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遊戯開始  作者: 羽ぐいす
2.交流と第一回イベント
64/106

謎の鍛治師


 【ログイン34日目】※ゲーム内時間換算(27日)


 

 「はい、これで100万ね」



 ノウズは布袋を取り出す。

 その数は何と100だ。


 袋一つあたりに1万入ってる計算になるが、こうして見るとその規模は凄いものだ。

 100万の壮大さを嫌でも実感させられる。

 

 俺は100万の重みを感じながら、一つ一つの布袋を自分のインベントリに仕舞う。

 一気に100万とは、まだ現実感がない。


 

 「それで、専属の情報提供者ってのは何だ?」



 俺は気になっていた事を聞く。

 金を貰ってありがとう、の一言も言わなければ言葉遣いを直すこともない。


 俺とノウズはあくまでも対等。

 その意識を崩してはならない気がしたのだ。


 そして。

 専属の情報提供者、とはそのままの意味なのだろうか。


 もしそういう意味だとしたら、悪くない話に思える。

 だって俺が情報を伝える度に金が発生するんだろ?


 規模も何万という桁だ。

 金に困ることはないし、持っていて損はないもの。


 俺にとって、得が大きすぎる話だ。

 正直なところ少し怪しいよな。


 

 「主な意味としては、情報を私以外の情報屋に流す事をしないって感じ。それなりに報酬は弾むし、君が情報を欲しいって言うときは贔屓にするから、君にとってもメリットは大きいよ?」



 大体、想像通りの内容だ。

 しかし、気になるところもある。



 「情報って具体的にどんなのだ?」



 一概に情報と言っても様々だろう。 

 些細なことから重要な情報まで、情報の定義はとても広い。


 その中から、何を伝えればいいのか。

 何の情報を欲しがっているのか。


 そこが分からなければ話にならない。

 情報提供も何もないのだ。


 

 「意図的に伝えなくても、私が役に立つ情報だと思ったら報酬を出すよ。逆に、君が情報を集めて私に伝えても、私が使えない情報だなと思ったら報酬は出ない。こんな感じね」



 ノウズの主観によって全てが決まる、ということか?

 それはノウズにとって都合が良すぎるだろ。


 有用な情報でもノウズが嘘をついたり、適切な値段を支払わなかったりと、幾らでも裏工作は出来る。


 俺は、文字通りの良いカモだな。

 常識ってもんを知らないのだから。



 「あ、疑ってる? 心配しなくても、大事な情報源である君の信頼を失うようなことはしないし、使えない情報だとしてもその理由は必ず言うよ。第一、ランキング1位様を敵に回すような事はしたくないからね」



 ふーん。

 確かに、その通りな気もしてくる。


 とりあえず、ここは信用しておく。

 何か不審だと思ったら、その都度突っ込むようにしよう。


 油断ならないプレイヤーである事は、短い時間でも理解した。

 問題は俺がそれを上手く躱せるかだが……自信がない。


 

 「なるほどな」


 「で。突然なんだが、装備を新しくしたい。良い武器屋とか防具屋とか教えてくれないか?」


 

 しかし。

 そんな事よりも、俺は装備を新しくする方が重要だった。


 折角、こんな金があるのだから使わねば。

 何時までも初心者装備は嫌なのだ。


 俺の言葉を聞き、ノウズは一瞬だけ表情を変えた。

 だが、その具体的な感情まで分からない。



 「いいよ。私が案内と紹介をやってあげるから付いてきて。お金は自腹でよろしく」


 

 100万Gもあるのに奢ってとは言えない。

 寧ろ俺が奢る役回りだろう。


 そんな事を思いながら、歩き出したノウズに付いていく。


 何処か当てでもあるのか。

 ノウズのことだから適当って事は無いと思うが。


 狭い路地を抜けて、メインの大通りに出る。

 ノウズはそこを左に曲がった。


 南側の門。草原エリアの方向だ。

 

 大通りなだけあって、多くのプレイヤーで賑わっている。

 所々にカップルも見られるな。

 羨ましいとは思わない……お、思わないぞ!


