【第42話】「こんにちは!」この呪文で魔王を倒しに行きます!ホントです。①
前回のあらすじ ネオが仲間になった!
魔族たちの作戦により、エリアスは静かに占拠されていた。
ガチャガチャ
ネオの部下「もう出ていいですよ」
衛兵「ふぅ、やっと牢からでることができた」
ーエリアス ヴェイストハルト卿 屋敷 食堂にてー
ネオが仲間になったので収監されていた衛兵たちは無事に出ることができ、現在は食堂に全員集まっている。ネオは彼らを一列に並ばせ口を開いた。
「知らない人が勝手に来てもいきなり攻撃するのはよくないのじゃ! もし魔族じゃなかったら死んでいたのじゃ! 傷つけるのはよくないのじゃ! しっかり牢に入って反省したかの?」
ネオは両手を腰に当てエッヘンとでも言いそうな体制で衛兵を叱った。
「……あ、はい(俺たち護衛だし間違ったことしてないよな)」
「……かしこまりました(むしろそっちが不法侵入するのがよくないんじゃないか)」
「よし! これでみんな仲良しなのじゃ!」
ペロリと口いっぱいについているクリームを舌で舐めネオは満面の笑みを浮かべた。彼らを許したらしい。
「ネオ様の満面の笑み……かわいい…」
メイドさんがネオの様子をみてこっそりとつぶやいていたのが見えた。
ネオはその後僕たちの方をみて口を開く。
「それではサン。魔王城に行き魔王を倒しに行くのじゃ! お前たちを運んで魔王城まで連れて行ってやろう」
「ありがとうございます。でもどうやって?」
「われら第一部隊は全員背中に翼が生えている。われの部下がお前らを背負い、魔王城まで連れて行こう」
「ネオ、それはありがたいんだけど、第一隊の他のメンバーも魔王を倒すことに了承しているの? これっていわゆる反逆行為じゃ……」
「むろんじゃ、彼らは我が奴隷から助けた魔族たちじゃ。彼らは同様に魔族の奴隷たちを開放したい思いは変わらない。この隊がほかの隊と異なり少数精鋭なのも、魔王に計画がばれないようにするためじゃ。だから彼らもお前たちの仲間と思ってもらってもかまわない!」
ネオの部下たちは僕たちに向かって一礼した。たしかにネオのいった通り敵意はなさそうだ。
「わかった。それじゃあ一緒に魔王城まで向かおう」
「私も行くわ、なんかあったときに大変だから」
「ありがとうミーア!」
「俺もついていこう」
「アルディンさん!」
「じゃあ早速外にでるのじゃ! 奇跡の呪文で魔王を倒すのじゃ!」
ネオは僕らを翼で運んでくれる部下を3人選び外に出ようとした。
「待って!!」
「どうしたのじゃ?」
「あの奇跡の呪文ってみんな当たり前のように、知っているみたいですがどういう呪文なんですか?」
僕がみんなに質問したところバルトさんが話に割って入ってきた。
「……すまない。一昨日その話をしようとしたがサン殿が気絶してしまいできなかったな。次の日もいろいろあって結局伝えられず申し訳ない」
ーー19話回想ーー
「なぜってサン殿は奇跡の呪文が使えるじゃないか。」
え?呪文??どういう事だ。
「君の奇跡の魔法の呪文が有ればドラゴンの碑石の封印を強める事ができるかもしれない…」
「えっなに言っているんです?僕は魔法なんて使った覚えはないですよ!!!」
「でも私の娘ミーアをゴブリン病から助けてくれただろう?」
「それはアリアスのリンゴを食べたからで…」
「そんなわけないだろう!!アリアスのリンゴはただのリンゴだ!!!」
(アリアスのリンゴは乞食の老人をムキムキのおじさんに変えたんだぞ。ミーアの件も含めて2回も目で見ているんだ。納得できないよ。)
「ではなんでりんごが青白く光ったんですか!?」
「それはサン殿が奇跡の呪文を唱えてくれたからだろう。」
え? 僕が呪文を唱えたって……? いつ? どこで?昨日転生してから数時間もたってないよね?
「ぼ、僕は呪文を唱えた覚えは……。」
「いや、間違えなく呪文を唱えていたぞ。我々は難しくて発音すら難しいがな。えっと……たしか【コンデユルタン】?のような……」
【コンデユルタン】???
そんな呪文唱えた事もないよ。
「ちなみにこの呪文を何回も唱えると極度の疲労感に襲われると聞いた事があるが……」
極度の疲労感?
そ、そういえばミーアをゴブリン病から助けた後ななんかじわじわと疲れ出して、アリアスのホテルバレンティアで入浴後直ぐに寝たなぁ。もしかしてコレが疲労感っていうのか……
「なんでも幻聴が聞こえるんだとか。MPがゼロになりました。だとか。」
!!!
『MPがゼロになりました。』
なんか聞いたことあるぞ!!!その声は転生前にやっていたゲームでMPがゼロになるとアナウンスしてくるゲームがあったなぁ。
でも【コンデユルタン】なんて言葉使ったことないんだけどなぁ。
「【コンデユルタン】ではないが…それに似た言葉だ。私たちは話す事ができないが。コンデユテン…コンヂテウエ…コンネチエ……」
バルトさんが謎の文言を連呼する。
「たしか呪文の詠唱と一緒に頭を下げていたなぁ。まるで挨拶の言葉みたいに。」
(挨拶の言葉…?コンネチエ?えっと……うーんと)
!!!
「こんにちは。」
ピカ!!
体が青白く光った。
「ほれ! これが奇跡の呪文だ! やっぱり知っているじゃないか!!!これでドラゴンの碑石の封印を強化する事ができる!」
……マ…マジか!
世界を救う奇跡の呪文。
それは前の世界で当たり前のように使っていた言葉。「こんにちは」かよ!!!
MPがゼロになりました。
バタン
ーーーーーーー
(たしかに……途中で気絶してしまったな……)
「バルトさん。僕たちはこれから魔王城に向かいます。使えるのは僕だけなのに僕がその内容を詳しく知らないのはよくないと思います。お願いします! 教えてください。」
「……むむぅ。わかった。ネオちゃん、ちょっとだけ待ってくれるかな?」
「うん! お菓子をくれたらな!」
「わかった。メイ、ネオちゃんにお菓子をあげてくれ」
「すでに手配を」
メイはどこからかクッキーを取ってきたみたいでそれをネオに差し出した。
「もぐもぐ……おいしいのじゃ!」
「か、かわいいぃいい」
「ネオちゃん……かわいいのぉ」
「ば、バルトさん?」
「おっといけない。時間がないから簡単に言うぞ。奇跡の呪文は現物回帰の呪文だ」




