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悪魔)聖女を騙して魂を奪おうと思ったら失敗して聖女の願いを叶える為に全力を尽くさねばならない契約を結ぶ羽目になった。お陰で最強最悪の悪魔が人助けなんてやる羽目になってしまった。  作者: 黒銘菓
ここから俺と娘の人生は始まった。この娘は俺に魂を奪われる運命を確定し、俺はと言えば………何も言うまい。ここで言うまでも無く、全て書き記されているのだから。
10/17

お仕舞。しかし少し付け足そう。悪魔の続きと聖女の終わりのその続き。 という訳でもないが、少し残った部分を、少しだけ加えるとしよう。 なに、直ぐに終わる。

 せいぜい600文字の後日談。短いエピローグ位しか無い。

 せいぜい楽しむと良いさ。


「ドレリュゥゥゥンにょしゃチュ!!」

 ダメダメキエルキエルダメナヤツ

 聖女との契約を終え、魂を頂こうと手を伸ばした瞬間。あの感覚が体を駆け巡った。

 ペナルティーだ。

 「オイオイオイオイオイオイ!何?なんだ?何でだ?娘!こりゃどういうこった?」

 怒りで娘に掴み掛る。直ぐにペナルティーの感覚が体を襲った。コイツの契約が未だ生きている。目的を達成したはずなのに…。何故だ?

 「私に言われても、悪魔様、どうしたんですか?」

 娘は俺が発した奇声に驚き慄き、茫然としていた。違う。コイツじゃないな。

 「ってことは?」

 契約書を改めて見る。コイツの願い。願いが叶うまで娘に付き合ってやる。という旨の内容が有るのみ。契約違反なんて………。待て?

 「娘?お前の願い。俺と契約して、力を得てやりたかったこと…。それは…何なんだ?」

 俺の問いに娘はきょとんとしていた。

 「全ての皆さんが幸せに生きる世界を見る事ですが……それが?」

 俺は契約書が血で滲む以前に勘違いをしていた。

 てっきり俺は、この娘は賊の撃退を心から望んでいるものだとばかり思っていた。

 『全ての皆さん』

 その言葉がパズルのピースを繋げた。

 つまりはこうだ。

 「全世界を平和にするため……これ以上こき使われなきゃいけないのかよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 悪魔生で味わった最強の絶望がそこには有った。

 短い短い冒険が少し長引くことになった。


 すぐ終わる。その言葉は600文字程度で完全に返された。

 悪魔の続き

 聖女の終わり


 それは悪夢の続きで悪魔の続き

 聖女の始まりの続き


 物語はもう少し、俺が600文字程前に考えていたよりも圧倒的に多くのもう少し、続くことになった。

 もう沢山だ。

 こうなれば、俺がコイツに徹底的に付き合い、全力でサポートして、それでも負ける相手に負かして貰い、死なせるしか俺が自由になる術は無いのだろうか?

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