 かなり歩くと、次は右に曲がった。

 方角で言うと南西のところだな。


 ノウズは、スラム街より広い通路を迷いなく進んでいく。

 西側は栄えてるから当然の道幅だな。


 大通りの喧騒が遠のく。

 人通りも少なくなった。


 既に、鍛冶屋っぽい店を幾つも通り過ぎている。

 迷ってるだけなんて事は無いよな?

 

 

 「どこに行くんだ?」

 

 

 「知り合いの店よ」



 ノウズはそう短く答える。

 俺の疑心が薄れる事はなかった。


 右に行ったり左に行ったり、覚えられない経路を歩く。

 覚えなくても《地図》があるから大丈夫。


 途中から俺はそう思い、覚えるのを諦めた。

 事実、その通りなので大丈夫。


 

 「着いたよ」



 ノウズが止まったのは大きな店……なのか?

 周りの建物と比べるとかなり大きい。


 しかし。その外観は古びており、店とは言い難い。

 ここに人が寄り付くようにも思えないな。


 どっちかというと。

 店というよりは工場と言った風貌。


 

 「おーい! ガーランドはいるかーい?」



 ノウズは遠慮無しに入る。

 知り合いってのが本当なら当然だが……。



 「の、ノウズ!? 何の用だ?」



 この態度だ。

 外見は気難しそうなドワーフなのに、ノウズには謙った対応をしている。


 明らかに友達といった接し方ではない。

 寧ろ、会いたくない、という雰囲気をガーランドから感じる。

 

 

 「大した事じゃないよ。この子の装備を作って欲しくて」


 

 「ん? 誰だこの子供は」



 「サクヤって名前だよ。よろしくやっておくれ」


 

 「サクヤか。中々いい名ま…………さ、サクヤ!?」


 

 いや、ちょっと待てノウズ。

 なんで暴露したんだ?


 明らかに偽名とかでやり過ごせた場面だぞ。

 正直、サクヤという名前を言いふらしたかっただけにしか見えないのだが?


 

 「おい、ノウズ」



 俺は抗議の声をあげる。

 もう、手遅れだが釘を刺す事は必要だ。


 また言いふらされりしたら堪ったもんじゃない。

 これ以上、被害を広げるわけにはいかないのだ。

 


 「君も安心して? このガーランドは私の専属鍛冶屋だからね。専属情報提供者の君とは仲間みたいなものだよ?」



 「うん? 専属情報提供者…………?」



 「あんたの情報版だと思いな。分かったら装備を作って、サクヤと親睦でも深めることね」


 

 「あ、ああ。分かった」


 「してサクヤ、何か要望はあるのか?」



 トントン拍子で進む話に理解が追いつかない。

 ガーランドは専属鍛冶屋なのか。


 ノウズとガーランドの関係は、俺と似たようなものらしい。

 何故そんな関係を築いているのか気になるが、今はそんなことを考えている場合でない。


 装備を作ってくれるのは有難い。


 しかし。

 いきなり要望を言えと言われてもなぁ。


 具体的なデザインは何も浮かばないし、使いたい武器も特にない。

 つまり、何でもいいのだ。


 

 「防具はそんなに目立たないので、武器は特に希望ないな」



 「予算は?」



 「それなら気にしないことね。今ある最高を作りなさい」



 「……分かった」



 「よろしくお願いします」



 一応作ってもらう立場なので、敬語でお願いした。

 ガーランドは少し意外そうに見てきたが気にしない。


 

 「ああ。大体、2時間くらいで作り終わるから、都合がついたら取りに来てくれ」



 「了解した」



 「出来るだけ、早く来てくれると助かるが」


 

 「……私用でちょっと厳しいかもしれない」



 「それなら仕方ないか。お前のタイミングで来ていいぞ」



 「ありがと」



 割と普通に会話する。

 以外と話しやすいかもしれない。


 

