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ああ、課金してぇーー!!!~課金できないから現代ダンジョンでレベルを上げる~  作者: 甘井雨玉
14章

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27話 ラストアタック

 

 〔太郎坊兼光(ヘゲモニー オブ)天魔波旬(デーモンキング)〕と組み合わせる【典正装備】、それは〔穢れなき純白は(エナジードレイン )やがて漆黒に染まる(レスティテューション)〕。


 以前【Sくん】や【白虎】に使用したこともある組み合わせだ。


 その黒い紙が黒い光の粒子となって分散し、右手に持っている〔太郎坊兼光(ヘゲモニー オブ)天魔波旬(デーモンキング)〕である刀の鍔に収束して黒い刀身へと変化する。


  あとは効果範囲まで【魔王】に近づいてこの刀を振るうだけだ。

 咲夜が【魔王】の足を折ってくれたことで、機動力を失った【魔王】では逃げることはできない。


『ぷはっ、邪魔だ!』

『ガチャ~~!?』


 【魔王】にひっぺ剥がされたデフォルメの分身体は剥がされてしまったけれど問題はない。

 すでにこちらの準備は出来ており、あとは効果範囲にまで近づいて刀を振り下ろすだけ。


 座り込んでいる【魔王】は近づいてくる僕に気が付いたようで、すぐさま僕の()()付近を指さした。


『〝堕天使、召喚〟……!』


 僕にすぐ攻撃できそうな位置に現れる数百体の堕天使達。


 マズイ。


 あと少し近づくだけでよかったのに、このままじゃ堕天使達に攻撃されて移動を妨害される上に、押しつぶされて動けなくなってしまう。

 せめて堕天使達に攻撃されなければギリギリ間に合いそうなのに!


 ――チャリーン


 堕天使達が僕への攻撃をやめて、音のした方へと一斉に視線を向けた。


「邪魔は……させん!」


 リヴィが〔王からの支給品(50コイン)〕を投げて堕天使達の気を引いていた。


 コインを投げた方向に【魔女が紡ぐ物語(クレイジーテラー)】の気を一瞬引くことが出来るという【典正装備】で、【魔女が紡ぐ物語(クレイジーテラー)】にピンポイントで刺さる能力だけど、まさか呼び出した眷属にも有効だったとは。


「これなら、届く……!」


 僕は【魔王】に向かってヘッドスライディングでもするかのように飛び込むと、右手に持った刀を振るった。


 ―ーバキンッ


 刀の砕ける音とともに僕の頭上に大量の堕天使が降り注いだ。


「ぐふぇっ!!」


 肺の中の全ての空気は吐き出され、体中の骨は間違いなくバキバキに折られた。

 鎧を着ている堕天使がこの空間内のせいでさらに重量を増し、それが何人も僕に振り落ちてくるのだから当然だろう。

 あまりの衝撃と痛みに僕は気を失った。


 ◆


 ハッと目を覚ますと僕にのしかかっていた堕天使は消えており、視界には【魔王】が大量の木の根に突かれ絡みつかれている姿が映った。


「おおっ、生きてたか!?」

「もう人の形をしたミンチにしか見えなかったのに……」

「ゴキゴキと音を立てながら膨らんでいくのはかなりグロかったぞ」


 僕そんなに酷い状態だったの!?


 どうやら僕が気を失ったことにより、乃亜の[恋い慕うあなたを囲う(ハーレムエンド)]が解除されてしまったようで元の場所に戻ってきており、周囲には臨戦態勢で【魔王】を警戒している人々がそこにいた。


 乃亜達も近くで倒れており、ギリギリ気を失っていないだけでみんな青い顔をしている。

 回復スキルを持っている冒険者の人達がその乃亜達の傷を癒してくれているけど、体の傷は癒えていっても顔色は良くないのでもう戦えないだろう。


 もっとも、もう戦う必要はなさそうだ。


 〔穢れなき純白は(エナジードレイン )やがて漆黒に染まる(レスティテューション)〕による疑似〔典外回状〕により【魔王】は体が干からびていっており、もはや能力も行使できないのか〝堕天使召喚〟を使って木の根を破壊させるといった手段も取ろうとしないのだから。


 枯れ果てた様子の【魔王】はやがてその体が淡い光で発光しだすと、体が徐々に消えるように薄くなり、この場から消えてなくなった。


「……やった?」

「今度こそ倒せたのか?!」

「さ、さっきみたいに変身したり復活してきたりしないわよね?」


 周囲の人達がキョロキョロと辺りを見渡し、先ほどまで【魔王】がいた場所を何度も確認していた。


 いや、さすがにもう終わったでしょ……。

 これで復活パターンとか、もう戦えないから無理だよ。











 ――ピシッ


 【魔王】のいた空間に突如として亀裂が走った。


 勘弁してよ……。


 分かってた。

 【典正装備】が入ってる宝箱が出てこない時点でまだ終わっていないのだろうと。


 でも一縷の望みをかけて宝箱がまだ出てきていないだけか、もしくは僕らの気づかない所で出現したのかもしれないと思っていた。


 だけど現実は無情にも()があることを突きつけてきた。


 空間に入った亀裂が徐々に大きくなる。

 亀裂の中は漆黒に染まっており、そこには一見何もないように見えるけど、確実に何かいる気配を感じる。


「う、うわあああっ!?」

「撃て、撃ちまくれ!」

「アレが出てくる前に殺すぞ!」


 僕ですら分かるほどの得体のしれない何か。

 その恐怖心に耐えられず、近くにいた人達はその亀裂に向けて一斉に攻撃を開始した。


 あらゆるスキルや魔道具、果ては【典正装備】まで使って行われた攻撃により、周囲は激しい戦闘音に包まれた。

 だけどそれは長くは続かず、疲労やインターバルによって徐々に攻撃の手は止まり、完全に音が止んだその時だった。


 ――バギンッ


 甲高い音がしたと同時に、亀裂からゆっくりと現れたソレ。

 最初の【魔王】並みのサイズの真っ黒な不定形の何かが蠢きながら宙に浮いていた。


あれ? 予約中の話がない、と思ってたら26話の投稿する日を間違えていたという……。

スゥー、間違えたものは仕方ない!(開き直り)


気に入っていただけたらブクマと☆の評価をお願いします。


カクヨム様にて先行で投稿しています。

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― 新着の感想 ―
仕方ないですね(*´∀`*) やはりあったか最終形態(おかわり) まったくRPGのお約束を守ってくれる魔王様だぜい
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