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雅楽伝奏、の家の人  作者: 喜楽もこ
十九章 有財餓鬼の章

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304/314

#01 主人公ぶる

 



 元亀二年(1571)三月二十三日






 帰京の途。



「道中のご無事を祈念いたしまする。これにて御前失礼いたす」

「では京で」

「京で」


 謙信公は毘沙門天へご報告に上がるということで道中にある毘沙門堂へと寄り道するらしかった。

 共にどうかと足休めに誘われた天彦だったが、珍しくお誘いにはのらず真っ直ぐ京へと帰るルートを選択した。


 天彦は意図して避けていた。べつに多聞天と相性が悪いわけでも、謙信公との懇親を避けたわけでもない。むろん毘沙門堂に対しても、何の企図も抱いていない。

 ただ単に毘沙門堂という場所その物に対して、自分なりの曰くがあっただけ。


 毘沙門堂びしゃもんどうは、京都市山科区にある天台宗の寺院。

 山号は護法山。本尊は毘沙門天。正式名を護法山安国院出雲寺という天台宗京都五門跡の一つであり、山科毘沙門堂、毘沙門堂門跡とも呼ばれる


 天彦には思い出深い寺院でもある。


「四郎……」


 そう。ここはかつての友と初めて出会った思い出の場所。


 天彦は今ではすっかり記憶の彼方へと追いやられてしまっている戦国武将の面影を、わざわざ脳裏の奥から引っ張り出して感傷に浸る。


 彼を思うとき天彦はいつも、僕のは哀しい役だよグラシアーノ。この世界は誰もが自分の役をこなさなきゃならない舞台なのさ。


 バサーニオが語るベニスの商人の1シーンが脳裏を過ぎる。

 自分たちも世界線が違えば、バサーニオとアントーニオになれたのではないだろうかという懺悔の意味も込めて。

 金貸しシャイロックが改宗を条件に死罪を免れた結末を揶揄ってではなく。


「……」


 この毘沙門堂での淡く苦い思い出を知る者は少ない。菊亭事情通であるルカでさえ知り得ない曰くである。だがまったくのゼロではない。

 と、事情を知る数少ない内の一人であるラウラが、謙信公の後姿を見送るテイで毘沙門堂のある北の山を見つめている天彦にそっと優しく言葉をかけた。


「天彦さん。やはり思い出されますか」

「て、思うじゃん?」

「いたずらに強がる必要はございません。辛いときは辛い。それの何がいけないのでしょう」

「……べつに。ちょっと主人公ぶってるだけなん」

「You’re kidding me? Easy come, easy go」

「得やすいものは失いやすいか。四郎との関係が特別でも特段得やすかったとも思わんけれど……、うん。たしかに金言ねん。ラウラは凄いなぁ。いつも的確で冷静で」

「天彦さん」

「心配無用。身共かてわかってる。今はちょっとヘラってるけど、明日にはきっと笑顔を見せていると約束できる」


 ラウラはほんの一瞬だけ唇を固く噛んだ。


「ならばフィジカルをお鍛え召されませ。メンタルコンディションは強きフィジカルに左右されます」

「あはは。たしかに。ほなまた素振りでも始めるか。いまだ十つしか続けられへんけど」


 腕さんぷるぷるねん。


 お道化て誤魔化す天彦に、ラウラは会話を諦めた。

 だが彼女の目線と口元には見る者が見れば気付けるレベルで不満の意が表明されていた。


 ややあって、


「天彦さん、最後に一言だけ」

「なんや改まって。おっかないさんやなぁ」