 「あれ、意外と気が合いそうね」



 「そういえば、武器は剣でいいか?」



 「ああ、問題ない」



 ノウズを完全スルーして話を進める。

 武器は何でもいいのだ。


 レイクさんと同じ斧以外は何でもいい。

 流石に被るのはちょっとね……。


 それに。スタンダードな剣なら、後で主武器を変えるにしても大きな問題はないと思ったのだ。根拠はない。


 

 「じゃあ、私は戻るから後は二人でよろしくねー。サクヤ君は帰る時、ガーランドに送ってもらいなよ? 迷うから」



 一応、俺のことを心配して帰っていった。

 

 まあ、俺には《地図》があるから大丈夫なのだが、ここはノウズの厚意に甘えておくか。


 ノウズは言葉を残した瞬間、走って帰った。

 そんなに急用があったのか?


 もしそうなら、無理して俺の相手なんかしなくていいのに。

 ……何だかんだで面倒見が良いのかもしれない。


 少しだけ、ノウズのことを見直した。

 まあ、過大評価の可能性は充分にあるが。



 

 「あ゛あ? ガーランドお前なに騒いでんだぁ?」




 ノウズが帰ると同時に、ガーランドの店の戸が開く。

 そこからドワーフの老人が出てきた。


 背はガーランドと比べると低めだが、俺よりは高い。

 その眼光は鋭く、睨みは迫力満点だ。


 てか、だれ?


 ガーランドの名前を出してることから、ガーランドの知り合いだと思うが……絡み方がすごい。


 こんなプレイヤーもいるのか。

 俺の思ってたより世界は広いようだな。


 

 「し、師範!? 奥で寝ていたはずなのに!?」


 

 「おめぇ達の大声で起きちまったよ。……あ゛? なんだこの坊主は」



 「いや、知人が連れてきた子で……」



 話題は必然的に俺へ。

 まあ、こんな所に子供がいたら確かにそうなるだろう。

 

 俺でも、言葉遣いは違うが同じような反応になると思う。

 うん。その部分は共感できるな。


 だが、それにしても。 

 このドワーフ……汚い。


 ガーランドと違って伸びきった髭に、薄汚れた作業着姿。

 おまけに少し臭いのだ。


 まさか。ノウズが帰った理由、これじゃないだろうな?

 もし自分だけ退散してたんだったら……許さない。


 ここに連れて来たのはノウズなのに、自分だけ逃げて面倒ごとを避けるなんて悪魔の所業を許して良いはずがない。


 きっちり罰が必要だ。

 

 見るからに面倒くさそうなこのドワーフ。

 その相手をするのが俺なら、これくらい願ってもバチは当たらないだろう。


 というか、何でガーランドはこんなのと知り合いなんだよ。

 ドワーフ仲間なのか? いや、だとしても仲間を選んで欲しいな。


 そんな調子で。

 俺の心中では、この老ドワーフの評価は著しく低下している。


 その中で唯一だが。

 気になる点があった。


 会話中、ガーランドの " 師範 " という単語。

 俺の聞き間違いじゃなければ、確かに言っていた。


 これはどういうことなのか。

 それだけは不確かだった。

 

 

 「ん? おい坊主。手を出せ」


 

 いきなり、よく分からないことを言い出した老ドワーフ。

 一体なんで手を出すんだ?


 反抗して手を出さないという選択もあった。

 しかし。ここで反抗しても、怒鳴られたり無理矢理に手を出されたりという面倒なことになるのは避けたい。


 よって。

 俺は大人しく手を出した。


 ガーランドは不安そうに俺を見ている。

 俺と同じように、この老ドワーフが何をしたいのか分からないのだろう。


 恐らく、それが分かるのは老ドワーフ本人だけだと思う。

 

 その証拠に。

 得体の知れなさすぎる老ドワーフは、俺の手をマジマジと見ている。


 そして。

 手を見終わったと思ったら、次は腕もガン見。


 側から見ると、小学生の腕をガン見する老人という図。

 不審者というか変質者というか……警察のお世話になる事は確定だ。

 

 な!?


 このドワーフ。

 見るだけじゃ足らないらしく、遂に触ってきた。


 それも結構ガッツリと。

 ガーランドも驚いた表情だ。

 

 老ドワーフに腕を出せと言われた時、俺は右手を出したのだが……今はもう左手も触られている。


 こ、こいつとは絶対にフレンドにならない……!


