32話ゲーム序盤の街は大抵重要な秘密が隠されてるんです①
「よし!エリアスへ向かおう!」
日は少し傾いていた
ーサレスの森 獣道ー
ザクザク
ザクザク
僕たちはイエデイから聞いたエリアス襲撃の情報を聞いて、サン、ミーア、アルディンの順番でサレスの森入り口まで向かう。
出来るだけ早くエリアスに向かわなくてはいけない。
ザクザク
ザクザク
獣道は足を踏む度に木の枝が折れる音がする。
ーーーー31話回想ーーーーーーー
その必要はない、あの護衛……黒だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
アルディンさんの言葉……気になるなぁ。
「そういえばアルデインさん。護衛さんと何かあったんですか」
僕は獣道を進みながら後ろにいるアルディンに問いかける。
アルデインさんはは獣道の木々をかき分けながら2人に答えた。
「俺はあの時イエデイの攻撃を受けてしまい倒れてしまったが、幸いにも意識自体はあったんだ……お前ら2人がイエデイから逃げるためドラゴン碑石の方に向かった後、護衛と魔物の間でこんなやりとりがあったんだ………
ー《アルディンの回想》ー
サレスの森の獣道の中……
「グワアアア!」
イエデイの鋭い爪が鎧ごと護衛の身体をを突き刺した。
「グワアアア!」
大きな叫びがうねり、徐々に掠れていく。
「うぅ……」
彼の意識がなくなりかけた頃、イエデイは饒舌に口をを開いた。
「お前ら人間族は本当によわっちぃなぁ。大の大人の男が二人とも一撃ってなぁ。全くなんで魔王様は俺をこんな所へ……俺のこの鋭い爪があれば、エリアスを一瞬で制圧できるのにぃ! なんで俺を置いていくんだぁ!」
イエデイが護衛を爪で突き刺したまま地団駄を踏んだ。
「……あ、そうだ! いいことひらめいたぜぇ!」
イエデイがニヤリと笑った。
ピカッ!
赤紫の光がイエディの体を光で包み込む。
「お前の身体をお借りするぜぇ!《転生のスキル》」
ブワァ〜
しばらくするとイエデイの腹部からブワッと赤紫の光の玉が出てきた。
光は10cmほどの一つの塊でイエデイの腹部から護衛の身体へ光が入り込む。
ピカ!
そして護衛の体が赤紫に光る。
光と共に護衛の身体は徐々にイエデイの姿に変わる。
まるで瓜二つだ。
「ハッハッハ!《転生のスキル》……ってのは便利だなぁ。最初からこうしてれば良かったかもな!!」
護衛の身体がはイエデイの身体になり再び動き出し声を上げる
「俺の転生のスキルは元々の俺の魂を瀕死の者に移し替え新たな生命を宿らせるぜぇ。つまり俺が新しいイエデイ様となり……前の俺は俺の分身となり、お互いに意識を持って行動する!」
「というわけで、もう一人の俺! ここは任せてぇ! 俺もエリアスへ向かうぜえ! 俺ってば天才だぁ!」
「おうよ! 俺達は意識を共有できる! 何かあれば教えてくれよ!」
そう言って1体のイエデイはドラゴン碑石の方に、1体のイエデイはエリアスの方に向かっていった。
ーーーーーーーーー
「……と言うところだ。」
アルデインさんは僕の後ろの方でふぅと息をつく。
僕はゴクリと唾を飲み込み呟く。
「転生のスキル……アルディンさんもしかして僕たちが倒したのは……」
アルディン
「あれは分身のイエデイだ。魔族の一部は特有のスキルを使えるからな」
そう言えば……あの時……
ーー31話回想ーー
「さようならではなくて……
初対面の人にはまず会ったら
《こんにちは》って言いなさい〜〜〜!!!」
「……………はぁ?」
ピカッ!
ナイフが青白く光る
そして……
ズバッ!
ナイフの刃の部分がぐううううっと伸びてイエディの胸を貫いた。
ナイフが剣に………
刃先が90cmくらいある大きな剣に……変わった
そして剣は鋭くイエディの心臓を貫いた。
「グワァアア!!!お前えぇ!意味わからん!!!また不意打ちかよぉ」
そう言って
イエデイが白い光に消えていった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
たしかに僕が奴の心臓に剣を突き刺した時……消えていった。
つまりイエデイを倒したわけではないと言うことだ。
僕が転生前に夢中でやっていたゲームでは倒した敵の残骸は消えて無くなるからてっきり誤解していたよ……
アルディンさんは会話を続けた。
「選ばれた人間は呪文……選ばれた魔族はスキルを使う。呪文は強力だが一時的にしか使えない。反面、スキルなら永続的に利用可能だ。」
《呪文》と《スキル》。人間族と魔族か……




