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第二十七話 お宝は手に入れたらすぐに無くなる



俺が弱いせいで

キリヤが腕を無くしてしまった…

「ま、マリリン…キリヤの腕治らないのか…?」


「治らないわ

正確には傷付いてすらないもの」

キリヤを見て見ると

血が出ていない

先ほどの空間を削り取られたような

跡だけが残っている


「マリリンの大爆発で倒せていないのか?」


「おそらく全くの無傷ね

本来エクストールはあんな規模じゃないもの

大部分が亜空間に削り取られていたわ」


「どうだ博史

片腕の剣士ってなんかカッコいいだろう」

キリヤは無くなった腕を服の中に隠し

上機嫌


「そんなこと言っている場合じゃ無いだろ

ごめん、俺が足引っ張っちゃってるから」


「だから、止めろって

俺様が勝手にやったんだ

お前が気にすることじゃねぇ

てか、腕がまだ動いてる気がするんだが

俺の頭と感覚がおかしいんか?」

片腕を無くすと

無くす前の感覚が残っている事があると

ドキュメンタリーで聞いた事ある


「間違ってないわよ

貴方の腕は正確には

切れたのではなくて

亜空間に飛ばされたのよ」


「どうゆう事?」


「そのままの意味よ

テッシンがいきなり現われたでしょ?

あれは亜空間を移動していたからなのよ

運が良ければ

テッシンがキリヤの腕を拾ってきてくれるかもね」


「今度こそ襲われたら

殺されるよ」


「そうかもねー」


「じゃあなんだ?

あんな訳の分からねぇ奴を

テッシンがあの迷宮に封じ込めたのか?

自分の移動を楽にするために」


「あれをやったのはテッシンじゃないわよ

初代の魔王よ」


「初代の魔王!?」

よく聞いた事のある人が出てきた

魔族の王で人間の姫を攫い

勇者によって討伐されたとかいう神話の話か


「マリリンもそこは詳しくは知らないけどね

まさか、ダンジョンが”あれ”のとはね

相手が悪すぎるわよ

博史のおかげで未踏の部分も踏破出来

大分お金も稼げたし

商売組と合流するのが良いわ」


「そうネ

あちきも命が大事ネ

上へ戻ったら

また沢山飲むネ」

そんなことを話ながら

皆の待つ地上に辿り着いた



――――――――――――――――――――――――



目が覚めたら

いつも通りの宴会の終盤だった

悪い夢を見た気がする

俺を庇ってキリヤが腕を無くし…


あれ…キリヤの腕がある…


「おおお博史!目が覚めたか!」

いつも以上に興奮した様子のキリヤ


「あれ…俺は夢を見ていたのか…

キリヤが俺を庇って

腕を無くしたんじゃ…」


「なんだよ、博史そこから曖昧なのかよ

そこは実際にあったぜ

で、そのあと飲んでてな」



―――――――――――――――――――――



地上に帰って来てから

またテッシンの時の様に

深刻な事など無かったかの様に

飲んでいた


皆がキリヤに「腕どうした?」と聞き

「世界の果てに置いて来たぜ」

というと


「そっか、残念だな、

この国には可愛い子がかなりいるぞ」


「うおい、まじか!

俺様はそっちに行けば良かったな」

といつも通りの話しになる


そんな中博史がすっと立ち上がり

「キリヤの腕を取り返してくる」


「博史駄目!」

「そうだ、俺様は腕無くても強いんだから」


「いや、いく」

千鳥足でフラフラとダンジョンに入っていってしまった


キリヤ、メィェンタオ、ブラン、マリリンに加え

フローレンもついて行ったが

千鳥足の博史に中々追いつけない


博史の通った後は

魔物の残骸が落ちており

あっという間にボスの間に着いた


皆が扉を開けた時には

博史と『亜空間の秩序』が

目にもとまらぬ速さの攻防を繰り広げていた


博史の周りの空間を一瞬で数十か所削り取ると

博史は相変わらずの千鳥足で避けていく

博史がジリジリと距離を詰めていくと

『亜空間の秩序』は自分の周りの空間を

全て切り取り

また距離を取る


『亜空間の秩序』も追い詰められているのか

以前のような少女の姿ではなく

円になったり幾何学的な四角になったり

形を常に変えている


そのような攻防を幾度か繰り返した後

『亜空間の秩序』が大部分の空間を削り取った時

博史は一緒に飲み込まれてしまった


「ひ、博史!」

シューティングスター面々が叫ぶ


『亜空間の秩序』の意識が

残りのシューティングスターに向き

皆が冷や汗をかく


【ま、まさか…】

『亜空間の秩序』が何かを発しかけた時

空間の入れ替わりが起きた


『亜空間の秩序』が居た場所

博史はキリヤの腕を持って立っていた


しんと静まり返った広間に

戦いの余韻が残っていた


「ひ、博史…

大丈夫なのか?」

少しの間が空いた後

皆が駆け寄る


「マリー

これで治るか?」

博史がマリーにキリヤの腕を渡すと


「マリリンの力は要らないはずよ」

そういうとキリヤの腕を

そのままくっつけた


キリヤは自分の感覚を確かめる様に

グーパーしたり

動かしたりし

「おい、マジかよ

博史はあれに勝つのか!」


「すごいネ!

すごいネ!

この奥にお宝があるはずネ

今日は宴会だネ!」


ゴゴゴゴ……

鈍い音とともに

広間の奥の壁がゆっくりと開き始めた

暗闇の奥から一筋の金色の光が漏れ出す

メィェンタオを筆頭に奥の部屋へ向かう


黄金に輝く宝物の間

壁一面には古代の壁画が刻まれ

光の魔法陣が淡く脈打つように輝いていた

中央には荘厳な宝石を散りばめた祭壇があり

神秘的な光を放つ宝箱が静かに鎮座していた

「ほれ、博史開けるネ」

メィェンタオが急かす


宝箱を開けると

何やら読めない文字で書かれた紙が

一枚入っていた

「これだけ…?」

大量の宝を期待した落胆の声が出る


マリーはその紙を手に取ると

ボォオオと火柱が上がり

一瞬にして灰になった


「お、おい、マリリン!!

それが宝じゃないのか!?

何で燃やすんだよ」

ブランがそういうと


マリーは振り返り

自分の頭をこつんと可愛くグーで叩き


「マリリン、

つい手が滑って

火の魔法を出しちゃった

てへ」

その様子に一番焦ったのはメィェンタオだった


「な、何てことしてくれたネ

ジジイに見せる証拠が無くなったネ

今日は飲んだ後

明日お前たちにはあちきと一緒に

ジジイのとこに行って

迷宮踏破を証明してもらうネ!!」

メィェンタオはやたらと飲みたがるな



〇成年のくせに



「良かった」と思ってくださったら

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筆者が泣いて喜びます。


その他の作品も読んで頂けると嬉しいです。

【最恐オーガは他種族女子と仲良くなりたい】

【囚われ姫は魔王に恋をする】

https://book1.adouzi.eu.org/n1925ii/


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