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防衛特化無表情腐女子モブ子の楽しい青春  作者: 一九三
起 序章!学園生活は戦いと共に!
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モブ子9 模擬戦

 予想通り、お相手はオルペウス様、アレス様、ディモス様だった。

 受け様しかいないこのがっかり感。どうせなら攻め様を連れて来い。

 そうは思っても、テミスの目が怖いので真面目に相手をすることにした。今朝、『お嬢様、もし萌えだとかのためにわざと負けたりしたら……わかってますわね?』と脅されたのだ。迂闊なことをしたら薄い本を燃やされる。そう思ったから素直にうなずいて、テミスに怒られない程度にやることにした。攻め様がいたらあえて苦戦したかもしれないけど、受け様しかいないなら、嬲ってしまう方が後々に妄想の糧になる。


 「私は魔法も剣も得意なわけでありませんので、お手柔らかにお願いしますね」

 「こちらこそ、失礼します」


 まずはオルペウス様との対戦。

 さすがに文官に負ける気はなかったので、『我を害するすべてから我を守れ、防護』と自分に防御のための魔法をかけて、それでオルペウス様と打ち合った。

 さすがに文官ながら剣もそれなりだったが、こっちは魔法のおかげで防御無視して打ち込める。模擬戦場の隅に追い詰めて、足払いで場外に転ばせた。私の勝ち。


 次はアレス様。

 結界に籠る前に、と開始即突進されたけど、やっぱり避けて結界に籠って、時間切れまで籠城で終わり。同じことをするのは芸がないけど、手の内をそう明かすものじゃない。


 最後、ディモス様。

 お互い、後衛の魔術師タイプだから、まずは魔法の詠唱だった。


 『我を害するすべてから我を守れ、防護』

 『強風よ、吹き飛ばせ』


 私は結界と回復の後方支援型だけど、ディモス様は攻撃型のようで、いきなり風で吹き飛ばそうとしてきた。

 それは防護の魔法で防ぎ、まだ防護を破られないようだから、剣を構えて接近した。


 『業火よ、燃やせ』


 が、ディモス様は近づくより早く魔法を使って牽制してきた。天才魔術師の名にふさわしく、呪文の詠唱がかなり短い。私でもかなり短いほうなのに、さすがだなあ。


 業火を無視して突っ込めば防備の魔法が途中で切れた場合に大惨事になってしまうので、一先ずバックステップで退避して『かの炎を全てから隔絶しろ、結界』と炎を結界で囲って酸素の配給をなくし、鎮火するとともに熱も遮断した。

 そして、『我が足場となり飛翔させよ、結界』と結界で出来た足場を出現させ、それを蹴って炎を囲った結界の上に飛び上がった。その途中に防備の魔法も使い、炎が消える前、目隠しが効いている間にディモス様に向かってジャンプし、上から斬りかかる。


 『吹き飛べ、切り裂け』


 が、ディモス様は慌てず騒がず空中で踏ん張れない私を風の刃で切り裂こうとしてくる。私の防御力は知っているだろうから、その目的は吹き飛ばして場外負けにさせることだろう。

 魔法を発動させるには、詠唱する分時間が足りないので、足まで使って剣で受け止め、吹き飛ばされた。


 『かの者を拘束せよ、外界から遮断せよ、結界』


 吹き飛ばされたまま、ディモス様を結界で拘束した。

 さすがに勝ったと思って気も緩んでいたようで、ディモス様は結界を打ち消すことも出来ずに捕まった。

 そして私は斜め上に飛ばされるように防御したので、落下し始める前に『足場を作れ、階段となれ、結界』と結界の足場を作って、たんたんと階段を降りて模擬戦場に戻った。場外の地面に体の一部が触れないと場外負けにはならないから、実は模擬戦はその気になれば空も飛べる魔術師タイプに有利な設定だ。すごい人だと、もう空中戦になるから『場外負け』なんてないそうだ。ディモス様とか公爵令嬢は出来そうだなあ。


 場内に戻ると、ディモス様が結界を打ち消そうとしていたけど、そう簡単に壊されるようなものではない。焦って、魔法に集中も出来ていないようだ。

 そりゃそうだ。だって『外界から遮断』だ。空気の循環もないのだ。結界を破ろうと詠唱して、破れず空気を消費して、現在は酸欠の一歩手前だろう。結界とは言っても、かなり体に密着する感じの、ごく小さな結界だ。拘束と言う性質上、そうやって動けなくしている。

 ディモス様は苦しそうに喘いで、生理的な涙も流し、でも降参することは出来ない。

 身振りでも伝えられない上に、声も届かない。こちら側の声も届かない。遮断されているからね。


 じっくり視姦して、ディモス様の意識が落ちてから結界を解除して回復させた。

 私の腕の中でな!

 ふひひ、体支えてた結界が解除されたから、意識のないディモス様が倒れる。そこを抱き留めて、お姫様抱っこさ! さすがに普通にそんな腕力はないから、魔法で力を底上げしてるけど、役得役得ぅ! さっすが受け様お姫様抱っこが似合うねえ! 酸素を急に摂取して過呼吸気味になったのも滾ったけど、無駄に甚振る趣味はないからすぐに魔法で回復させた。ディモス様は、だから気を失っているままだ。気絶している以上、私の勝ちだ。審判をしていたアポロン様に確認を取って、ディモス様を控えていた救護班のところに連れて行った。


 そして救護班には、ヒュプノス先生がいるんだよ!

 うっへっへ、攻め様と受け様が…うけけ。ディモスは『こんな、無茶して……』とか、『僕以外の人に……』とかで……いや、ヒュプノス先生なら睡姦も行ける。眠ってるディモスを襲っていろいろ教え込んで……拘束して、起きたディモスは『これはなんだ!離せ!』とか言うけどヒュプノス先生に美味しくいただかれちゃって、それで快感に目覚めて……へっへっへっ。


 この後、テミスに『大変気持ち悪うございました』と凍てついた目で言われた。我々の業界ではご褒美です。


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