18話 「お花が好きな女の子は嫌いじゃないけど苦手です」⑤
こんにちは!!という言葉で世界を救います。
僕はミーアとバラ園を見た後、
トイレや客室・大広間など……
屋敷の中を案内してもらった。
さすが領主の屋敷……数えられないくらいの部屋がいくつもあった。
さすが領主の屋敷といったところだ。まるで迷路でまったくわけが分からないなぁ。もし今ミーアと離れてしまったら僕は迷子になってしまう。
それなのにも関わらずだ。
「サン! ちゃんとついてきてくださいね! もしはぐれたらあなたはこの屋敷で迷ってしまいますよ!」
ミーアは最初のうちは丁寧に案内してくれていたが、案内に飽きてきたのか急に「鬼ごっこしましょ!」なんて言って先を行くなんて……追いつくのも一苦労だよ。
「ちよっとミーア! ねぇ、足速いってば!」
「ふふふ、サン。私の後をちゃんとついてってくださいね」
「もう……ミーアはここに住んでいるからわかるだろうけども僕は何も知らないんだぞ!」
ミーアは可愛いがいたずらっ子でちょっと困るところもある。
全く昨日までゴブリン病にかかり死にそうな人だったとは思えないよ。
「はあ……はあ……」
僕はミーアに追いつくのがやっとのことだった。
ゴーンゴーンゴーンゴーンゴーン
鐘が5回鳴る。
約束していた食事の時間だ。
「さぁ、改めてここがお父様が待っている食事部屋ですよ。」
僕たちはちょうど食事をする部屋へたどり着いたらしい。
全く良い運動だ。
ガチャ
ーエリアス ヴエイストハルト卿 屋敷 食事の間
ミーアがドアノブを回し一緒に部屋へ入る。
そこには長テーブルと椅子が3つ用意されており、1人奥の方に座っているのがバルトさん。
あとは先程着替え部屋に案内してくれたメイドさんと護衛が1人壁の方で立っていた。
位置的には対面にミーア、その横にバルトさんが座る。
「それでは始めよう。おい、料理を持ってきてくれ。」
『かしこまりました』
メイドさんはそう言って僕たちの入った扉の逆側の通路で待っている他のメイドさんに伝えて料理を運んでもらう。
『どうぞ』
うぉおこれは!
最初に渋色の豆のスープとレーズンパン、次にブロッコリーと赤いパプリカのおしゃれな感じなサラダ、ハンバーグ、海老と玉ねぎの和え物等…
コースメニューの様に1品1品テーブルの上に乗せられていく。
モグモグ
うん。すごく美味しい。
「おお。気に入って貰えて良かったぞ。」
「はい!美味しいです」
「命の恩人をもてなすのは当然のことである。むしろ足りないくらいだ。是非食事を楽しんでくれ。」
バルトさんがちょっと自慢気に話してくれた。
「ミーア……どうだい? サン殿へ庭はちゃんと案内できたかな?」
「ええ! お父様! それはもちろんですわ!」
「そうかそうか、それはよかった。」
しばらく異世界最初のご馳走を楽しんだ後、
僕は話を切り出す。
「ところでバルトさん。気になってることがあるんです。ゴブリン病についてなのですが、話が長くなるとの事でこの時間に教えてくれませんか?」
それはな……少し話が長くなるが聞いてほしい。
(お、遂に物語進行か! 世界情勢がわかるぞ)
バルトさんは一度「オッホン」と咳をたて口を開けた。
(本当にオッホンっていう人いるのか…)
「サンも魔王領域の事に関しては知っておるだろう。」
「魔王領域……ですか……」
(魔王領域……なんだそりゃ)
「そう……魔王領域!」
(なんか話が噛み合ってしまった……)
「実は最近魔族が人間領域へ侵略を始めた。
魔王ガリアスは凶悪な性悪で近くの町ではすでに侵略された街も少なくないとの事。
我々の街も例外ではない。」
「なるほど……」
(なんかゲームとかで聞いたことある流れだな……それでなんかそれで魔王討伐を依頼される流れかな?)
「なのでから我々は魔王領域の進行から街を守るためにドラゴンの封印を抑えようとアリアスの隣のサレスの森にあるドラゴンの石碑まで行こうと思ったんだが、石碑のの封印の力が弱まっているのか…逆にドラゴンの障壁を浴びてしまいゴブリン病に…うぅ、」
(なるほど……ドラゴンの碑石封印の強化に失敗してしまったのね)
「サン殿、君が助けてくれたおかげだ……。娘もほらこの通り。」
ミーアは僕の方をみてニコッと微笑んだ。
うん、可愛い!
「ここも魔王軍がいずれくる。
それまでにドラゴンの封印を強化しなければ……。サン殿、君にミーアと一緒に封印の強化をお願いしたい」
この世界をもし仮にゲームの世界だと仮定するのであれば魔王を討伐するというのがお約束の展開だが……
これからいくつかの街を巡りたくさんの魔物を倒して、謎を解きながら徐々に魔王城に向かうんだな。
「分かりました!これも定め、封印の強化お任せください!」
「おお、それは頼もしい!」
「ところで僕が向かう魔王領域までどれくらいなのですか?」
「うむ。そこの窓の先を見てくれ。大きな建物が見えるだろう。」
僕の席側に外の風景が見える窓がある。僕は体を捻り窓の先を見る。
山々の中に1棟のビル。転生前で言うならタワーマンションに近いかな。とにかく目立つ建物がそこにある。
「あっ、あれですね!」
「そう…そこが魔王城だ」
「へぇ〜そうなんですね〜……え?」
「そこが魔王城だ!」
「え?」




