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遊戯開始  作者: 羽ぐいす
1.出会いと成長
50/106

開戦

やっと50話!

現時点で21万字は少ないのかな…………。


 【ログイン26日目】※ゲーム内時間換算(19日)



 ふぅ、勘弁してほしい。

 レイクさんからの無茶振りはかなり難しい。


 

 「サクヤさん、《念話》でそれらしい台詞を付けてもらえませんか? 出来れば悪役みたいな口調と汚い言葉でお願いします」



 こう言われたのだ。

 いや、んな事言われてもねぇ。


 悪役っぽい口調とか分かんないし、悪口のレパートリーも直ぐに尽きてしまう。


 はっきり言って、俺は適任じゃないと思う。

 絶対にレイクさんのが得意だし、似合う。


 

 『――我の(ことば)が聞こえぬか、この雑種(プレイヤー)共』



 これは自分でも無いと思った。

 何処の魔王だよ、とツッコミを入れたい。


 しかも、そんな発言とは反対に。 

 レイクさんの姿は白銀の騎士様。


 魔王とは程遠い存在だ。

 全くもって似合わない台詞を言ってしまった。


 ちなみに。

 レイクさんが何故、白銀の騎士様に変身しているかというと。


 これは《憑依》というレイクさんのスキルの効果だ。

 もはや憑依とは呼べないかもしれないが、憑依だ。


 レイクさんが憑依したのがこの鎧。

 そのアイテム名とランクはビックリ。

 

__________________________________________

 名称 純魔銀製全身鎧  ランク9


 超高純度の魔銀を材料に、名匠の手で造られた全身鎧。その耐久性は高く、魔法にも物理攻撃にも耐性がある。そして、その耐久度を誇りながらも軽量かつコンパクトな鎧になっている。


__________________________________________


 

 まさかのランク9。

 思いっきりマカを超えたな。


 でも、見るからにカッコいいし凄そうな鎧だったので納得した。

 《鑑定》で見たときは驚いたけど。


 しかし、姿を見せないという点では優秀だろう。

 全身鎧なので、レイクさんの顔を含めて全て隠れているのだ。


 レイクさんも気に入ったようだし、これ以外に選択肢は無い。

 きちんとマーナさんの許可は取ったぞ。


 あんまり気にしていない感じだったので、大丈夫だろう。

 後で怒られるような事はない、筈だ。


 そして。

 もう一つ、レイクさんにあげたアイテムがある。


 レイクさんが持っている斧だ。

 戦斧というらしい。


 この武器は、あの鎧とセットで置いてあったものだ。

 レイクさんが《斧撃》を取得してたから丁度良いと思ったのだが。


 これも《鑑定》したらかなりのアイテムだった。

 まぁ、セットで置いてあるから当然か。


__________________________________________

 名称 純魔銀製戦斧  ランク9


 超高純度の魔銀を材料に、名匠の手で造られた戦斧。その攻撃力と破壊力は高く、魔法にも物理攻撃にも向いている。そして、その攻撃力を誇りながらも軽量かつコンパクトな戦斧になっている。同じく耐久性も高く、防御にも向いている。


__________________________________________

 


 凄えな。

 何でもありの万能武器ですねー。


 防御にも攻撃にも使える。

 そして、カッコいいと。


 俺もこういう武器がほしいと思ってしまった。

 探せばありそうだが、俺に使えるかどうか自信がない。


 何せ、不器用なのだ。

 学校の体育とかも、球技なんかより単純な陸上競技のほうが得意だった。


 まあ、いつかは武器を使ってみたいな。

 

 はっきり言って。

 この二つのチート武器に《憑依》したレイクさんは強い。

 強すぎる程に強い。


 《憑依》の効果をよく思い出してほしい。

 

 ――乗り移った物のランク、存在値によってパラメータが変動する――

 

 この言葉が確かにあった筈だ。

 そして、この二つのアイテムのランクは9。

 このゲーム中で最高級と言っていいランクだ。


 これらに憑依したレイクさん。

 そのステータスはえげつないほど上がっていたのだ。


_______________________________________

 ステータス


 レベル 15

 存在値 56

 名前  レイク

 種族  ゴースト

 職業  斧士


 パラメータ


  HP507+500

  MP521+500


  速力309+300 筋力309+300 防力309+300

  器力321+300 精力321+300


 スキル

 〔種族スキル〕《憑依》LV--《浮遊》LV--


 〔職業スキル〕《斧撃》LV1《筋力強化》LV3


 〔通常スキル〕《分離》LV3《融合》LV3

  《手撃》LV1《光耐性》LV1



_________________________________________________



 まず、存在値が30も一気に上がった。

 そして、パラメータが大きく向上。


 変異種となったマカをも超えた。

 流石に俺には及ばない。

 

