第二十五話 非戦闘員の役割が尊い
迷宮都市セイにて
振り分けられた任務を効率よくこなしていく
任務をこなしながら
異世界といえば
前世の知識を利用した
科学的便利用品の販売だ
この国の市場はとても活気がある
チェンマンに刺激を受けたのも大きいが
こういう時の為に
常に準備はしていた
カメラもこの伏線なんだ
決して犯罪に手を染めようとしていた訳ではない
道中ミーハーのミーナに
こっちの世界に必要そうなものを聞き
前世の知識を活用したアイデアを出して
ミーナに作ってもらう
魔法が必要ならばマリーが作成していた
この世界は魔力が貴重
科学が発展していない
いけると思ったが
中々難しい
定番のライターは火打石はあるし
容器のガラスはマリーの魔法で出来るが
ガスがない。
アルコールやオイルは使えるが
作るには高価すぎる。
道中手に入れた
グリフォン等獣の脂を利用し
作って出来たがせいぜい数十個
魔法屋で火を出す魔法が
比較的安価に売られていたので
そこまで高値は付けられない
火薬もセメントも磁石も
こっちの世界に存在した
毒の類いは
魔物からも色々な効能を持った
強力な毒が取れるため微妙
電気や電球も
ライフラインから作らなきゃいけないから無理
Dr.○トーンの知識があまり役に立たない
そもそも量産が出来ない時点で
科学で儲けようとするのは厳しい
結局は漫画の世界というわけか
とはいえ思わぬところに
ヒット商品があるかもしれない
炭を利用したこたつは
寒い日の酒盛りの時に
女性陣に人気があるし
金属を折りたためるように加工し
蝋で防水加工をして布を巻いた
折り畳みの風呂に焼き石で温度を上げる
温度が高くなると蝋が溶けてしまうが
長旅で風呂に中々入れなかったので
女性陣に大人気だ
博史らは前科がいくつもあり
かなり厳しく見張られているため
覗くなど全くもって不可能だったが
任務の合間に市場で売ってみたが
一向に売れない
何で売れないんだ…
パーティでも好評だし
絶対にこの世界では
便利アイテムなのに…
シラフで知らない人に話しかけると
緊張して声が出ないからか…
酒飲んでやってみるか?
痺れを切らした
悪ノリのボリスと
ほら吹きのミジムが
露店にやってきた
「博史お前いい物
便利な物
珍しい物が売れると思っているだろう?」
「違うのか?」
「かぁーこれだから
素人は困るぜなぁミジム」
とボリスがいうと
「俺らに任せな
全部うっぱらってくるからよ」
とほら吹きのミジムが言う
「いいか博史
商売はノリと誇張だ
相手が欲しいと思わせるんだよ」
「見てろ
よお、そこのにいちゃん、にいちゃん
この持ち運び出来る風呂はいかがかい?」
「…風呂なんて要らねぇよ、
これでも俺は三日に一度
風呂に入るようにしているんだ
俺が不潔だって言いたいのか?」
「かぁーちげえよちげえ
おにいさん冒険者だろう?
次の時代の冒険者に必要なのは
ポーションじゃねぇ
風呂だ!」
「嘘つけ!」
「いいや、ミジムのいう事は正しいぞ
これを実際に使ってきた俺らが言うんだ
野宿はポーションより
疲れが取れるってもんよ」
「風呂は好きだけど大袈裟だろ」
「かぁああ、ちげえんだってよー
にいちゃん
にいちゃんのパーティに女の子は居るか?」
「居るけど覗けってことか?
そんなリスクのある事
出来る訳ねぇだろ」
確かにキリヤが覗き
恩赦があっても
国外追放だからな…
恩赦が無ければ一生牢獄か…
リスクはかなり高い
「かああああああああああ
だからちげぇって!
想像してみろやー
まずにいちゃんが風呂を作るだろう
そしたらレディファースト!
