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防衛特化無表情腐女子モブ子の楽しい青春  作者: 一九三
承 変化!いつだって諸行無常!
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モブ子18 嵐の始まり

 「クローデンス辺境伯令嬢」

 「はい、なんでしょうか」


 声をかけられて振り返ると、そこにはアレス様がいた。

 あー、最近アレス様経由で、アレス様の父親である騎士団長と話してるから、その伝言かな?

 アレス様は騎士団長が東のことを考えて政治的に婚約者決めたから、最近の萌えからは外れてるんだよね。いや、ただの婚約者ならそれもそれで美味しくいただいたけど、意外と仲睦まじいらしいからなあ。

 NTRは趣味じゃない。清く健全なお突き合いをお願いしたい。


 今回もそんな伝言だろうと思ったけど、まあその通りで、「父からの手紙に、クローデンス辺境伯令嬢への言付けが書かれていた」と言われた。

 私と騎士団長が文通してるのは怪しいけど、騎士団長が息子のアレス様に手紙を出すのはおかしくない。クラスメイトである私とアレス様が話すのもおかしくない。だからアレス様を経由してのルートを取っている。ただ多少やり取りに時間がかかるのと、アレス様に内容を伝えられる範囲でしか話せないのが難点だ。


 さて今回はなんだろうかと、「どのようなことでしょうか」と話を促せば、アレス様は不可解そうな顔で、


 「夏のことを聞きたい、と言うようにと書かれていた」


 と言った。

 今の季節は、もう冬も終わりごろ。そろそろ春になる。

 そんな時期に夏のことなんて、と思ってるのだろう。


 でもこれは、以前の提案をもとにしたものだ。

 『東のことや夏のことの詳細を知りたいのならヘルヘイムを紹介する』と言っていたから、そのお返事だ。

 一年近く待たされて、このタイミングでやっとお返事がもらえたってことは、ついに東が動き出したってことかな。


 アレス様に「わざわざありがとうございました」と礼を言って別れ、「テミス」と呼ぶ。

 「はい、お嬢様」と近くで声がしたので、「聞いてたね?」と確認をとると、「どうしますか」と返って来た。

 話が早くていい。


 「仕度して。連れて行く。あとテミスは父上のところに連絡に行って」


 ──こっちは何とかしておくから。


 歩きながら言うと、「かしこまりました」と声がして、それっきりテミスの気配はしなくなった。



 いよいよ、戦争がはじまる。


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