 元々低かった好感度が、さらに降下する。

 会ったばかりの老人に腕を触られまくるという体験はもうしたくない。


 そして、そろそろやめて欲しい。

 そう思いながらも、口には出せない。


 なんか怖いんだよなあ。

 拒否した瞬間に怒鳴られたりしそう。


 そんな感じで、心の中では葛藤している。

 まぁ。迷ってたってことは結局、拒否してないんだけど。


 老ドワーフのやってることは意味不明なのに、その顔だけは至って真面目。どういう意図があるのか……。



 「坊主、お前なかなか強いな」



 「?…………ありがとうございます」



 え?

 どういうこと?


 とりあえず、お礼だけは言った。

 返事までに、かなり間が空いたが気にしていないようで安心。


 まあ、それはともかく。

 なかなか強いっていうのは何だ?


 確かに俺は強い。

 このガーランドよりは確実に強いだろう。


 それは俺も知っている。

 しかし何故、老ドワーフはその事を分かったんだ?


 まさか……手を見ただけで強さが分かる、とか?

 有り得ないとは思うが、それくらいしか思いつかない。


 何かのスキルか。

 だが、そんな強力過ぎるスキルがあるのかは疑問だ……。


 触れるだけでステータスを把握できる。

 もし、そんなスキルがあるなら《鑑定》に勝るとも劣らないぶっ壊れだな。


 

 「おい坊主、何しにきたんだ?」


 「言っとくが、ガキが来るような場所じゃねぇぞ此処は。迷子なら正直に言いな」



 「師範……この子はですね。知人が連れてきた曰付きの子供でして、俺が装備を作ることになったんです」



 俺を今すぐ追い出しそうな雰囲気で質問してくる老ドワーフ。

 その対応はガーランドがやってくれた。

 

 少し嘘を混ぜながらも、巧みに老ドワーフを刺激しないようにしている。


 正直助かった。

 知っての通り、俺はアドリブに弱い。

 

 反射神経というか頭の回転というか、そういうのが他の人と比べて遅めだ。


 そんな俺に。

 即興で上手い言い訳を考えろ、と言う方が酷である。


 レイクさんに無茶振りされた時も、結構しんどかったんだぞ。

 悪役っぽく、ってなんだよ! 


 

 「あ゛あ? お前が作んのか? 弟子入りした初日に? 俺の許可も取らずに?」



 「い、いえ。頼まれたので……」



 「馬鹿言ってんじゃねぇぞ半人前の分際で。お前の作った武具じゃあ、この坊主には釣りあわねぇ。そんなことも分かんねぇのか!?」



 「え……じゃあ、この子の装備は……?」



 ガーランドが押されている。

 というか、既に白旗を上げているな。


 まあ、あの勢いじゃ仕方ない。

 俺でも直ぐに謝るだろう。


 問題は、ガーランドが俺の装備を作れないことだ。

 代わりはいるのか?


 見た感じ、この建物にこれ以上の人がいるようには見えないが……。



 「俺が直々に造ってやろう」



 「「え!?」」師範がですか!?」



 「あ゛? なんか文句あんのか?」



 「い、いえ。ありません」


 

 なんと。 

 老ドワーフが俺の装備を作るらしい。

 

 ガーランドも驚いている。

 もちろん、俺も驚いた。


 このプレイヤー。

 実は凄い奴なのか?


