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遊戯開始  作者: 羽ぐいす
2.交流と第一回イベント
99/106

窮地


 【ログイン49日目】※ゲーム内時間換算(34日)

 【イベント1日目】



 上空へ上がった俺はとりあえずプレイヤーの数を確認してみた。

 パッと見てもあまり変わったとは思えない……。


 さっきあれだけ倒したのに代わりのプレイヤーがどんどん現れ続けているだけのようだ。

 これはヤバいかもなあ。


 耐久戦は得意だが、俺の精神が持つか不安だった。

 もちろん体が疲れることはないが、この量を相手に長時間戦い続けなければならないと考えると少し憂鬱な気分にもなる。


 

 「まあ切り替えていくか」



 スキルレベル上げだと考えればこれ以上の場はない。

 とりあえず《刀撃》のスキルレベルを上げるか。


 俺はクールタイムが終わった ≪圧殺≫ を発動するため、プレイヤーが集まっている場所に狙って落ちた。

 少し離れていたが問題ない。


 何やら話し合いでもしていたプレイヤーたちの元に降り立った。

 


 「≪圧殺≫」



 「くそっ! こっちに来やがった!」



 吹き飛びながら悪態をつくプレイヤー。

 そして同じように他のプレイヤーも吹き飛んでいった。


 俺は刀を構えて突っ込む。

 今だに体勢を立て直せていないプレイヤー目掛けて切りつけた。


 一閃、二閃。

 それだけの攻撃で目の前のプレイヤーはHPを全損させたようだ。


 ポリゴンと化すのを最後まで眺めずに次のプレイヤーへと切り掛かる。

 少し装備が良さそうに見えるな。レベルが高いんだろう。


 忘れずに《付与魔法》を発動した。

 自分自身に属性を付与し、ステータスを強化する。


 これで完璧だ。


 俺が《付与魔法》を発動している間に、目の前のプレイヤーは俺目掛けて剣を振り下ろそうとしていた。

 速力の差からか、その動きはとても遅く見える。


 これなら余裕で避けれるな。

 そう俺が思った瞬間。


 体に異変が起きた。

 しかし異変と言っても分かりやすいもので、俺の身体が急に光ったかと思ったら、鎧に光の鎖模様が現れたのだ。


 そして、それが現れた瞬間、俺の身体が急に重くなった。

 

 目の前の男が振り下ろした剣を避けきれない。

 辛うじて刀で受けることが出来たのでダメージは喰らわなかったが、力が上手く出ない。


 一体どういうことだ。


 混乱する俺に畳み掛けるように、再び俺の身体が光ったかと思えば、鎧の鎖が増えていた。

 なんだよこれ!


 心の中でそう叫ぶが、身体はさらに重くなっている。

 

 咄嗟に《念動力》を発動。

 ……発動、……発動しない!?


 有り得ない。

 思考が停止する。


 そんな俺の状況を知ってか、横から別のプレイヤーが攻撃を仕掛けてきた。俺はいま鍔迫り合いのような状態になっており、刀による受けは出来ない。


 避けるしかないな。《回避》。

 ……発動しないのかよ。


 諦めのような感情と共にプレイヤーの攻撃を受け止めた。


 イベント中、初めてHPが減った。

 自分のHPバーを見ながらそんなことを思う。


 どうやら何故かスキルが発動しないらしい。それに身体の感覚からしてパラメータもおかしくなっているようだ。

 どう考えてもこの光る鎖のせいだろう。

 

 俺に攻撃したプレイヤーを蹴り飛ばし、刀を力任せに振り回した。身体が重いといってもパラメータは俺が上回っている。

 力比べなら俺のほうが上だ。


 そして、素早くステータスを開いた。 

 この際に受けるダメージはもう仕方ない。まずは俺自身を確認しなくては。

 


_______________________________________

 ステータス


 レベル 4

 存在値 99

 名前  サクヤ

 種族  人狼

 職業  密偵

 状態 {断罪}


 パラメータ{断罪}


  HP2296 

  MP3040


  速力116 筋力147

  防力327 器力271 精力271


 スキル{断罪}

 〔種族スキル〕《爪撃》LV33《噛撃》LV9

  《変化》LV27《人化》LV--


 〔職業スキル〕《鑑定》LV49《閃めき》LV49

  《視覚強化》LV45《推測》LV20《識別》LV13

  《回避》LV20


 〔通常スキル〕《錬金術》LV1《念話》LV--

  《念動力》LV3《隠密》LV6

  《地図》LV44《耐久》LV 39《火魔法》LV19

  《水魔法》LV13《風魔法》LV16《土魔法》LV13

  《光魔法》LV18《影魔法》LV35

  《付与魔法》LV30《偽装》LV43

  《不意打》LV5《気力操作》LV19《武闘》LV14

  《根性》LV9《魔力》LV39《魔力操作》LV19

  《刀撃》LV18


 〔武技スキル〕

  ≪残像≫ ≪切断≫ ≪圧殺≫



 SP156

 EP0

 PP 83


 装備枠

  1.【龍劉璽脇差】 2.【木刀・世界樹】

  3.【龍㔟璽甲冑】 4.【死歿僧衣】

  5. 遠月


 称号

 〈変わり者〉〈念じる者〉〈潜む者〉〈耐える者〉

 〈PK〉〈暗殺者〉〈気を修めし者〉〈黒の先駆者〉

 〈死に急ぐ者〉〈魔才の神童〉〈刀を修めし者〉

_________________________________________________


 


 {断罪}ってなんだ?

