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番外編【デレデレ!領主の美少女娘は転生勇者と結婚したい!】前半戦

ー ヴエイストハルト卿 屋敷入口 ー

鐘6つ

(転生初日/9話と同期)


衛兵「お帰りなさいませ、バルトさ…うっ。バルト様、ミーア様どちらへ行っていたのですか?」


ヴエイストハルト卿屋敷入り口には銀杏が腐ったような……腐臭が漂っていた。

衛兵は臭いにすぐ気づき、いかにも具合が悪そうだ。


「……ちょっとな。我々は風呂に入らせてもらう。服は…そうだな…洗濯してもこの匂いは無くならないと思うから処分しておいてくれ。」


「……かしこまりました。」




ーヴエイストハルト卿 屋敷 女性用浴場ー

ゴシゴシ、ゴシゴシ

「ふーふふーん♪」

私はミスティ・ア・ヴエイストハルト。

今年の春に15歳になりました。

私は今身体を入念に洗っています。

屋敷のみんなからはミーアと呼ばれています。

今日、私はある人に恋をしてしまいました。


なぜってそれは……。



ゴブリン病……それは不治の奇病。

昔この地で流行った伝染病で、

重症化すると体が膨らみ続けるのです。


そしてモンスターのように奇形に膨らんだ体からはかなりの異臭を放ち、その匂いは頭を貫くほど臭いと言われています。


やがて膨張した身体で心臓を潰してしまい絶命……


その後も身体の膨張が続き、最終的に周囲一帯を腐敗臭で覆ってしまうほどの爆発が起こってしまうのです。



ゴブリン病で重症化した私は、巨大化する身体で意識朦朧としていた中で、あの方がくれた赤い果実を食べました。その後身体中が青白く光り私は助かりました。




私は……あの人にゴブリン病から……助けられたのです。





ゴシゴシ、ゴシゴシ

身体の匂いは取れたかな?

明日あった時に「臭い」って言われたくないですから。

私は何度も何度も入念に身体を洗い、湯船に浸かり、身体を洗い、湯船に浸かった。


「気持ちいぃ……」

この大浴場にいるのは私とベテランメイドのメイ。

メイは私が4歳の時からずっと一緒にいる専属メイドだ。

年齢は18歳…私より3歳歳上だ。

メイは私が入浴している間、大浴場入り口で怪しい人が入ってこないか見張りをしてくれている。彼女は本当に真面目な性格で困っちゃう。メイも一緒に入ればいいのにねー。



『家族以外の男の人に裸を見られたら結婚!』

大好きなおばあ様から言われた言葉を思い出す。


私……見られてしまったんだ。 


「サン……様……」

私を助けてくれた方の名前だ。


私……結婚しなきゃ!




(……でもなぁ。)

私は私の体を見る。

身長140cm胸はぺったんこ。

こんな身体じゃあ幼女に間違われてしまうわ。

サン様の心を鷲掴みするナイスなボディになりたいわ。


「モミモミ……モミモミ……」

(胸……大きくなるのかなぁ)



「モミモミ……モミモミ……」

(胸がなくて自分の言葉でモミモミいうのは……ちょっと……悲しい。)



ハァ……



ー 次の日 ヴエイストハルト卿 ミーアの部屋鐘2回としばらくー


ふふーん!

今日はサン様がいらっしゃる日!

念のため朝にもう一度お風呂に入ったから、もう臭いはしない…と思うけど……


「メイ! 私この前の買ったあの靴を用意して!!」


「え、お嬢様……こんなに高いヒールなんて無茶です。やめてください。歩けません。」


「そんな事ないわ! 私のような大人のレディならこれくらい履けて大丈夫です! これは譲れません!」


「大人のレディ……あの、ですがその靴はあんまりです……あと口紅はそんなに口に塗り塗りすれば良いと言うことではありません。」





「いーや! 嫌よ! 私は! これで良いの! メイは何も分かっていないんだから! 今日はサン様がいらっしゃるんだから、きちんとしたレディと思ってもらいたいの!」


「……きちんとしたレディはそんな事言いませんが。」


「もう! うるさいわね! とにかく! 私はこれでいいの! わかった!?」


「(こうなってしまっては、もう無理だわ)……かしこまりました。どうなっても知りませんからね。」






 

ーヴエイストハルト卿 応接間 鐘2回としばらく…ー(10話と同期)

バルト

「み、ミーア…その顔……。その靴…。」


「ふふ! お父様、どうですか?この靴!新しく似合うでしょう!? これでサン様も私の……サン様も……イチコロよ!!」






「あぁ……イチコロだよ。イチコロだ……」

(ほら、お父様は分かってくれる。メイはセンスゼロだから万年彼氏ゼロなのよ♪)




バルトは「ふぅ。」と一息ついた。




「おーい、メア! ミーアの顔を拭いてくれ…。もう耐えられん」


「はい。旦那様、かしこまりました。」

ゴシゴシ

メイはまるで用意していたように濡れタオルを用意し、その場で私の顔を拭き始めた。


「えっ、ちよっと! なんで……」

(せっかく綺麗におめかししたのに!)