 高レベルの鍛治スキルに、謎の鑑定系スキル。

 これらを本当に持っているからこそ、こんな横暴な態度が出来るのかもしれない。


 まあ、持ってたとしても。

 そんな態度をとっていい理由にはならないと思うけど。


 

 「坊主。俺は武具を作るだけだ。素材は自分で取ってくるんだな。お前の持ってきた素材で、最高のものを造ってやるよ」

 

 

 「わ、分かった」



 「俺はまた寝る。どっかの馬鹿のせいで起こされたからな」



 そう言うと老ドワーフは建物の中に帰る。

 結局、名前も分からなかったな。


 取り残された二人。

 俺とガーランドの間に沈黙が訪れる。


 衝撃的なことがあり過ぎて、お互いに何を話したらいいか分からない。

 とりあえず、卑怯者ノウズを許さないのは俺の中で確定。


 

 「すまんな。俺の師範が……」



 「いや大丈夫だ。あのドワーフとは、どんな関係なんだ?」



 これは、ずっと気になっていた。

 ガーランドが下手に出ていた理由も聞きたい。


 そして。

 あのドワーフが何者なのかも。


 

 「あのドワーフの名前はバラザ。メンテナンスで追加されたNPCだ」



 「…………」



 本当にNPCなのか?

 

 表情や言葉、仕草や動きなど。

 一つ一つの動作に人間味があり過ぎる。


 正直、プレイヤーだと言われれば納得するだろう。

 それほどの感情をあのドワーフから感じたのだ。


 AI性能の向上。

 メンテナンスの変更点で記載されていたが、俺の想像以上にプレイヤーと近い存在になっているようだな。


 そして。

 その差は最早、ステータスを掲載できるか否かの違いしかないのかもしれない。

 

 衝撃に衝撃。

 ノウズやガーランドよりも、バラザというNPCの存在が驚きだ。


 

 「訳あって俺はあの人に弟子入りしている。性格はああだが、腕は超一流。造ってもらって損は無いと思うぞ」

 

 

 訳あって、の部分が気になる。

 しかし、わざわざ聞くような事でもないのでスルー。


 それよりも腕は超一流。

 そこの方が大事だろう。


 

 「超一流って……どのくらいの凄さなんだ?」


 

 超一流、その凄さはどれくらいなのか。

 その具体的な凄さは、生産職じゃないので分からないのだ。


 

 「現時点の生産職プレイヤーで五本指に入る俺が足元にも及ばないレベル……少なくても数十段は違う格上だ」



 「そんなにか!?」



 「ああ」



 マジですか。

 ガーランドの数十段上って……。

 

 バラザ師範すげぇな。

 そりゃあ、ガーランドも頭が上がらないわけだ。


 NPCといえども、鍛治士としては超一流。

 そんな人に弟子入りしているガーランドを褒めるべきだろうな。

 

 しかし。

 実はガーランドも凄い奴だったんだなぁ。


 現生産職の五指に入るって中々だぞ。

 そんなプレイヤーを専属にしているノウズは……。


 やはり、一番得体が知れないのはノウズだな。

 そんなノウズのリアルが気になるけど。


 ……いや。

 もしかすると、ノウズもNPCなのでは?


 一瞬そんな考えが浮かぶ。

 しかし。ないな。


 もし、そうだとしたら。

 プレイヤーランキングを知っている説明がつかないし、ノウズという名前を掲載できる筈がない。


 ノウズNPC説が無いわけじゃないが、限りなく低い可能性になる。それこそ、プレイヤーとNPCの区別が出来なくなるからだ。


 

 「なんか巻き込んでしまって申し訳ない。あと、またここに来るためにフレンド登録しておくか」



 「分かった」



 ガーランドとフレンド登録。

 これでフレンドは4人目。


 友達(フレンド)100人はまだまだ遠い……。

 まあ、そんな目標はないんだけど。


 

 「よし。とりあえず、此処で解散にするか」



 「そうだな」



 淡白な挨拶で締める。

 ガーランドは建物に入っていった。


 残された俺はメニューで時間を確認する。

 街に来た時から1時間経っていた。


 あと、1時間か……。

 八瀬との約束に遅れるわけにはいかない。


 少し早めに集合場所にいるのも悪くないだろう。


 服は……結局このままか。

 

 まあ、八瀬も初心者装備だろうし。

 それに、俺だけ初心者っぽくなかったら八瀬に悪いな。


 初心者装備なのは結果的に良かったかも知れない。

 

 《地図》を見る。

 ふむ、なるほど。


 大通りはこっちの方角か。

 にしても、便利だなあ。このスキル。


 俺は歩き出した。

 


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