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防衛特化無表情腐女子モブ子の楽しい青春  作者: 一九三
起 序章!学園生活は戦いと共に!
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悪役令嬢9 裏庭にて

 机の中に手紙が入っていると思ったら、ヒロインからの直訴状だった。

 あの無表情子への態度は黒歴史認定するぐらい反省しているし、高校生(15歳)だったからついやってしまったことであること、これからは気を付けて二度としないから話だけでも聞いて欲しいこと、攻略対象を狙う気は勿論ないし私の生活を脅かす気もないことが書かれていた。

 年齢に甘えてる気がして破り捨ててしまおうかと思ったけど、いじめから庇ってくれた感謝やハデスを貸していたことに対する感謝が添えられていたので、一度だけ、会ってあげることにした。


 関わりがあると思われたくないから、放課後にほとんど来る人もない裏庭の隅のテラスで会うことにした。ヒロインにも二人きりで会いたい、としっかり念を押しておいた。

 テラスで準備していると、きょろきょろと挙動不審なヒロインがやってきた。時間の十分前。まあ、合格。


 「あ、あの……」

 「座って。お茶を入れるわ」


 私に気付いて駆けて来たヒロインを座らせ、お茶を入れる。転生してからお茶が美味しくて、よく自分でお茶を入れては飲んでたから、もうなれたもんよ。お茶をしてるところでアポロン様が来て、「俺にはくれないの?」とか要求するからお出ししたこともあるし、正直この腕前はかなりなもんだと思うわ。


 「あ、ありがとうございます……」

 「ええ。それで、何のお話なの?」


 紅茶を渡し、座って聞く。

 一体何の話をしてくれるのかと思ったが、やはり転生者であることなどだった。

 ヒロインは入学するときに転生に気付いたらしく、貴族や魔法と言われてもすぐ馴染めないということだった。だから動転して元の世界のようなことをしてしまったことを謝罪された。謝罪されてもって感じだけど。

 ここまでは大体予想通りだったが、驚くべき情報を教えられた。


 「それで、あの……私がうざいとか言っちゃった無表情さん、あの人も転生者なの」

 「……なんですって?」


 疑いはあったけど、行動の端々がこの世界の人間のものだから、この世界のシステムか強制力だと思ってたぐらいなのに、転生者?

 しかも同じ世界から来てる?

 詳しく話を聞いたけど、ヒロインもあまり彼女のことは知らないようだった。同じ転生者で、ゲームを知らなくて、戦争に巻き込まれていることぐらいしかわからなかった。

 でも、日本人なのに生まれた時から戦争があって、親から嫌われていたなら、確かに可哀想だと思った。漢字がわかるから魔法を使わされ、危険な場所に行かされているのかもしれない。

 これは……。


 「……近いうちに、三人で話し合いたいわね」


 話し合いが必要だ。


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