 逆に俺も超えられたら、俺は泣く自信がある。

 進化に転職もしてるのに……ね? それは無いよね。


 だが、まだまだスキルレベルは低い。

 低いというか全部レベル1だ。

 

 せっかくパラメータが上がったのに、スキルレベルが1なのは勿体ない。

 そして、危険だ。


 パラメータがいきなり上がると、自分の身体能力を把握できない。すなわち制御が効かないのだ。


 これは俺が体験したことだから、分かる。

 走ることも儘ならないのだ。


 そんな状態で斧が振れるのか?

 俺は思わずレイクさんに言った。


 しかし、返ってきた言葉は頼もしいものだった。


 

 「大丈夫です。私に任せてください」



 何の根拠もないような言葉。

 俺は、その言葉に不思議な説得力を感じた。



 こうして。正面からの戦闘はレイクさんに任せて、俺は《変化》を使って猫になり、現在は森の茂みに隠れている。

 もちろん《潜伏》を発動中だ。


 マカは何処にいるかというと。

 レイクさんの中だ。


 正確には、レイクさんの鎧の中。

 鎧の中に中身がある訳ではないので、そのスペースに入り込んだのだ。


 これもレイクさんのアイディア。

 あの人、本当に頭が切れるな。


 マカの役目は防御。

 それも、レイクさんの鎧が防ぎきれないような攻撃を防御するのが役目だ。


 心配はいらない。

 なんたって、何でも吸収する化け物スライムなのだ。

 魔法だって吸収できる。


 これは試した。

 俺がマカに向かってファイヤボールを撃ったところ、俺のファイヤボールは綺麗に消えたのだ。


 盾としてはこれ以上ない適役だろう。

 まさに天職。まぁ、マカはあまりやりたがっていなかったけど。


 それはいいとして、俺の役目。

 見て分かる通り、サポートだ。


 まぁ。サポートというより、緊急時の助けみたいな感じだな。

 レイクさんが、斧を両手で持って地面に突き刺すのが合図だ。


 これが出たら、俺はレイクさんの所に助けに行く決まりになっている。かなり面倒だと思うよなぁ。


 しかし、これにも訳がある。

 俺が草原エリアで派手に暴れたせいで、俺の容姿がプレイヤーの間に知れ渡っている可能性が高いらしいのだ。


 完全な自業自得だったな。

 これには反論できない。寧ろ謝る。


 なので、レイクさんがどうしようも無くなった時にしか、俺の出番はないのだ。

 さて、そんな時があるかどうか。


 見た感じ、目の前のプレイヤーは強そうだ。

 事実、《鑑定》したら強かった。


 草原エリアで戦ったやつよりは強い。

 ステータスも高いやつで100届くかな? ってくらいだし、スキルレベルも30くらいが平均だ。例外もいるが。


 全パラメータ300越えのレイクさんに勝てるのかどうか。

 まあ、俺はここで静観してよう。


 一人で実況解説でもやってるか? 

 いや、やめよう。


 ……あ、やべ。

 台詞言うの忘れてた。


 くだらない事考えてないで、早く言わなきゃ。

 


 『どうした? そんなに緊張して。それほど我が恐ろしいのか?』



 とりあえず挑発。

 何か反応が返ってくると嬉しいのだが。



 「お前の目的は何だ?」



 お、ノリが良いね。

 でも、目的とか考えてないな。


 しょうがないから即興でテキトーに言っておくか?

 ……悪役っぽく、悪役っぽく。



 『何、大それた事では無い。唯の興味に過ぎぬよ。だが、それも期待外れのようだな』



 悪役っぽくも四天王最弱みたいな感じの答え方。

 なかなか良いんじゃないか?


 引き続き挑発は忘れない。

 そして、レイクさんのハードルが上がってる気もするが気にしない。


 

 「そうか、なら全力で行かせてもらう」


 

 緊張感が伝わる。


 総勢32人 対 白銀の騎士(レイクさん)


 その戦いの火蓋が。



 『フハハハ、遠慮は要らんぞ?』



 今、切られた。


 

 

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