「はい。いいえ。よろしいですか。苦い思い出と向き合う必要はございません。お辛ければ逃げればよろしい。少なくともわたくしは、そうやって今日まで過ごして参りました」


 気休めの言葉だった。だが天彦にはこれで十分染みていた。


「ラウラの苦労、想像に難くない。おおきに。そして不甲斐ない上司であることを許してほしい」

「どういたしまして。ですが不甲斐ないなどとは申されませぬよう。あなた様より上手にわたくしを使いこなせるボスはこの世に存在いたしませぬ」

「ん。ほなそれで」

「はい」


 天彦は口を堅く結んでうんとひとつ請け負った。

 憂いも陰りもマイナス思考はまるっとぜんぶ。北の山へと追いやって。


 やはりラウラの存在こそが天恵であった。

 天彦は仄かだった考えを確実なものと置き換えて、いざ。京の都へと歩を進めようとしたそのとき。


 先遣隊からの報せを届ける一騎の伝令が駆け込んできた。


「申し上げます! 前方九町地点に、井桁の旗印が棚引いてございまする」


 天彦はラウラを見た。くしくもラウラも同意見のようだった。

 二人の見つめ合う目と目には同じ色味の感情が浮かんでいた。苦笑である。


「ならば奥には橘紋もございますことでしょう」


 ラウラの指摘に天彦も同意の頷きを送る。

 次郎法師は菊池家の御曹司と共にお留守番役を命じていた。

 そのときの二人とも。それはもう不服そうで、「これも扶殿の取り計らいにございましょうや」と、是知の疑惑の采配に異を唱える始末であった。

 むろん天彦は即座に……、うん。そうやねん。と言いかけたところをギリギリの線で踏みとどまり、ラウラ。家令を売るのだったが。


 だがそんな笑い話も今は昔。もう天彦の顔からそんな朗らかな笑顔はない。表情を180度転換させると、


「ばり怖いわ。なんなんやろ」

「だから帯同させよと申し上げましたのに」

「おまゆう」

「はい。申します。何しろ天彦さんの御冗談のおかげでわたくし、散々な目に遭いましたので」

「あ、ずるい! 備えも必要やと人選の進言したんは紛うことなくラウラねん」

「人聞きの悪いことを申されますな。わたくしは家令。主家菊亭家の御家内ごと以外に差し出口など挟めようもございましょうや」

「おいて! どの口で申すん」

「うふふふ、このお口で。かわいらしいでしょう? 嫁の貰い手がないことが不思議なくらいに」

「あ。You seem happy today!」(調子よさそうやな!)

「Fine thank you. good you?」(はい好調ですわ。天彦さんは如何ですの)


 ちっ。いいわけあるかい。


 天彦は舌打ちをひとつして、次郎法師が一家総出で出迎える場所だか村に足を運ぶことに決めた。






  ◇






「殿。なにとぞ聞き届けていただきたき儀がございまする」

「どないした、改まって」


  一団の出迎えがあった村に辿り着くなり、平身低頭、大津遠征には帯同していなかった組のひとりが額を床に擦りつけて待ち構えていたのである。

 男装の麗人といえばおわかりいただけるだろう。次郎法師直虎が井伊升家紋入りの折り目正しい正装を纏い、頼みごとを強請っていた。おそらくきっと。


「なんや次郎法師。珍しいお強請りさんか」

「はっ。御慧眼にございまする」


 むろん天彦に否などない。むしろ逆に何をこんなにも改まっているのだろうかと怪訝に感じてしまうほど。

 怪訝を隠さず次郎法師の次の言葉を待っていると、なるほどおっ魂消のとびきりは爆弾発言が耳に飛び込んできた。


「義弟にあってくださりませぬか。何卒どうか御願い奉りまする」


 平身低頭、辞を低く懇願する次郎法師。


 一方天彦と言えば、京に舞い戻るなり刺激的展開すぎるやろがい!


