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防衛特化無表情腐女子モブ子の楽しい青春  作者: 一九三
起 序章!学園生活は戦いと共に!
16/77

モブ子6 実践魔法の授業中

 アポロン様の勝手な思い付きで始まりました、この模擬戦(笑)。

 実況はこの私、『ミケ、シケ、イケ、ニケ!』でおなじみのニケさんがお送りします! 脳内だけでな!


 はい、まずは対戦カード。第一試合、人間嫌いで根暗な受け様、ディモス様VS自称ヒロインのデメテルさん!

 第二試合、多分この対戦カードが見たかったんでしょう、国家騎士団長ご子息アレス様VS私!

 第三試合、第一試合勝者VS完璧超人過ぎて引くレベルの公爵令嬢!

 決勝戦、第二試合勝者VS第三試合勝者!


 この組み合わせは、まず第三試合は、恐らく第一試合でデメテルさんが勝った場合に、公爵令嬢と戦わせてどちらが強いか見るため。仮にディモス様が勝ったら、それまでだったと警戒度を下げるだけでしょう。

 決勝戦は、私が勝った場合に公爵令嬢と比較するため。アレス様が勝てばそれはそれでよし。

 何気に第一試合を勝ちぬいた場合負担がキツイのは、恐らく天才魔術師と名高いディモス様と、『豊穣』の魔法を使えるデメテルさんをそれだけ評価しているということ。つまりこれで望まれているのは、第一試合でデメテルさん、第二試合で私が勝ち、公爵令嬢に負けること。これですね。

 なお解説のテミスさんは、本日は木の上で『現場のテミスさん』に転職してますのでコメントは控えさせていただきます。ご了承ください。


 さあ、ディモス様、デメテルさん、両者コートに上がりまして構えます! 戸惑うデメテルさん! ディモス様は徹底無視! デメテルさんはチワワのように震えております!


 「あの……私、棄権しても……?」


 さらにデメテルさん、小声で棄権の旨を伝えて来たー! しかし、殿下に求められている勝負を投げ出そうとするのはあまりに不敬! これは無視したディモス様に技ありですね~。

 しかもディモス様、可哀想だから手加減してあげようとか考えているようです。ディモス様自身は孤児だったため、貴族社会になじむまではいろいろ苦労もあったそうですから、デメテルさんに同情しているのでしょう。解説だったテミスさんからの情報でした。


 そして今、合図の音が響きましたーー!


 『かの者を捉えよ、拘束せよ』


 先手必勝とばかりにディモス様の攻撃! 荊の蔓がデメテルさんを襲います! 荊があるってことは、同情説は的外れだったでしょうか。実況であって解説ではないから間違っていても仕方ない。実況はそう、その場限りのノリ! 熱いハートがあればいいのです!


 さあさあ荊がデメテルさんに迫ります。

 デメテルさん、顔を青ざめ硬直しています。仕方ない。二の足を踏むのは仕方ない。


 『停止!』


 しかし、動いたーー!

 デメテルさん、とっさに魔法を使って荊とディモス様を停止させました! さすが元日本人! さすが元オタク! 漢字の書き取りと妄想力は伊達ではありません!

 観覧席の公爵令嬢、ひどく青ざめた表情をしています。『やはり……』と思っているのでしょうか。また公爵令嬢の取り巻きたち、驚愕を隠せない! 公爵令嬢を見てしまう!そう、これは公爵令嬢の魔法のはず! 彼女の魔法のはずなのにどうして!


 ディモス様も驚愕していますが、勝負は待ってくれません!


 『転回! 退場!』


 デメテルさんに魔法をかけられ、後ろを向いてそのまま退場してしまいます! やりました! 勝ちました! ディモス様の場外負け、デメテルさんの勝利でーす! ひゅーひゅーぱちぱちぱちー!



 ってわけで私とアレス様の対決。

 ひたすら結界に籠って時間切れ。

 引き分けで終了。

 第三試合が決勝戦になりました。終わり。


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