原動力はお・ね・え・さ・ん・うっ

「これが情熱の国か……」

街の入口に

巨大な石の門がそびえ立ち

装飾された旗が風になびいていた。

中に入ると

太鼓の音と歓声が響き渡る

道を歩く人々の目には

興奮と熱意が宿っている


「すごい活気ね」

ブランが感嘆の声を漏らす。


「闘技場の戦いが近いからな

街全体が盛り上がってる」

キリヤが答える。


街並みは荒々しくも美しく

レンガ造りの建物が並び

道端では旅人向けの屋台が

所狭しと並んでいる


串焼きの肉の香ばしい匂いが漂い

闘士向けの武具を売る店に

鋭い刃を持つ剣や頑丈な盾が陳列されていた


水の都の澄んだ空気とは真逆の、汗と鉄と焼けた肉の匂いが混じった熱気が肺を焼く。耳をつんざくような歓声と、鍛冶場から聞こえる槌の音。道を行く者たちの目は血走り、誰もが富と名声、そして一夜の快楽を求めていた。ここは、欲望が渦巻く国、バニッシュ


「博史、防具替えなよ

私にばっか修理を頼まないでさ」

ミーナが俺のボロボロの防具を見て言う。


ミーナが博史のボロボロの防具を見て「もうこれ、革紐で結んでるだけじゃない!」。修理しようにも素材がなく、仕方なくブランの使い古しの下着の布で補強する。「これで防御力上がったわよ、主に精神的な意味で」とマリーにからかわれ、博史が顔を真っ赤にする。


「そんね金無いんだ…

ミーナの腕がいいから

初心者防具で良いんだよ」

そう言うとブランがスススと目線を逸らした気がした


「駄目よ、私は鍛冶師じゃないんだからね

これから敵も強くなってくるし

万全を越すべきよ

それに博史は一時期

めっちゃ良い防具買っていたでしょ」

博史ですら周りを伺い慎重に話したが

まさかのミーナが地雷を踏み抜いて来た


「ま、まあ機会があったら買うよ

本当に今…というかほぼずっと金欠で買えないんだ」


「全く…そんなこと言って死なないでよ」

盛大にフラグを立てるのはやめて欲しいな


闘技場へ向かう道には

武器を手にした戦士たちが

肩をぶつけ合いながら歩いていた


鉄の鎧が陽光を反射し

獰猛な視線が飛び交う


誰かが小さく息を飲んだ

——これから始まるのは

生き残りを懸けた戦いの舞台

闘技場の門をくぐった



闘技場で参加登録を済ませ、

俺たちはいつもの分担作業に戻ることにした


まずは情報収集と任務の受注のため

ギルドに向かう

今回は何故かブランがついて来た。


「ギルドに行くのはルサーリカじゃないのか?」


「何よ、あたしじゃ不満なの?

あたしだって街中を歩きたいのよ」

不服そうに答える


シューティングスターはマリー以外個人行動をしない

特にブランは目を付けられている


酔っぱらって

その場から居なくなるのは当然の事

シラフの時でさえ

道に迷ってどこかへ行ってしまう


リザリー達に甘やかされて育ったからなのか

個性なのか…


セイでお守りを貰ってからロクに話をしていない

俺が攫われた時は一番に気付き

動揺し、探しに出ようとした

とマリーから教えられたが

その後は一言も話していない

と思っていたらこうゆう時についてくる…

よく分からない


道端には腕っぷしの強そうな男たちが集まり

闘技について熱く語り合っていた


酒場の前では

既に飲み交わしながら

賭け事をしている者たちもいる

「次の試合は、あの黒狼の剣士が出るらしいぞ

各地でいくつもの道場を潰しているんだと

身のこなしの軽さで言ったら一番じゃねぇか」


「俺は紅の猛牛に賭けるぜ

あの突進を止められる奴はいない!

パワーだったらあいつが一番だぜ」


「今回は武伝流の総師範が出るらしいぞ

聖剣を手にするやつが現れたんじゃないのか」

そんな声が飛び交う中

俺たちはギルドへ向かって歩く。



「なぁお姉ちゃん

そんな貧乏そうな冴えない男より

俺と暑い一夜を十万モンで過ごそうぜ」

明らかに闘技場に出ますみたいな雰囲気のゴツイ男が話しかけてきた


周囲の人間が囁く。

「おい、あいつ男の残虐絶倫ゼファーだ」


「闘技場に出るらしいぜ

もしかしたら次の剣星はあいつかもな」


男の残虐絶倫ってなんだ…

怖いんだか

性的に凄まじいんだか

読めない


「どけ、デカブツ!」

ブランが男の残虐絶倫ゼファーに言う


「気が強い女は好みだ!!」

ゼファーは楽しそうに笑った。


「逃げるぞ」

こうゆう時は逃げて関わらないに限る


ブランの手を取って路地の仲へ逃げ込む


「あ、おいまて!