 ドキワクがとまらない。

 それもそのはず。天彦の解釈違いや的外れな勘違いでなければ、これは登用の申し入れに相違ないのだから。


 義弟といえば言わずと知れた井伊の赤鬼、人斬り兵部、目も冴えるほどの美少年でお馴染みの彼である。

 勇猛果敢を体現したような人物であり、家康公に愛され最も重用された戦国を代表するチート武将である。

 が、そんな彼を語る多くの代名詞などどうでもよいと思えるほどの持ち味が実は彼にはある。そう。何より目を引くのは戦国五指に入る人格者であること。


 天彦はその一点で最近なかった感動に身震いしていた。


 その井伊万千代直政が目通りを願っているのである。

 義姉(史実での義母)、次郎法師の口利きで。


 天彦はやや緊張の面持ちで次郎法師に応接する。


「願ってもないこと。だがその前に」

「……はい。ご懸念でございましょう徳川様のご意向ですが、この通り、念所を頂戴してございまする」

「用意のいいことや」


 天彦は言ってその念書とやらを預かり受ける。そしてばさっ。

 文を一気に広げると冒頭から念入りに、ともすると隠された行間の意味さえ読み落としのないよう念入りに目を上下させて熟読に没頭した。


 内容は井伊家を預け渡す。それ以外に含意はなく、遺恨や疑念の余地はなかった。むしろ徳川家から中央との繋ぎとなる家門が生まれることへの期待や安堵の感情が読み取れるほど。井伊家の鞍替えは肯定的に捉えられているようであった。

 裏を返せば中国遠征の順調さが窺える。天彦はそちらにも好感触の手応えを感じつつ文を畳み次郎法師に返した。


「事情は察した。ならば善は急げや。この足で身共の方から迎えにあがろう」

「と、殿……!?」

「どこや」

「え」


 予想外だったのだろう。天彦の厚遇の言葉に次郎法師は感動を振り切ったら人はこんな顔になるのか。そんな驚愕の表情を張り付け珍しく感情を露呈させて固まってしまっていた。


「だからどこやと訊いてる」

「はっ!? この先にございます家屋に控えさせてございまする」

「ん、ほな即刻参ろう」

「は、はは――ッ」


 天彦は終始不安感情の拭えないでいる次郎法師を引き連れ、家屋へと向かった。






 ◇






「面をお上げ。直言を許す」

「は、ははッ」


 久方ぶりの再会は、やはり寸分違わぬ記憶を思い起こさせる。

 目の冴える美少年。冴えるほどではない。完全に冴えて醒めるのだ。

 美少年は世に捨てるほど存在するし、菊亭界隈にだってそこそこいる。だが彼ほどの美丈夫はそうは滅多とお目にかかれない。……すっご。まぶしっ。


 彼、井伊万千代直政は誰の異論も認められないチート級の美顔の持ち主なのであった。


「井伊万千代直政にございまする。御尊顔を拝し光栄至極に存じ奉りまする」


 イケメンはイケボでもあった。

 これは井伊家伝統の系譜なのだろう。義姉ぎしである次郎法師も相当のイケボである。


 さて、戦国元亀には様々な人材が存在する。それこそ上から下まで多種多様な人材が、登用されていたり野に埋もれていたりと。

 そんな中、型に嵌めると必ず揉める。あるいは能力の半分も発揮できない素材のまま登用するしかない人物が多くはないが一定数いて、菊亭ならば朱雀雪之丞がその代表選手であろうか。

 この直政もその一人であった。天彦の見立てでは、あるいはその筆頭なのかもしれないほどの。


 だが逆に、そういった人材は極めて有為としたもので。だからこそ許される、あるいは許されてしかるべく良結果を残す人材であるともいえる(天彦調べ)。

 故に天彦は震えるほど欲するのだが、それとは別の理由もあった。

 これこそが、ともすると直政を欲する最大一番の理由といっても過言ではない大本命の理由が。


「佐吉と仲ようしたってな」

「あ、え」

「これ万千代。お応え致さぬか」

「あ、ははっ!」


 直政は義姉の言葉に我に返り、平身低頭肯定した。意味など一ミリも理解できていないだろうに。

 だがそれでいい。意味などいずれ追い付いてくれば。あるいは彼が彼として自身の矜持を全うしてくれれば。それだけで達成されるお願いなのだ。


 敗戦の将であった三成を処刑の直前まで手厚く保護し、引き継いだ所領(佐和山)でも、領民に慕われていた三成の弔いを許すほどの人格者であったとか。


 天彦はこの史実に残る逸話が大好きだった。


 これがすべて、これが本心。直政は戦犯大将であった石田三成を処刑の直前まで手厚く遇してくれた、東軍では心ある数少ない武士もののふなのであった。

 天彦にとって数ある直政エピなどスパイスに過ぎない。佐吉に親切にしてくれた。この一点、これこそが何よりの好材料なのであった。


 おおきに。身共はついてる。それともいよいよ流れを引き寄せたか。


 でゅふ、でゅふふふふ。マイメンげっとだぜ!


