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桜峰学園 受検編4

「さて、廻理君。これから行うのは鬼ごっこです。私が逃げますので貴方は恩寵を使って捕まえてみて下さい。無論私も全力で逃げさせて頂きますが…ね?」


「お、押忍…!」


麗愛さんの全力か…

不味いな、鬼ごっことは言われたが全力で能力使うんだろうなぁ…


滅茶苦茶相性悪いんじゃないかな?


「では三十秒後に開始してください。私は今のうちに距離を稼がせて頂きます。」


「のわッ!」


麗愛さんの宣言の後俺の視界が封じられる。


大方逃げた方向を悟らせない為なんだろうが、鬼ごっこに加えてかくれんぼ要素も出てきたな…


3.2.1.試験開始


カウントダウンを終えると視界を隠していた何かが消える。


んー…麗愛さん、あー見えて結構ズル賢いからな。俺は振り返り近くの岩の裏へ回る。


「「あ!」」


麗愛さんがニマニマしながらこっちを見ている。


と同時に、DOKAANN!!というド派手な音と文字が俺を襲う。


麗愛さんの恩寵、〈夢幻(ザ・ファントム〉)と〈私乃世界(マイワールド)〉の合わせ技か。


幻覚を見せて考えた事を形作り現実としてしまう。


文字とかカウントダウンも恩寵の合わせ技だ。


ここに飛んで来たの三つ目の能力〈空間転移〉ってとこか。


灰猫たんの言うところの三恵…トリプルだ。その能力を買われ彼女は天道家の筆頭執事補佐の地位に居る。


ヒロイックランキング13位 ファントム・レディ。それが麗愛さんのもう一つ肩書きだ。


姉さん、シューティング・スターのバディであり対多人数には無類の強さを誇る。


それこそ麗愛さんより上は三人のみ。


氷月、グラビティ・ララ、天燐の三名だ。


一位の斬界は規格外過ぎるので省く。



元は孤児の出身だけど、その能力を現筆頭執事こと平原 愛留(あいる)氏と姉さんが見出だした、と聞いている。


話が脱線した。


つまり…俺は麗愛さんの作り出した世界に閉じ込められた…と。


難易度高過ぎじゃねえか?


助けてェ灰猫たん…ぼく、おうちかえるゥ…



さて、くよくよしてても仕方ない試験時間は十分だ。


膝突いて絶望にうちひしがれていてもなにも好転しない。


まずは行動を起こすのみ。


身体強化を使って真っ直ぐ走る。


ちょっと行くと壁らしき物にぶつかる。


んで、こっから反対側に走っていく。


今度は回れ右してそっちに…


と繰り返していくうちに何となく分かった。


この空間は大体一キロくらいの四角形で形成されており、移動の制限は無し。


あとは…


「〈変身(メタモルフォーゼ)〉モード=ライカン・スナイピオン!!」


白銀の毛艶に狼を模した覆面。


真っ赤な鎧にその背には大弓・国落しを背負った追跡と狩猟の英雄。


この状況には彼が最適解だろう。


早速追跡を…あ、やべっ!


ライカンの弱点忘れてた。


ライカンは狼の嗅覚と野生的な勘で相手を追い詰める狩猟型の戦いを得意とする英雄だ。


その弱点は綺麗な女性の色香…つまり、匂いだ。


狼に育てられ山で育ち人間との関わりが少なかったライカンは当然女性に馴れておらず、山を荒らす山賊に襲われていたヒロインを助けて気に入られ、そのヒロインに追いかけ回され逆に狩られて恋に落ちる…


なんて冗談染みた原作設定を呼んだ覚えがある。


麗愛さんは綺麗だ。


十人擦れ違えば全員振り向くような…

そして俺は麗愛さんを美人だと少なからず思っている。


いや、当たり前の話なんだけどさ…


麗愛さんの匂いは分かった。


けど、ライカンの本能が近付く事を恐れている。


残り時間は…三分強か。


ここはライカン意思に反しても前に進むべきだろう。


「ライカン…お前の力はそんなもんじゃねえだろ…!行くぞ…!〈身体強化〉四倍(クアンタブル)ッ!」


景色がどんどん流れていく。


普段の身体強化が時速五十キロってとこならその四倍の二百キロってとこだな。



密かに特訓していた恩寵の重ね掛け。


何度か失敗したが、特訓を続けるうちに何とか成功率を上げていった。


傷だらけになりつつも怪我は灰猫たんに癒して貰った。


そうして漸く使える段階までに至った二倍を更に重ねる事で使える四倍。


実はぶっつけ本番だ。


普段の身体強化は十分、二倍で五分。


四倍は…この感じだと三分間が限度ってとこか!


「見つけた!麗愛さん、この試合俺の勝ちだッ!!」


「廻理君…ちょっと規格外すぎませんか?その才能に少し嫉妬を覚えます…だけど!そう簡単に私の心は掴めませんよ?ハァッ!」


麗愛さんに触れるギリギリの所で何かを投擲…


これ爆弾か?ヤバいヤバい!


ギリギリで気付いて距離を取ったけど、当たってたら怪我どころじゃないな…


まさか攻撃してくるとは思ってなかった…けど、絶対に捕まえる。


心を掴む云々言ってたけど趣旨変わってませんかねぇ…?


「はは…!麗愛さんすげぇや。流石姉さんがパートナーに選んだだけあるわ。けど俺も負けてらんねえ!こんなとこで夢へのスタートラインを諦めるわけにはいかねぇんだよッ!!」


接近、あと一歩。麗愛さんはまた爆弾を投擲してきている。…自爆覚悟で突っ込んでやるァ!!


「なッ!か、廻理君、止まって!」


うっせぇ!今が好機なんだよ!何がなんでも捕まえてやらァ!


「取っ…たァ!!うおっしゃァ!ボファッ!」


捕まえたと同時に爆弾が作動。


哀れ俺は爆風に直撃する。

変身も解け、その瞬間時間切れを示す爆音にハッとする。


俺の手は確かに麗愛さんに触れていた。


触れていたんだが、その場所がいけなかった。


「あらあら…私の胸がそんなに魅力的でしたか?フフッ…廻理君、合格ですよ!」


「あ…えと、ごめんなさい。」


「私の(こころ)、しっかり掴まれちゃいましたね…?責任は取ってくれるのかしら?あ、これを使って流音をからかっても面白そうですね…?」


心(胸パッド)、物理で掴んじゃったかあ…

やわらけ~

これが女性(パッドあり)の柔らかさ…か。


どうしよ…全然嬉しくない…


「責任云々は勘弁してください!」


必殺の土下座を披露すると、麗愛さんは子供のように大笑いをした。遠目に見えた姉さんは大爆笑してる…んにゃろぉ~…


「アハハハ、分かりました。この事は秘密にしておいてあげましょう。但し貸し一つですよ?」


「俺に出来る事ならばッ!」


「はい、言質貰いました。あ、そろそろ立った方が良いんじゃないかしら?皆さん見てるわよ?」


「え?」


言われて頭を上げると受験生やら教師やらひそひそと何かを話している。


やっべ…目立ちすぎた!


「受験番号01234天道廻理君、合格です。あちらのSと書かれた旗の誘導員に従って学長室へ移動して下さい。」


「お、押忍!」


何とか合格を貰えた。


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