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ああ、課金してぇーー!!!~課金できないから現代ダンジョンでレベルを上げる~  作者: 甘井雨玉
14章

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26話 咄嗟に投げれる物

 

「げほっ、ごほっ! ぐっ、乃亜、咲夜達のパーティーに入って。咲夜はその後に[全体治癒]を!」


 〝波乱せし終生〟によるダメージにより、僕以外倒れてしまっている。


 この状況で【魔王】と対峙するのに一番重要な人物はオルガだけど、すでにパーティーは【典正装備】を何度でも使えるようにするために〖僕、乃亜、冬乃、リヴィ〗と〖咲夜、オルガ、ソフィ〗で分かれていたので問題ない。

 ならこの空間が維持できるよう乃亜を回復させておいた方がいい。

 僕がやられればこの空間は解除されるけど、この空間の創造者である乃亜がやられても当然この空間は解けてしまうのだから。


「はぁはぁ、〔終わりを(エクスカリバー)知らぬ伝説(スカバード)〕!」


 まともに動ける者がいない中、リヴィは自身の持つ回復手段ですぐに復活して【魔王】へと攻撃をしかけ牽制し始めた。

 今は【魔王】も〝波乱せし終生〟によるダメージがあるし、先ほどまで蓄積されたダメージもあってリヴィ1人でも【魔王】の相手が出来ている。


 リヴィが牽制してくれているため、こちらに攻撃が向く事がないので僕は安心して冬乃に近づけた。


「ごめん、冬乃。僕らはエリクサーで回復を」

「あ、ありがとう……」


 [画面の向こう側]をすでに解除している僕は、すぐに冬乃に取り出したエリクサーを飲ませる。


 2本しかなく、体力回復効果はなくても欠損すら回復させられるエリクサーだけど仕方ない。

 咲夜の[全体治癒]はこれで3回全部使ってしまったし、僕の〔穢れなき純白は(エナジードレイン )やがて漆黒に染まる(レスティテューション)〕も使い切ってしまったからね。


 ポーションでもいいのならそっちを使ったけれど、正直ポーションじゃ治りは遅いしそこまで回復力は無いから重傷だと完全には癒せないんだよ。

 とはいえ、僕はともかく〝波乱せし終生〟を受けた冬乃も戦闘に参加できるようになったね。


 でも【魔王】はすでにボロボロだし残ったメンバーだけでも行けたかも――


『〝波乱せし終生〟』

「なっ?! がはっ!」


 こんな短い間隔でまた〝波乱せし終生〟を使ってきた?!


 オルガ達が回復した直後にまた〝波乱せし終生〟を使用された。

 さっきまでならオルガがそれを察知して防いでくれていたけど、今度はオルガが復活して邪魔してくる前に使用してきたのか。


 危ないところだった。

 エリクサーを使って瞬時に冬乃を回復させていなかったら冬乃が下手すれば死んでいたかもしれないのだから。


 ただ、エリクサーや咲夜の[全体治癒]でせっかく回復したというのに、僕を除いた全員がまた倒れてしまうことになってしまったのはかなり厳しい。

 もっとも【魔王】も膝をついて息も絶え絶えな様子なので、相当のリスクを負って〝波乱せし終生〟を短いスパンで使用した模様。


 そのせいでもう動けるのが〔終わりを(エクスカリバー)知らぬ伝説(スカバード)〕で回復できるリヴィと、なんとか〝波乱せし終生〟のダメージを血を吐く程度で抑えられてる僕くらい。そのはずだった。


「はぁはぁ、くっ、やってくれるな……」

「大丈夫リヴィ?」


 あれ?

 〔終わりを(エクスカリバー)知らぬ伝説(スカバード)〕で回復したはずのリヴィがかなり辛そうだ。

 顏色は青くなっていて、今にも倒れてしまいそうな様子。


 体は治っているはずなのに、ってそういう事か。

 〔終わりを(エクスカリバー)知らぬ伝説(スカバード)〕は自身のあらゆる病気や怪我を癒すことができるけど、それはあくまで肉体だけ。

 元々〝波乱せし終生〟によるダメージが誰よりも大きかったリヴィは、魂にまで影響するこの能力によるダメージが、はた目から見ても分かるほど魂に残ってしまっているのか。


「うっ……」


 ダメだ。リヴィも他のみんなと同様これ以上動けそうにない。


『はあはあっ……』


 もっともそれは【魔王】も同じで、ペタンと地面に座り込んでおり肉弾戦なんてとてもじゃないけど出来そうにない様子だ。


『だ、〝堕天――』


 だけど【魔王】はあんなにもボロボロになってもこちらを殲滅するまで戦うつもりなようで、プルプルと震える腕を空に伸ばして〝堕天使召喚〟を行おうとしていた。


 さすがにそれはマズい。

 もうみんなまともに戦えない状態だ。

 [Now Loading]はさっき使ったせいでインターバルがあって使えない。

 とにかく何でもいいから何とかしないと。


 慌てて[画面の向こう側]を解除して這い出た僕は、咄嗟に意思1つで呼び出せるアレを手元に召喚し、【魔王】目掛けて投げつけた。


『――使召、うぶっ!?』

『ガチャー!』


 って、思わず僕をデフォルメした分身体で叫んでしまった。


 僕が所持するもので咄嗟に投げれる物が〔似ても似つかぬ(ディフォームド)影法師(セルフ)〕だったから思わず投げてたよ。

 スキルのスマホを操作して日用品召喚なんてしてる暇なかったし仕方ない。


 何より〔似ても似つかぬ(ディフォームド)影法師(セルフ)〕なら遠隔操作で顔にへばりつかせられるから、ある程度時間を稼げる。


『んーーー!!』


 【魔王】が〔似ても似つかぬ(ディフォームド)影法師(セルフ)〕をひっぺ剥がす間にどうするか瞬時に決めないと。


 乃亜にこの空間を解除してもらって外の人達と協力するか、唯一〝波乱せし終生〟への耐性があってまだ動ける僕がこの場でなんとかするか。

 うん、後者だな。


「真髄を見せろ、〔太郎坊兼光(ヘゲモニー オブ)天魔波旬(デーモンキング)〕」


 【魔王】はボロボロだけど外に出れば様々な能力が使える上に、もたもたしてたら[メンテナンス]が明けて強化された〝天より落ちし明けの明星〟で何百、何千もの人間死んでもおかしくない。


 ならたとえオーバーキルになろうとも、今すぐにここで仕留めるしかないよね。


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カクヨム様にて先行で投稿しています。

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― 新着の感想 ―
ここで!ここでついに? 熱きどきどきギリギリ展開!!!
なんだかんだでカッコイイ所を持って行くよな!頑張れ主人公!
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