ゴシゴシ、ゴシゴシ


「お嬢様、動かないでください。ちゃんと拭けません。」


ゴシゴシ、ゴシゴシ

(うわぁあぁあ!)


すっぴん!


「うむ。やっぱりいつものミーアが一番だ。よくやったぞ。メイ。」


「ありがとうございます」



「う……うぅ。(せっかく頑張ってはじめてのメイクしたのに)」

 



「あいたたた……」

あれ……やっぱり靴のヒール高すぎたかも。足が……し死ぬ……



「ミーア、その靴……やっぱり無理があるんじゃないか? 」


「え……えぇ、そうねちょっと靴を変えてく……」



ゴーンゴーンゴーン

鐘3回目の音が鳴る。



コンコン

護衛「失礼致します!アリアスよりサン様が屋敷入り口へ到着致しました。もうじきこの部屋に……」


(サン様がこちらに!履き替える時間がない)



「お、お父様……」


「仕方ない、サン殿には悪いが座りながら挨拶しよう。ミーア、その椅子に座っていなさい。私も座って挨拶するから。」







ガチャ……

どびらの先にはサン様!!!

待っていましたわ!!


サン

「バルトさん、今日はお招きいただいてありがとうございます。」


「サン殿。よくぞエリアスの街までご足労いただいた。馬車の旅はいかがだったかね?」


(サン…様。ついに来てくれました! 嬉しい! 早く結婚したい!)


「はい。アリアスとエリアスの街の風景が流れるように見えてよかったです」



「おぉ。喜んでんでいただけて良かった。今日は私の娘を助けてくれたお礼をしたいがために呼んだんだが……ほれミーア、私だけに喋らせるでない。」


(お父様が私を気遣って座って挨拶をしてくれた。私も座って挨拶しても大丈夫なように……)






「えっと……」


『良い嫁はきちんとした挨拶ができるものじゃ。』

おばあ様の言葉を思い出さた。

(そう。私は良い嫁になるんだから! 頑張れ私!)


私は椅子から立ち上がり、いつものようにご挨拶をする。


「サ……サン様、此度は私を助けていただいてありがとうございます。」


バルト

(ミ、ミーアが……立った……)


サン

「いえいえ、無事によくなってよかったです。」


(淑女として……頑張らないと……でも足が……)


「ほ……本当に助かりました。(足が……)


本来ゴブリン病というのは昔の奇病なんです。ま…(死ぬ)

魔王の国に住んでいる[とある]ドラゴンが原因だったのですが、そ…………(足ぃ!転びそうだけども耐える!頑張れ私!)


そのドラゴンたちを古来私たちのご先祖が封印をしたので今この病気になる方はいないのです。ただいろいろ訳がありまして………。」


「訳?」


「え……えぇ……実は……」

(なんか足の感覚が……もうダメかも……)


その時、

「おいおい、ミーア。いきなり来てもらって、この話は長くなるからやめときなさい。それにこの体制はキツそうだろ……」


「そ、そうですわね。後でお話ししましょう。よっこらせっと」


(ナイス助け船! ナイスお父様!)


「ふぅ」

(死ぬかと思った……)

 




「ほれ、やっぱりこの靴の角度ははきつかったじゃろうて」


「だってお父様、せっかく命の恩人に会うのにちびっ子って思われたらいやよ。だから頑張ってヒールの高い靴を用意させたんだから」


「そう入っても、足プルプルだったぞ。ははは。これではサン殿に気合入れてますって事が分かられてしまうぞ。」


「こんな時にこんな事! サン様に聞こえたらどうするの!」


「でも!お父様だって昔お母様に気に入られようとして……」


「ちょいちょいちょい! それはだな……」


「私……いい子だからお母様に言わないと。」


「ミーア、頼む。あの事は母上には内緒にしてくれ。」


「ふーん、どうしようかしら? それならサンと過ごせる時間が欲しいんですけど……いかがです?」








「……うぉっほん。サ……サン殿、この後食事を準備しているのだが…うーむ」



「食事の時間だが、鐘5回の時にしよう。


実は私も少しまだ仕事が残っているから、サン殿は服を着替えた後、ミーアに屋敷の庭を案内させよう。


どうかなサン殿。ど………とうかな? ミーア?」


(それでいいわ、お父様。ありがとうございます。)



サン

「はい。もちろんです。(なんか変な間があった気がする。」」



「ええ。食事の時間になるまで私の自慢のお庭をご案内しますね。」



「それと……サン、君の着ている服はえっと……ちょっと古くなっているから、屋敷で余っているものをあげよう」

「あ、ありがとうございます」


「それではまた後でな」

メイがサン様を客人用の部屋へ連れて行く。


(さぁ、サン様とドキドキなデートの始まりよ!)

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