表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
遊戯開始  作者: 羽ぐいす
2.交流と第一回イベント
86/106

ステータス確認!


 【ログイン48日目】※ゲーム内時間換算(34日)



 「レイクさん、マカ、準備はいいか?」



 森エリア最奥地の洞窟、その前の平原で俺はそう言った。

 目の前には全身鎧とスライムがいる。


 二人とも姿は1週間前と変わっていない。



 「何言ってんのよ。準備が必要なのはサクヤだけじゃない」


 

 「いやまあ確かにそうだけど……」



 マカの容赦ない言葉にも、そろそろ耐性がついた。

 もう何も気にせずに流せてしまう。


 これが成長というものか。


 人化した状態で黒ローブを纏いながら、俺は左腰に付けた鞘を撫でる。

 この装備もようやく手に馴染んだ気がする。


 ほんとに扱いづらい武器ばかりだったからなぁ。

 

 右腰に付けた鞘と、ローブの内ポケットに引っ掛けているナイフを触りながら、これまでの1週間を振り返る俺。


 

 「サクヤさん、私は準備完了です。あとは時間を待つのみですね」


 

 おっと。レイクさんの言葉で引き戻された。

 

 だれかと違い、ちゃんと反応してくれて嬉しいよ。

 斧を担ぎ堂々と立っているレイクさんはとても頼もしい。


 それに比べて……。



 「おいマカ。本当に回復アイテムはいらないのか? まだまだインベントリには入るだろ?」


 

 「だから、いらないわよ! さっきもおんなじこと言ったじゃない! 面倒くさいの!」



 コイツは勝つ気があるのか?


 まったく、第一回イベントはどうなるか予想がつかないんだぞ?

 もしかしたら、俺やレイクさんが死亡することがあるかもしれない。


 そんな時に、回復ができないマカのみでは出来ることも出来なくなってしまうじゃないか。

 


 「…………はあ、分かったよ」


 

 だが、マカにそんなことを言っても無駄だというのは、もう俺のなかでは常識となっている。

 大人しく引き下がりましょう。


 

 「そういえばサクヤさん、レベルはいくつ上がったのですか? 昨日はかなり夜遅くまでレベリングしていたようですが」



 あ、そうだそうだ。

 レイクさんの言う通り、イベント前ということで昨日は出来るだけレベルを上げようと頑張っていたのだ。


 そして、ステータス確認は明日の楽しみとして取っておいた。

 それをすっかり忘れていた。


 俺はステータスを開いた。

 なんか久しぶりに開いた気がする。



_______________________________________

 ステータス


 レベル 4+3

 存在値 99+15

 名前  サクヤ

 種族  人狼

 職業  密偵


 パラメータ


  HP6380+150 [+5000]

  MP8445+200 [+7000]


  速力323+45 [-90] 筋力410+45

  防力910+45 [+500] 器力755+55 精力755+55


 スキル

 〔種族スキル〕《爪撃》LV33《噛撃》LV9

  《変化》LV27《人化》LV--


 〔職業スキル〕《鑑定》LV49《閃めき》LV49

  《視覚強化》LV45《推測》LV20《識別》LV13

  《回避》LV20


 〔通常スキル〕《錬金術》LV1《念話》LV--

  《念動力》LV3《隠密》LV6

  《地図》LV44《耐久》LV 39《火魔法》LV19

  《水魔法》LV13《風魔法》LV16《土魔法》LV13

  《光魔法》LV18《影魔法》LV35

  《付与魔法》LV30《偽装》LV43

  《不意打》LV5《気力操作》LV19《武闘》LV14

  《根性》LV9《魔力》LV39《魔力操作》LV19

  《刀撃》LV18


 〔武技スキル〕

  ≪残像≫ ≪切断≫ ≪圧殺≫



 SP156+9

 EP0

 PP 83+3


 装備枠

  1.【龍劉璽脇差】 2.【木刀・世界樹】

  3.【龍㔟璽甲冑】 4.【死歿僧衣】

  5. 遠月


 称号

 〈変わり者〉〈念じる者〉〈潜む者〉〈耐える者〉

 〈PK〉〈暗殺者〉〈気を修めし者〉〈黒の先駆者〉

 〈死に急ぐ者〉〈魔才の神童〉〈刀を修めし者〉

_________________________________________________



 …………。


 ………………。


 (まこと)ですか?