ごらぁああ!」

ゼファーの怒号を聞かないふりして走り続ける


走る足がフワフワしている

怖い…

前世のヤンキーですら怖かったのに

その体格を二倍にしたヤンキーに絡まれて

怖くないはずがない


普段強い奴らと一緒に居るとはいえ

あいつらは全く強そうじゃない



必死で走りようやくギルドの建物が見えてきた


俺たちはギルドの扉の中に飛び込んだ


「はぁ…はぁ…流石に撒いただろう」

こんなにあからさまな絡まれ方をするなんて…

俺はこうゆう国に合っていないのかもしれない


顔を上げると目の前にブランの顔があった

それにしても珍しい

ブランが俺と大人しく逃げるなんて…

普段なら「なによやるの?、デカブツ」とか言ってより喧嘩になりそうなのに…


そんなにあいつはヤバいやつなんだろう…


水の都とは異なり

こちらのギルドは重厚な石造り

入り口には巨大な戦士の像が立っている。


中には鎧を着た冒険者たちが酒を飲み交わしながら談笑していた

確かに身体が大きいがこのように酒を飲みながら談笑している奴らには恐怖ではなく親近感を感じるのは何故だろう


旅をしてから

こうゆうところで酒を飲むことが出来なくなった


パーティ内で飲む酒も良いが

初心に帰って

たまにはこういう、荒くれ者の酒場で飲みたいものだ

そのためには旅の荷物をどうにかしなきゃいけないんだが



壁には歴代の闘士たちの肖像画が飾られ

その下には名誉の戦歴が刻まれている。

受付に近づくと、ギルドの職員が鋭い視線を向けてきた。


「千里の道も一歩より

ようこそ、情熱の国のギルドへ」

情熱の国というからアルブジル以上の露出を期待していたが

以外にも清楚な感じの服装だ


「シューティングスターの博史です。

ギルドの登録と、いくつかの任務を受けたいと思ってます」


「シューティングスターですね……。

ええとロマネンド王国から来たパーティですね

ここでの依頼は、甘くはないわ。

でもそれだけの実力があるなら……

良い仕事を紹介できます」


「あ、簡単なCランク以下の任務でお願いします」


「な、なんでですか、」


「そんなの死にたくないからに決まっているじゃないですか!」


「そ、それでしたら闘技場の清掃任務があります

(火口に住み着いた魔龍の討伐をお願いしたかったのに…)」

ボソッと言った言葉を博史は聞き逃さなかった


「魔龍の討伐!?」

なんて心を踊らされる言葉だろう


「最近、火山の活動が活発になっている影響で

魔龍の動きも活発化しています。

街への被害が拡大する前に

討伐をお願いしたいのですが…」


「では、この任務をお願いします」


「ちょっと、博史、どうしたの?

簡単な任務を受けるんじゃないのかい?」

ブランが俺をいさめるが、もう遅い。

俺の冒険心に火が付いてしまった。


「本当ですか?

ありがとうございます!

えっと、魔龍の情報ですが

どこやったかな」


ギルドのお姉さんがこちらにお尻を向け

下方にある引き出しを空けて棚を探し出した


その時後姿のお姉さんの

シャツとスカートの隙間から

背中の地肌が見えた

肌色の以外に

目をくらませるほどの赤が

色の判断をせずとも

脳の中に突き刺さってきた

一瞬血かと思い焦った

が冷静に色の判断が出来る様になって気付いた

そう、パンツだ

ローライズパンチラだ


そこで俺は察した

隣にいるブランもパンツに気付いていると

そして俺の視線の先を見ていると…

無言で博史の足を踏んづける、肘で突く、といった可愛い行動を入れる。

俺はすぐに視線を外した

ふぅ、隣からブランの溜息のような音が聞こえる


でも、俺は以前キリヤに学んだ

この異世界に写真は無い

しかし記憶で、脳内で写真のように記憶が出来るのだと

なるべく鮮明に今見た景色を脳内で再生する

色合い肉感全てを


その後ギルドの受付嬢が差し出したのは分厚い本だった

そこに記されたのは——火山の魔龍についての注意事項

長々と教えてくれたのだが俺の頭は

シャツとスカートの間のことでいっぱいだった

特に真っ赤なパンツと

決して割れ目は見えていないが

尾骨の下のくぼみとその両端にある若干の盛り上がり



これが見られるなら魔龍討伐くらい安いものだ。


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