 状態異常なのだろうか。


 まずは《鑑定》をしようと思ったが、《鑑定》は発動しない。

 そういえばスキルも使えないんだった。


 パラメータを見てみると、全ての数値が三分の一ほどに低下している。

 HPもMPもだ。


 明らかに原因は見たことのない{断罪}という状態異常だろう。

 しかし、スキルを使えなくしてパラメータを下げる効果なんてぶっ壊れている。


 俺がいうのもなんだが、バランスがおかしいんじゃないだろうか。

 幸いなことに既に発動していたスキルが解除されることはないようで、《付与魔法》や《人化》は切れていない。


 《人化》が切れないのは本当に良かった。

 ここで急に狼に戻るのは何としても避けたい。



 「今がチャンスだぞッ!」



 ステータスを眺めるのを中断する。

 目の前でプレイヤーが大きなハンマーを掲げていた。


 今にもこちらに振り下ろそうとしている。

 ヤバい、と思い刀を振る。


 プレイヤーの胴に横薙ぎ。

 ダメージは与えたが倒すには至らない。振り下ろされるハンマーを避ける。


 さっきまであんなに余裕を持って避けれていた攻撃を辛うじて回避した。身体が重いからか《刀撃》を使えないからか分からないが、刀を振ることも上手く出来ない。


 攻撃後の硬直で無防備なプレイヤーに刀を振った。

 一閃、二閃。合計3回の攻撃で倒すことができた。


 スキルが使えないの本当に不味いな。


 《魔力操作》や《気力操作》が出来ないため、周りを察知することも出来ない。

 死角からの攻撃に対処できない……。


 魔法に対しても無防備だし、刀一本で対応しなきゃいけないようだ。

 レイクさんじゃあるまいしそんなことは無理。


 俺はスキルに頼らなければ戦えないのだ。

 そして今、そのスキルは使えない。


 さてどうする。

 

 ……思いついた。

 一瞬の思考であることを俺は思い出した。


 この{断罪}の効果が分からないのでちゃんと発動するか分からないが、俺には隠し玉があったんだった。

 今こそそれを使うとき。というか使うしかない。


 

 「《龍血覚醒》」



 この鎧に付随しているスキル。

 その名も《龍血覚醒》。


 文字通り龍の力を一時的に発揮する強力なスキルだ。

 その代わりに消費するMPは凄まじく、長く発動することは出来ない。


 俺も能力についてバラザから聞かされていただけなので、実際に発動するのは初めてだ。

 自分の腕を見ると、紅いオーラが鎧に纏わりついている。


 カッコいい……!


 そして、俺の隠し玉はこれだけではない。

 この《龍血覚醒》を発動させている間だけ、俺の刀である龍劉璽脇差もスキルを発動することができるみたいなのだ。


 

 「《龍ノ炎》」


 

 すると、刀に真っ赤な炎が宿った。思うままに振ってみると、半円状に炎が広がる。

 

 それに触れてしまったプレイヤーはたちまちHPを減少させポリゴンと化していった。

 強えー! そしてカッコいい!


 スキル名がカッコいいだけあって、その効果も強かった。 

 まるでレイクさんの武技スキルみたいだが、俺はこっちの炎の方が好みだ。


 さて、次のスキルを試してみようか。

 鎧自体には《龍血覚醒》しかスキルはないが、刀にはこの他にも色々スキルがある。


 楽しみで仕方ない。


 と、ワクワクしてい俺だが。

 突如として鎧を纏っていた紅いオーラが消えた。

 

 あれ?

 そう困惑したが、次の瞬間に原因を把握した。


 MPが無くなった。ただそれだけだった。

 発動していた時間は10秒ほどだったが、低下させられたMPだとこれが限界みたいだ。


 空っぽになったMPを眺めながらそんなことを考える。

 ついつい楽しくなってMPゲージを見てなかった。


 反省だな。

 

 

 「ダークランス!」「ファイヤストーム!」


 「エアカッター! 「ソイルバレット!」


 「「ウォーターアロー!」」 「ロックアロー!」


 「アイスストーム!」 「ブリーズストーム!」



 あ、ヤバい。


 紅いオーラが消えた俺に大量の魔法が飛んでくる。

 恐らく隙だと思って畳み掛けてきたんだろう。


 その判断は正解だ。

 反射的に《念動力》を発動させようとして不発する。


 範囲の広い魔法も撃ってきているので回避するのも困難だろう。

 この攻撃に耐えられるか?


 《耐久》も発動しないだろうし、マジで詰んだかも。

 お願いだから耐えてくれ!


 そう願いながら、俺は魔法の嵐に巻き込まれた。



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