 

 いや。ちょっと待ってほしい。

 パラメータの上昇値がおかしい。


 流石におかしい。

 いや、だって8000とか見たこともない。


 ……これが装備の力ということか。

 確かにこれ程の補正値を得られるのなら、装備によっては魔物プレイヤーのパラメータを超えるかもしれない。


 俺のこの馬鹿げた補正値だって、その大部分は龍㔟璽甲冑によるもの。

 もし、そんな装備でガチガチに固められれば、パラメータは一体どうなることか……。


 ちなみに、死歿僧衣とは黒ローブのことである。

 無駄にカッコいい名前なのだ。無駄に。


 パラメータだけではなく、スキルレベルも大きく上がっている。

 ここのところ、ずっと修行していたのが効いているのだろう。


 しかし、戦闘でよく使うスキルは伸びたものの、直接戦闘では活躍しない《隠密》や《念動力》はあまり上がっていないようだ。


 少し残念。

 

 まあ、俺的には《刀撃》を取得できたので満足しているが。

 〈刀を修めし者〉。この称号を獲得するために、レイクさんと何度斬り合ったか分からないほどだ。


 だが、そのおかげもあり、刀の扱いはかなり上達したと思う。

 ……まだレイクさんには一度も勝ててないが。


 あの人は本当におかしい。


 俺の龍劉璽脇差の切れ味を初見で見抜き、直接斬り合わなかった。

 そして、よく分からない体術で俺の腕をキメて、刀を奪い取られた。これが記念すべき模擬戦第1回目の結果だ。


 続く2回目も、俺の斬撃が永遠と躱されただけだった。

 3回目では、遠月で不意を突いた。それ自体は良かったと思うのだが直ぐに組み伏せられた。


 そして俺はこう言った。


 

 『まともに斬り合ってくれないか』



 と。

 だって、レイクさんずっと体術で攻撃してくるから。


 俺は刀のスキルを獲得したいのに、これではまともに刀も振れない。

 もう少し基礎的なところからやって欲しかったのだ。


 型とか技とか。

 剣道の授業でやったようなやつだ。


 しかし、レイクさんはこう返答した。



 『いえ、私もそうしたいのですが……その刀の切味が鋭すぎるんですよ』



 それも苦笑しながら。

 

 具体的にどれだけ切味があるのか試してみたい、と思った俺は、近くの木を軽く斬りつけた。


 すると、全く抵抗を感じることなく刃先が幹に滑り込み、半分ほど切断してしまった。


 これはヤバい。

 俺はそう思った。


 そして以後、レイクさんとの模擬戦では木刀を使うことにしたのだ。

 いや、木刀って使い勝手いいね。あって良かったよ。


 木刀とかいるのか? とか思ったやつは本当にセンスがないと思うよ。うん。

 

 

 「どうかしましたか? サクヤさん」



 おっと。

 驚きすぎて声が出ていなかった。



 「ステータスが凄いことになってて…………」



 「…………なるほど。確かにプレイヤーランキング1位の存在値が99になっていますね」



 レイクさんは素早く確認していた。

 そういえば、プレイヤーランキング上位の存在値は見れるのか。


 まあ、もうすぐイベントが始まるし、わざわざ確認するプレイヤーは少ないだろう。


 

 「はあ!? また強くなったの!?」



 同じくマカも確認したんだろう。

 ぷるぷるしながら叫んでいる。


 

 「強くなったというか、強くなってしまったというか……」



 ただ単に龍㔟璽甲冑が強すぎただけなのだ。

 俺自身は大したことをしていない。


 さっきレベリングをしたと言ったが、それもPSのレベリングだ。

 チンパンジー狩りなんかしていない。


 レベルも上がっていないのだ。

 決して、強くなって怒られる、ということは有り得ない。



 「はあ? 自慢?」



 「いや違うって。というか、何でそんなに怒ってるんだ?」



 「うるさいわね!」



 ……理不尽な。

 言葉のキャッチボールって知ってるか?

