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遊戯開始  作者: 羽ぐいす
1.出会いと成長
12/106

我慢比べ


 【ログイン2日目】



 俺は今、動いていない。


 じっとしているのだ。


 

 あのホワイトウルフ、さっきから何処かへ行く気配が全くない。


 俺を探そうとしているのだ。

 

 クソ。

 最初に声を出したのは失敗だった。


 おかげで《潜伏》の効果が薄れてしまった。

 ホワイトウルフに勘付かれたのだ。


 《嗅覚強化》を全力で駆使して俺を見つけようとしてきている。


 迷惑なもんだ。


 なので、俺は全力で気配を薄めようと頑張っている


 《潜伏》よ、頑張ってくれ!



 

 もう5分くらい経つ。

 

 長時間、集中しながらスキルを発動していたからなのか、《潜伏》のレベルが大きく上がっていた。


 これで誤魔化せればいいが……。


 ホワイトウルフはまだいる。

 本当にしつこい。



 

 10分経過。


 まだホワイトウルフは俺の事を嗅ぎ回っている。


 また《潜伏》がレベルアップしたぞ。

 

 俺もそろそろ疲れて来た。

 早く何処か行って欲しい。


 ホワイトウルフは凝りもせずに辺りをキョロキョロしている。


 たまにクンクンしてはキョロキョロ。


 クンクンしてはキョロキョロ。


 ずっと繰り返してる。


 それで、たまに俺の方を向いて見つめるのだ。

 心臓に悪い。


 ホワイトウルフの《嗅覚強化》がレベルアップしないことを祈っていよう。


 


 30分経過。


 しつこい。

 本当にしつこい。


 なんとこいつ、接近した他のウルフを倒した後、まだ俺の事を探しているのだ。


 どんだけ気にしてるんだよ。


 また《潜伏》が上がったし。

 だが、スキルレベル上げには凄くいいな。

 

 唯一のメリットだと思う。


 なんか、足が痺れてきた気がする。

 

 いつまでいるのだろう?


 流石に《嗅覚強化》はレベルアップしたと思うが、同時に俺の《潜伏》もレベルアップしているので、いい感じに打ち消し合っているのだろう。


 だが、どちらかが大きくレベルアップすれば崩れてしまう均衡なので、安心は出来ない。




 1時間経過。


 もうウンザリだ。

 

 神経質すぎるだろ、このウルフ。

 ホワイトウルフだけど。


 俺の《潜伏》のスキルレベル、凄い上がってるぞ。


 もはや、有難い。

 このまま行けばカンストするんじゃないか?


 てか、カンストってあるのかな?

 

 まだスキルがカンストしているのを見た事ないけど

 かなり難しい事なんだろうか?


 難しいのだろうな。

 カンストってMAXって事だし。


 まあ、《潜伏》がもしカンストしたらこのホワイトウルフのお陰だよな。


 その時だけ、感謝しとこうかな。

 

 うん。

 感謝するから早く何処か行け。


 もういいよ。

 

 俺のこと好きなのか?


 残念ながらお断り。


 早く帰れ。

  

 俺は心の中で、祈っていた。

 

 帰れ。

 帰れ。

 帰れ。

 帰れ。

 帰れ。

 帰れ‼︎




 ――すると。


 俺の想いが伝わったのかホワイトウルフが動いた。


 俺のいない方向へ移動していったのである。

 ついに、諦めたのだ。


 勝った!

 やった!


 何に勝ったのかは分からないが、とにかくやった。


 俺が心の中で盛大に喜んでると、ウルフの姿が見えなくなっていた。


 完全勝利だ。


 俺の《潜伏》が勝ったのである。


 しかし長い長い戦いを終えて、得られたものが《潜伏》のスキルレベルのアップだけとは。


 確かに《潜伏》のレベルアップは嬉しい。


 嬉しいが何か苦労に見合っ――――

 




======================================


 称号、〈耐える者〉を獲得。

 消費SP0で《耐久》スキルを取得可能。


======================================





 ――――てたぁぁぁぁ‼︎


 見合ってないとか言いそうになってごめんなさい。

 やっぱ、神様(?)はいるんだな。


 称号が獲得出来るなら、この苦労も無駄じゃなかったな。

 

 むしろ良かったよ。


 あのホワイトウルフに感謝しなければ。

 本当にしつこかったけど、今回は許す。


 《潜伏》のスキルも上がってる事だし。


 プラスが多いのは良い事だね。


 じゃあ、俺の苦労の成果を見ようじゃないか。


 俺はステータスを開いた。



________________________________________

 ステータス


 レベル 10

 名前  サクヤ

 種族  ウルフ

 職業  探偵


 パラメータ


  HP29

  MP29


  速力 28 筋力 28 防力 28

  器力 28 精力 28


 スキル

 〔種族スキル〕《爪撃》LV.4 《噛撃》LV.2


 〔職業スキル〕《鑑定》LV.7+3《閃めき》LV2

  《視覚強化》LV5+2


 〔通常スキル〕《影魔法》LV.2 《錬金》LV.2

  《念話》LV.--《念力》LV.4 《潜伏》LV.18+12

  《地図》LV.4+3


 SP10



 称号

 〈変わり者〉〈念じる者〉〈潜む者〉〈耐える者〉


__________________________________________




 フフフフフ…………。


 俺も強くなったもんだな。

 最初の頃に、ウルフにキルされまくったとは思えないステータスになってきたな。


 成長を実感する。

 感慨深いものだな。


   

 まあ、ステータスを見ると確かに俺のレベルは上がっといないが、スキルレベルの上昇率が凄いことになっている。


 《地図》スキルもさっき取得したのに、スキルレベルが4に上がっている。


 《錬金》や《影魔法》なんて、ずっと上がっていないのに。

 本当は俺が使ってないだけなのだが。


 ますます便利になってくる《地図》スキル。

 期待大である。


 だが、1番注目すべきは《潜伏》。


 今回、大活躍だったスキルだ。

 このスキルが無かったら俺は今頃リスポーン地点だろう。


 そして、大活躍だっただけにレベルアップも凄い。


 前に確認した時はレベル6だったのに、今はもうレベル18だ!!