 何よりこの引き締まった感じのする雰囲気が天彦の気分をよくさせた。

 どんな大企業も澱めば滅びる。新陳代謝はマストである。それは公家家とて同じこと。

 与六の、是知の、佐吉の、且元の氏郷の高虎の、あの凛と澄ましている風で、実際はどこか険しく引き締まった表情を見れば一目瞭然。

 井伊万千代は春風となって菊亭によい兆候をもたらしてくれることだろう。天彦は心ひそかに確信する。そして、


「お雪ちゃんはもっと危機感持とうな」

「なんですのん、藪から棒に」

「いま鼻ホジってたやろ」

「もう! 新参の前で恥かかさんといてくださいよ」


 それはまんまこちらの台詞なのだが。

 と、天彦は失笑しつつ菊亭家の本質をさらっと曝け出したところで、愛用の扇子をばさっ。ひと仰ぎして表情ごと雰囲気を一変させると、


「井伊万千代。大儀におじゃった。帝の臣として、日ノ本の安寧に務めるがええさんや」

「ははっ! 主家の大恩に報いるべく一所懸命お仕えいたしますること、天地神明にお誓い申し上げまする」

「ん。よろしゅうさん」

「はっ、こちらこそよろしくお願い申し上げまする」


 こうして天彦は侍大将と、井伊家総勢六百のつわものも同時に麾下に加えるのであった。






 ◇◆◇





 洛中に入ってすぐ。五条蹴上げ町に差し掛かったところで、


「若とのさん、あれなんですのん」

「あれ……? ああ、あれは町奉行交番所や」

「町奉行交番所ですか」

「そやで」


 天彦の献策で予算が付けられた町奉行所は、信長が名乗っていることでお馴染みの弾正台の下部組織である。

 江戸時代ではすっかりお馴染みの同心組織であり、それを天彦は時をほんの百年ばかり早めてこの世に顕現させていた。


 つまり天彦がまず着手しようとしているのは輸送費削減であった。

 現行の輸送費はバカ高い。それこそ笑ってしまうほどに。

 だが二回に一回、荷が無事に届けば運がいいとされる目下の治安状況では至極当たり前と思われた。輸送費も重要な物価指標の一つなのだから。


 それにかんしての疑義はない。一方で安全が何よりも勝る特効薬であることを天彦は知っている。

 もはやハイパーインフレーションであることを認めざる得ない現状の改善策として、まず輸送費を安定させることに着眼し、天彦はこの治安改革を実益政権施政方針の一丁目一番地に掲げようとしているのである。