 

 

 「まあまあ、マカさんも強くなったのですよね。ステータスを見ても良いですか?」



 ちょっとだけイラっときた俺の心だったが、レイクさんの仲裁によって鎮まる。

 さすがレイクさん。……最近はこれしか言ってない。


 レイクさんの言葉を聞くかぎり、どうやらマカも強くなったらしい。

 見た目じゃ分からないから気付かなかった。


 確かに、最後にマカのステータスを見た時より随分経った。

 スキルレベルはかなり上がっているだろう。


 

 「ふん、まあ良いわよ」



 偉そうに。

 と思ったが、口に出さないのは安定だ。


 さて、俺も《鑑定》してみるか。

 

 ……どうか、ぶっ壊れが加速していませんように。

 


_______________________________________

 ステータス


 レベル 22+21

 存在値 52+20

 名前  マカ

 種族  超吸収性涅生物兵器(ボトムレススライム)

 職業  兵士


 パラメータ


  HP336+300(∞)

  MP314+300(∞)


  速力158+150 筋力153+150 防力169+150

  器力169+150 精力169+150


 スキル

 〔種族スキル〕《次元吸収》LV 14《原子分裂》LV 21


 〔職業スキル〕《消化強化》LV46《決死》LV--


 〔通常スキル〕《火魔法》LV11《水魔法》LV12

  《触手》LV8《並列思考》LV26《美食》LV1

  《眷属命令》LV19《分身操作》LV19


_________________________________________________



 

 うーん、まぁセーフかな?

 相変わらず種族名はおかしいが、それ以外は以前とあまり変わりないような気がする。


 ……いや。

 そういえば増えていたんだった。


 《分身操作》と《眷属命令》。

 新しく加わった四字熟語。


 この二つが、マカのぶっ壊れスキルコンボの反則度を加速させている要因なのだ。

 初見殺しの防御不可能攻撃。


 種族名にも納得の凶悪さだろう。


 マカは俺に、強くなった、と謎に怒っているが、俺からすればマカも人の事は言えない。

 

 実際に目の当たりにした時の理不尽さは、マカがぶっちぎりだからな。

 


 「マカさんも随分と強くなりましたね」



 「そうだ、パラメータが上がってるから、《分身操作》の速度も速くなったのか?」



 今のマカの速力は以前の約20倍。

 もし、それに比例して《分身操作》の速度も向上しているのなら。


 あの凶悪な霧がマッハで飛んでくる悪夢が引き起こされ、理不尽さに拍車がかかってしまう……。



 「ええ、そうね。比べようもないくらい速くなったわよ」



 勿論。

 というふうにマカは頷く。


 ふう。

 大丈夫。マカは味方だ。


 決して、あの霧が俺に向かってくるなんて事は起こらない。


 味方だもんな。そう、味方だ。


 

 「ていうかちょっと! 私のを見せたんだから、レイクのも見せなさいよ!」


 

 たしかに。 

 レイクさんのステータスも見たいな。


 あのステータスがどんな風になったのか興味がある。

 俺とあれだけ模擬戦をしていたのだから、少しはスキルレベルも上がっているはずだ。


 

 「いいですよ。ちょっと待ってくださいね」

 


 レイクさんがメニューで何か操作している。

 メンテナンスで追加された、あの機能だろう。


 レイクさんがメンテナンス初日で早速使っていたやつ。

 