 3倍もレベルが上がったよ。

 

 まあ、自分よりもレベルが相当高い敵から隠れてたから当然の上がり具合だろうけど。


 しかし感謝する。


 《潜伏》…………ありがとう。


 これからも活躍してくれたまえ。


 

 そして、何気にスキルレベルが上がっているのは何と《鑑定》だ。


 こちらもかなりレベルが上がっている。


 《潜伏》と同様、自分よりもレベルが高い敵を鑑定し続けていたからだと思う。


 いつまでも使うスキルだと思うので、レベルが上がることは有難い。


 これからも活躍される事を願おう。

 よろしくな。


 

 しかし、こうして見ると順調にステータスが育っていることが分かる。


 こうやって、だんだんと強くなっていくのは楽しいな。


 だって、今の《潜伏》のレベルだったらレベル10台のウルフに見つかる気がしないのだ。


 そこから奇襲し放題。


 俺のレベルもどんどん上がるだろう。


 そしたら、SPを使って良さそうなスキルを取得してレベリング。


 それで、また強くなっていく。


 この繰り返しを少しの間やっていれば、俺のステータスはもっと強化されるだろう。


 そしたら、あのホワイトウルフとやらにも勝てるようになると思う。


 その時が楽しみだな。


 

 そんな未来の事を考えて、ウカウキしながら俺は森の奥へと進む。


 ここまで来たら最後まで行くつもりだ。


 最奥に何があるのか気になる。


 まあ何にもないって可能性もあるけどな。


 というか、ここから帰るのが面倒っていう理由が8割だけど。


 またホワイトウルフや高レベルのウルフの側を隠れながら……とか、やりたくない。


 俺の心臓がもたない。

 本当に。


 はあ…………。


 俺っていつもギリギリな戦いしてるよなー。


 その部分では最初の頃と変わっていないと思う。


 隠れながら、敵が通り過ぎるのを待つだけの戦い。

 確かに難しい高度な戦いではないけど、精神的にキツイものがあるのだ。


 多分、俺ってこのゲームでメンタルが相当強くなったと思う。


 まあ、だからこそ獲得できた称号があるんだし。

 

 ……。


 あ、そういえば。


 称号を獲得してたわ。

 完全に忘れていた。


 《潜伏》の成長が凄くて、うっかりしていた。


 〈耐える者〉っていう称号を獲得していた。


 うん、早速《鑑定》で見て見るか。



_______________________________________

 〈耐える者〉

 

 ・獲得条件

 1時間から3時間に及ぶ戦闘で勝利した者に送られる。また、戦闘以外でも長期に及ぶ事柄を成し遂げた者に送られる称号。


 ・効果

 耐久戦の場合のステータス補正。

 消費SP0で《耐久》スキルを取得可能。

 レベルアップ時のHP上昇補正。


________________________________________

 



 おお!


 〈潜む者〉や〈念じる者〉と同じような称号だな。

 

 《耐久》スキルか。

 確かに便利そうだが使い勝手は良さそうにない。


 文字通り、耐える事で効果を発揮するっぽいからな。


 でも、こういう系のスキルは持ってないので普通に有難い。


 それにHP上昇補正!


 やはり体力が増えるのは嬉しい。

 それだけ死ににくくなるからな。


 これは優秀な称号となるだろうな。


 称号も4つ目か。


 獲得条件も相変わらず厳しいし、もう称号は獲得出来ない可能性もある。


 とにかく感謝。


 じゃ、《耐久》を見てみますか。



________________________________________

 《耐久》


 消費MPを0で発動。任意発動ではなく自動発動する。戦闘時、ある一定の時間経過と比例して全パラメータが強化される。またHPが3割を下回る時、全パラメータが強化される。強化の比率はスキルレベルに依存する。 

 また、全状態異常に対して極微の耐性を発揮する。

 ※魔物が使用した場合、全ステータスが強化される


_________________________________________


 

 ううーん……。


 どうなのだろうか?

 

 まあ、悪くはないが良くもなさそう。


 って感じだ。


 ぶっちゃけ、本来の効果よりも状態異常耐性の方が使えるかもしれない。


 まず、《耐久》はレベル上げが難しそうだ。


 戦闘が30分以上になって初めて発動するから、普段はスキルレベル上げが出来ないのだ。


 なので、必然的にスキルレベルが低くなってしまう


 そして、強化の比率もスキルレベルに依存するらしいので、レベルが低いうちは使い物にならない可能性がある。


 このスキルには悪いけど、ピンチの時の保険って感じの認識が良さそうだな。


 状態異常耐性は本当に極微なんだろうな。


 それでも有難いけど。


 だって全状態異常だよ?

 極微でも耐性があるんだから良くない?


 まあ、消費SPは0なので早速取得しとこう。


 

 オッケー。

 

 取得できた。

 

 じゃあ、森の奥へと進んで行きましょうか。


 

 レッツゴー!!

 

 

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