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ああ、課金してぇーー!!!~課金できないから現代ダンジョンでレベルを上げる~  作者: 甘井雨玉
14章

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エピローグ2

 

 【魔王】から手に入れた【典正装備】、〔簒奪せし命の器(ライフ スナッチング)〕は一定以上の生き物を殺すことで所持者の命のストックを創るものだ。

 虫のような弱い生き物であれば何百万匹、別にやらないけど仮に人間であれば10人ほど殺せば僕は残機を獲得でき、死んでも生き返ることができるというぶっ壊れ装備。


 しかし硯である。なんでだ。


 生き物を殺す事で硯の窪みの所に液体が満ちていき、一定量を超えると結晶化しそれが僕の残機となるようだ。

 ちなみに左腕の入れ墨の中に戻してもその結晶は硯の外枠に埋め込まれて消えない仕様で、いくらでも創れてしまう。


 なんだかんだで試練での疑似的な死以外ではガチで死んだことないけど、あるのと無いのとではやっぱり安心感が違うよ。


「でももうレベルを上げる必要はないんですから、あまり活用する機会はなさそうですよね」

「だよね」


 ……もっと早い段階で手に入れたかったよなぁ~。

 【魔女が紡ぐ物語(クレイジーテラー)】のような危険な存在に遭遇しても、これがあれば最悪生き返れるからもっと思い切った行動がとれてたんだよ。


「あ、ですが先輩。国内外問わず、デメリットスキル所持者の育成依頼が来てますよね?」

「いや、そういうのはせめて高校を卒業してからにしたいよ」


 僕が[画面の向こう側]で引きこもっていればパーティーメンバーをパワーレベリングが出来てしまうのがいつの間にか知られていたせいで、そんな依頼が来るようになったのだ。

 おそらくソフィ達経由かな? あの時は知られても大した事ないだろうと思っていたから仕方ないか。


 デメリットスキルが今回の件で非常に活躍したからか、気持ちは分からなくもないけど。


 冒険者が大勢死んだにもかかわらず、それを蘇生させた[アイドル・女装]。

【魔王】すら隔離し、強力なバフとデバフを与える[ゲームシステム・エロゲ]。

 数多の【魔女が紡ぐ物語(クレイジーテラー)】さえ滅ぼす[ソシャゲ・無課金]。


 名前からは想像もつかない強力な能力が最終的に開花することから、各国が競うようにデメリットスキル所持者を育成し始めたのだ。

 元々矢沢さんの[アイドル・女装]の能力が周知されたことによって懐疑的ながらも水面下で行われていたことが、僕らの活躍によってデメリットスキルが()()()と確信され大々的に行われるようになったらしい。


 だからって人に依頼しないでコツコツと頑張ってくれない?

 もう【魔女が紡ぐ物語(クレイジーテラー)】に遭遇したり、“迷宮氾濫(デスパレード)”が起こる頻度は激減してるんだから、国のマウント合戦のために人を利用しないでほしい。


「【魔王】を倒してまだ6()日しか経っていないっていうのに行動が早すぎるよ」


 [ソシャゲ・無課金]のインターバルもまだ明けていないっていうのに。


「6日と言えば蒼汰のデメリットスキルもあと1日で復活しちゃうけど、課金はしなくていいの?」

「冬乃がそんな事を言うだなんて珍しいね」

「確かにいつもは止める側だけど、課金したさに頑張ってきたのを知ってるから無効になってる内に課金しなくていいのかしらって思うのよ」


 う~んでもそういう気分じゃないんだよなー。


 かつて感じていたガチャへの欲求がまだ薄いままなのだ。

 徐々に回復するらしいんだけど、本当に元に戻るのだろうか?

 ……特に支障ないからいいか。


「課金するなら今回頑張ってくれたアヤメ達のためにスキルに課金しておきたいけど、スキル自体が使用不能になってるからね」


 スキルが無効になる前に[放置農場]の中に戻ったので、もう6日も声すら聞いていない。

 そしてそれはあの場にいた魔女達も同じ。


 アヤメ達が時間を稼いだり、魔女達が手を貸してくれなかったら【魔王】を倒すことができなかったであろうことを思うと、課金して[放置農場]内の環境整備に使ってほしいと思うものの、だてにスキル[無課金]という名前だけあってインターバル中もそれを許さない。スキルが無効になってるんだから当たり前だけど。

 お金の力で安易に事をなそうとするなってことかな?


「ですが先輩。やはりここは後々後悔しない為に少し課金しておいた方がいいんじゃないですか?」

「乃亜の方からもそんな風に言うなんて」

「今まで先輩がどんな思いでレベルを上げようとしていたか見てきましたからね。とりあえず各ソシャゲに3万くらい課金しておけば後悔しないと思いますよ」

「多くない?」


 僕が今やってるソシャゲは5つあるから15万も使う事になるんだよ?


 課金しておけばいいと言ってきた乃亜に対しそう言ったら、全員が目を見開いて驚愕の表情を浮かべていた。


「い、いつもの様子であれば間違いなくほぼ際限なしに課金したがるでしょうに、多いなんて言うだなんて……!」

「10倍でも足りないとかとち狂ったことを言い出すはずなのに……!」

「何十億も稼いでるから問題ないと押し切ってきそうな蒼汰君が……!」

「……しかも本心から……!」

「多いとか絶対に口にしないはずなのに……!」

「蒼汰先輩がついに真人間に……!」


 全員驚きすぎでは?


 課金はほどほどに。

 ガチャだって自制心を発揮させて当たらない悔しさも楽しまないとね。




 END?







「いや、なんでだああああああああああ!!!!!!」


気に入っていただけたらブクマと☆の評価をお願いします。

次回真の最終話

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― 新着の感想 ―
昔から読んでるから次回最終話なの感慨深いものがある
なるほど これが賢者タイム
ものすごくシンプルに暴言になるけど、課金欲のないこいつとか気色わるい……誰だよこいつ… ってなるくらいには課金欲にまみれてたからなぁ
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