表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
防衛特化無表情腐女子モブ子の楽しい青春  作者: 一九三
起 序章!学園生活は戦いと共に!
18/77

悪役令嬢7 実践魔法の授業中2

 無表情子は防御のみして、時間切れで終わらせた。

 あのアレス様を物ともしないほど防御力に優れているのはわかったけど、それ以上はわからない。でも、ヒロインみたいにただ漢字を使ってたって感じはしなかった。ちゃんと詠唱してて、その上できちんと積み重ねた強さがあるって感じだった。私やヒロインみたいなチートじゃない、強さ……。

 ……やっぱり、彼女はゲームの修正力なのかしら。ヒロインと接触したとも聞くし、次は私が釘を刺されるのかしら。

 それとも、どうあがいてもゲームの展開通りになってしまうの……?

 ……いいえ、負けない。私はヒロインに打ち勝って、自分の居場所を守るのよ……!


 対戦相手のヒロインは、びくびくおどおどしていて、ゲームのヒロインっぽくて、愛らしくて、庇護欲をそそられた。

 さすがヒロインね。私とは、悪役令嬢とは大違い。

 でも、私は負けるわけにはいかない。私の居場所を守るために。悪役令嬢の私に優しくしてくれるみんなのために……!


 開始の合図とともに、愛想笑いで話しかけようとしてきたヒロインに魔法を仕掛ける。

 見た感じ、私より魔法の使い方は粗い。なら、真っ向勝負なら私が負けるはずがないわ!


 『停止!』


 ヒロインはびくっとして動きが止まった。これで魔法は唱えられない。じゃあ退場させて……。


 「っ、来ないで!」


 ヒロインがぎゅっと目を瞑ったかと思うと、動き出して、魔法を使った。

 ぴたりと、それ以上ヒロインに近づけなくなる。

 ……今、動けるようになるように、魔法は使ってなかったわよね?

 まさか、無詠唱? 魔法の無詠唱なんて、歴史上でも出来た人なんてほぼいないのに。出来たとしても詠唱した魔法より威力が落ちるから、魔法の扱いで優ってる私の魔法を打ち消せるわけがないのに。


 これが、ヒロインなの?

 これが、ヒロイン補正?

 転生に気付いたときから、頑張って頑張って頑張って、磨いてきたのに。

 運動は苦手だったから、追放されたとき、身を守るのは魔法しかないと思った。だから魔法を鍛えて、追放されても生きていけるようにして、天賦の才を持つディモス様よりも使えるぐらい頑張って、漢字を知ってるっていうチートだって使って、ここまで使えるようになったのに。

 それをあっさり抜き去るのが、ヒロイン?

 私の努力なんてあざ笑うみたいに、全部かっさらって行って。

 嫌だ。

 負けたくない。

 ここは、ここが、私の居場所だ。

 あなたになんか、渡さない……!


 『魔法無効! 身体強化、加速!』

 「いや──!」


 ヒロインが魔法を使う前に、接近して頬を平手打ちした。

 ヒロインはばたりと倒れた。

 ──私から、奪わないで!


 『っ追放!』


 ヒロインは場外に『追放』された。

 ハデスがヒロインに駆け寄っている。

 私には、誰も来てくれない。

 倒れているヒロインを見下す。




 ──この子が、憎い。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