 お、きた。

 個人情報(ステータス)開示を承認しますか? という通知がきている。


 もちろんOKだ。

 


_______________________________________

 ステータス


 レベル 7+3

 存在値 76+2

 名前  レイク

 種族  聖炎之魔鎧(プロミネンスアーマー)

 職業  斧士


 パラメータ


  HP480+30

  MP431+30


  速力415+15 筋力415+15 防力383+15

  器力401+15 精力401+15


 スキル

 〔種族スキル〕《憑依》LV--《浮遊》LV--《炎無効》LV--

  《聖無効》LV-- 《聖炎操作》LV4


 〔職業スキル〕《斧技》LV7《筋力強化》LV30


 〔通常スキル〕《分離》LV3《融合》LV28

  《手技》LV6《足技》LV7

  《平衡》LV9《武闘》LV12《偽装》LV7《清浄》LV1

  《汚毒》LV1《根性》LV6《受身》LV7


 〔武技スキル〕

  ≪加速≫ ≪戦楽炎斧≫ ≪身斧一体≫ ≪衝拳≫ ≪摑重操手≫

  ≪真剣白刃取≫ ≪脆脚≫ ≪頭冠魔動≫ ≪上段回蹴≫


 SP 32+12

 EP0-100

 PP36+6



 称号

 〈斧才の神童〉〈手才の神童〉〈足才の神童〉

 〈武才の神童〉〈衡する者〉〈PK〉〈変異者〉

 〈受け流す者〉


__________________________________________


 

 うーん。パッと見、特に変わった事はない。

 強いて言うならスキルレベルが少し上がったくらい。


 だが、称号に注目すれば一瞬で気付いた。

 

 〈受け流す者〉。

 という称号に、だ。


 そして、通常スキルの一番最後には《受身》という新スキルが存在している。

 またか。


 今回の称号とスキルの効果は名前から推測が容易い。

 

 《鑑定》なんかしなくとも、敵の攻撃を受け流す動きに補正、とか何とかだろう。


 恐らく、俺との模擬戦で獲得した。

 だってレイクさん、ずっと俺の攻撃を避けたり受け流したりしていたから。


 自ずと獲得するのは当然だったんだろう。



 「さて、これで全員のステータスを確認できましたね」


 

 レイクさんが俺たちを見ながら言った。

 

 ステータスを確認できた。確かにそうだ。

 しかし、個人的にまだ見せていない部分もある。


 ステータス以外のところや、ステータス的なところもだ。


 まあ、それをいま言っても意味はない。

 今回は何もできないと思うし、イベントに集中すべきだろう。


 さて。


 

 「ああ。じゃあ、第一回イベントまであと5分。それぞれ、準備運動でもしてるか」


 

 第一回イベント。

 2週間も引っ張り続けたんだ。運営がどんなものを用意しているのか、大きく期待していようじゃないか。


 俺はアキレス腱を伸ばしながら、キャラメイク時に出会ったGMを思い出していた。

 ……回想には少し早いか。

スキル詳細


・サクヤ

《鑑定》+7《閃き》+7《視覚強化》+7《推測》+6

《識別》+10《回避》+11《念動力》+2《隠密》+3

《地図》+7《耐久》+6《火魔法》+4《水魔法》+2

《風魔法》+5《土魔法》+2《光魔法》+7

《影魔法》+35《付与魔法》+2《偽装》+5

《気力操作》+5《武闘》+2《根性》+2《魔力》+8

《魔力操作》+5

NEW《刀撃》+17


・マカ

《次元吸収》+13《原子分裂》+20《消化強化》+37

《触手》+2《並列思考》+21

NEW《眷属命令》+18《分身操作》+18


・レイク

《斧技》+5《筋力強化》+3《融合》+8《手技》+5

《足技》+5《平衡》+6《武闘》+8《偽装》+1

NEW《聖炎操作》+1《清浄》《汚毒》《受身》

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