 その一環がこの町奉行交番所の設置であった。のだが……、


「この交番所さん、ずいぶんときちゃないですね」

「……そやな」

「なんですのん、お上の代理たるお役所さんが。ぜんぜん儲かってませんやん」

「ワンオペやしな。……っておい! 交番所さんが儲かってたらあかんのよ」

「なんでですの」

「なんでやろ」

「あ。面倒がらはった」

「うん、面倒がったな」

「ひどいです!」

「酷ないで」

「あ」

「あ」


 それは事実。だが他方で、天彦が感心しているのも事実である。

 雪之丞は思わぬところでいつも核心を突いてくるのだ。


 だが今の心境は面倒が勝ってしまったので雪之丞は放置する。

 するとそこにもう一方の面倒くさい代表格が馬首をそっと合わせてきた。


「殿、ならば弾正台に予算を付ければよろしいのでは」

「是知は身共がそんな当然に着手してないと思うんか」

「……浅慮にございました」

「ん」


 付けた。それもたっぷりと。その返事は実益から確と貰っている。

 だがこの様子では正しく配分されていないのだろう。

 そのことを天彦は危惧する反面、当然の道理であることも承知していた。

 何せ弾正台を管轄するのは、あの源氏のエリート公卿である近衛中将久我通堅なのだから。


 この一件だけで彼を二条派(旧九条派)と位置付けるのは危険だが、そうと誤解されても已む無しの対応であることだけは紛れもなかった。

 言い換えるなら久我通堅は関白二条昭実と懇意であることを隠してはいないと読み解けた。あるいは隠す必要性を感じていないとも読み解ける。


「実益が舐められてるん」


 延いては己も。

 そのことが何よりも業腹で不甲斐なく感じる天彦であった。


「有罪無罰の理。どこまでも我らの行く手を阻みます悪習ですな」

「それで助かったこと。一度や二度ではないけどな」

「あ、いや、そんな心算では……、ご無礼仕りました」


 馬首を合わせてきた氏郷が、失言を残してまたぞろ後列に戻っていった。

 皆の発言が積極的なのはよいことである。これ一つとっても万千代の加入には意味があった。


 天彦は小さく笑う。


 だが氏郷の発言もあながち失言ばかりとは言い切れない。

 事実として久我通堅の態度には、そんな節が見て取れた。あるいは目々典侍との不義密通があらぬ成功体験となって彼を強気に誘っているものと思われた。


「主上さんは、優しい御方さんやったから」


 本心ではあの件で始末しておいてほしかった。島流しなどという緩刑で終わらせずに。


「どういたしますので」

「うん」


 天彦はルカの問いに曖昧な相槌を返すと、手綱を足元の従者に預け渡して思考する。


 弾正台の正常化は必須である。だが弾正台を制御下に置くことは現実的ではない。不可能とは言わないが相当な荒療治が予想された。それこそ大流血祭りの再来である。

 ましてや危惧はこれだけにとどまらない。即効性の劇薬もあるにはあるが即効性と持続性は相反する。その観点からも好手とは思えなかった。

 天彦は千年続く体制を目論んでいるのだから。


 ならば手立てはひとつきり。なんらかの形で町奉行所を独立させることであろう。

 だが治安維持はそれこそ弾正台の存在意義そのものである。到底可能とは思えない。


 ……果たしてそうかな。


 

 あ、閃いた。



 君主の存念を代行するのが家臣の務め。とか。

 善悪ではなく義務として。感情論ではなく政治論として。それが務めであると信じている。


 ならば源氏長者さん。史実でのその拝命官位に相応しい地に下向してもらおうではないか。あるいは与えてもおもしろいのかもしれない。

 未だ政情不安定な、宇喜多家の後を引き継いで城代を務める、あの腹黒軍師のお膝元への下向を。


「でゅふ」


 ならばこの策に必要な名分は。あるいは大儀とはなにか。

 裏で確実に繋がっている目々典侍はどう動くのか。それとも静観するのだろうか。それもひっくるめて後宮対策も浮上してきた。


 天彦は久我通堅の別名“備前権守”の冠名を脳裏に思い浮かべながら、実にいい(悪い)顔で悪巧みに耽るのであった。


 周囲のイツメンたちでさえ、そっと目を逸らしていることにも気づかずに……。


 いずれにしても本職のお時間である。本格的な政争の渦中にある内裏には、果たしていったいどのような策謀が渦巻いているのやら。













【文中補足】

 1、九町≒1キロメートル。













十九章、有財餓鬼の章。


見つけちゃいました、発見しちゃいました!

その名もウザイガキ。笑笑


ほんとうの意味も副題には込められておりますが、隠された意味の方を主眼につまり、過去一ウザい存在となって朝廷を攪乱することをお約束いたしまして、新章再会の御挨拶と代えさせていただきますぅ。ごめんて!


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