女の子達を先に風呂に入れる
それだけでもお前の株は爆上がりだ…が
俺が言いてえのはそこじゃねぇ
その後に入るのは持ち主のお前だ
純粋な女の子たちのエキスを
お前が独り占めさ
浴びて良し、飲んで良し
ポーションなんかの回復量とは桁が違うぞー」
「女の子は風呂が好きってのは
相場で決まっている
外で入る風呂は格別さ
露天で解放的な風呂を
野営で入れるはずのない風呂を
お前が用意するんだ
モテるぞー」
その一言にお兄さんの表情が変わった
「今なら周りを囲う土魔法陣セットだ
ついでにどこでもあったかい風呂に出来る
水と熱魔法の魔法陣までついてる
女の子への心遣いも
ダブルセットでモテモテさ」
「買ったぁああ!!!」
「まいどぇー」
凄い…
言っていることに
実践が伴ってないのに
何故か説得力がある
妄想できる
こいつらの話を聞いていると
そのような場面を想像してしまう
しかも、下ネタとモテという
男がなんとしても欲しがっている
モノを織り交ぜて
この風呂を持っているだけで
女の子の出汁に浸かれ
任務の疲れを癒し
さらにはモテた気になってしまう
俺らは完全に男女別だし
風呂の魔法はマリーが中心だから
モテも全くない
水も女性が人数多いから
男女で入れ換える
ボリスとミジムに
このような欲望があるのかと思い
聞くのは少々恥ずかしいが
男が女の子を喜ばせるのは
確かにモテるかもしれない。
「なぁ博史
カメラってやつも
一緒に売っていいか?」
「…い……いいんじゃないか?」
どうにか今のやり取りだけは
無かったことにしたい
チェンマンとルサーリカは
屋台のメインフード
ロマネンド風チュチュ鳥の香草焼きを出すことにした
セイにもチュチュ鳥があるが
セイの料理は炒めや煮るのが基本
香草もこっちでは漢方のように
薬として扱う事が多いらしい
セイには無い
ロマネンドならではの料理
これなら資金を稼げるはずだ
そして、他にも今までと変わった事がある
これまでだったら
必ず戦闘員を非戦闘員に護衛で付けていた
が状況が変わってきた
こっちの世界だと敵を倒した者以外に
経験値が平等に入る
つまり非戦闘員にも経験値が入っている
一般的なパーティは
小規模で隠れながら
移動するもんだが
俺らはどうしても大規模だから目立つ
この前のグリフォンもそうだが
基本弱い魔物は
フローレンのマーキングで寄り付かず
寄り付くのは大物
必然的に主力以外のレベルも上がっていき
そこらの冒険者と遜色のないレベルにまで
上がってしまった
こんなことなら大人数でパーティ組んだ方が得だ
と思ったが
マリーが言うには
普通大規模のパーティはありえないらしい
冒険の目的が
個人の名誉や誇りが
根底にあるからだ
誰しも自分が一番になりたい
だからほとんどのパーティが強いやつが偉い
大規模になればなるほど
実力が拮抗し
派閥が生まれ
結局バラバラになる
シューティングスターにはそれがない
キリヤのせいで名目上は
魔王討伐パーティーになってしまったが
基本的な活動はただの
飲みサーだ
いや、旅する飲みサーだ
それに戦いの実力がある奴ほど
日常生活で使えないやつばかりだ
キリヤはクズだし
ブランはポンコツだし
マリーはぶりっ子だし
フローレンは変人だ
逆にボリスミジムは商売
チェンマンは料理
ミーナがものつくり
リザリーが隠密
ルサーリカが経理等
細かな事が出来る
フェフチェンコがちょうど真ん中だ
さらにフェフチェンコはブサ男のくせに
女性陣に信頼がある
トイレの一件もそうだけど
悪いものはすぐ伝えたり
男の悪ノリの抑止力になっている
元からキリヤと仲が良くなかった
っていうのもある
本人は嫌がっているが
女性陣からもマスコット的な扱いを受けている
なんとも羨ましい
先日のルサーリカの一件含め
非戦闘員がいないと
強い奴らが何も出来ないのは
身に染みて分かっている
シューティングスターは
戦わない人たちのお陰で成り立っている
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