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ああ、課金してぇーー!!!~課金できないから現代ダンジョンでレベルを上げる~  作者: 甘井雨玉
14章

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2話 なんということでしょう?!

 

 【魔王】が与えた猶予は3カ月。

 11月8日に宣戦布告されたから2月8日までは【魔王】が手出ししてくることはなかったはずなのに、何故ダンジョンから出てきているんだ!?

 しかもクロとシロの時のように人に危害を加えないという条件でただ出て来るだけならできたかもしれないけど、【魔王】は建物や人に対して攻撃を仕掛けており、目に付くもの全てを破壊しているという話だ。

 今はまだ1月26日で2週間くらいあるのにどういうことなんだろか?


 一体何故、という疑問を解決したのはスキルのスマホの中にいる魔女達だった。


『制約を破るだなんて自殺行為でしょうに。やっぱりビディが〝怒り〟を消化できなくなったせいで理性が保てなくなったせいでしょうね』


 エバノラは真剣そうな声でそう言うけど、ソファーで寝そべりながらエロ本片手に言われても頭に入ってこないんだよ。


 【魔王】の出現した場所、イギリスへと再び移動している間に少しでも情報が得られないかと思い、[放置農業]にいつの間にか居座り始めた魔女達に話を聞くことにした。

 そしたら滅茶苦茶リラックス状態の魔女達が好き勝手行動しているのだから、もうホント何してんだよって言いたい。


「そのソファーとかベッドはどこから持ってきたんだよ」

『クシシシ、決まってるじゃない。[フレンドガチャ]の景品よ』

『キシシシ、さすがに家はなかったから早くもう一つ家が欲しいわね』


 マリとイザベルは何でもないとでも言うかのように言うけど、どうやって僕が手に入れたガチャアイテムを僕が知らぬ間に取り出せたんだよ。しかも[放置農業]の中に。


『フヒッ、わたし達をこの中に平然と住まわせてるあなたが悪いわ。

 スキルは人の魂と密接な関係にあるのだから、魂そのものでありダンジョンを操作していたことのあるわたし達が、魂をちょっといじってスキルを変質させるくらい訳ない事よ』

「今さらっと恐ろしい事言ったな」


 勝手に住み着いたのそっちだし、追い出そうという気は特になかったけど、その手段も分からないのに僕が悪いとか言われるのは甚だ遺憾だ。

 それに家主に許可取らずに勝手に改造するとかヤバすぎんか。


「アヤメ達は何でこんな好き勝手されてるのに何も言ってくれなかったの?」


 魔女達だけが[放置農業]の中にいたのならどうしようもないけど、同じ空間内にいるアヤメ達なら気付いた時に僕に報告しに外に出て来ることだってできたはず。

 そんな思いを込めてジト目で[放置農業]の中にいる3人を見ると、少し肩身の狭そうな様子を見せながらようやく口を開く。


『だ、だって……』

「だって?」

『本来課金でしか手に入らない家具とかが手に入るようになるのですから仕方ないのですよ!』

「逆ギレかよ」


 魂勝手にいじくり回された身としては頷き難いことなんだけど!?


 まあでも[フレンドガチャ]で済むのなら課金してまで手に入れたい物が少なくなるだろうから、その点に関してはありがたいと言える、か?

 いや、でも今後もこうしていじくられる可能性があると思うと普通に怖いな。

 そりゃ魔女達を手元で保護することが〖 (; ゜ ロ゜)ユ!( ; ロ゜)゜ ウ!!( ; ロ)゜ ゜シャー!!! 〗判定になって高ポイントになるわけだ。ようやく納得。


『ん』

『びーちゃんがこれ食べて落ち着けって。ボクにも食べさせて~』


 スキルのスマホからニュッと出て来たのは、【(バク)】の試練で出て来た見覚えのある料理だった。これはビーフストロガノフって言うんだっけ?


 ローリーは相変わらずだらけながらビディに食べさせてもらっており、その表情はすごく満足気で料理自体もかなりおいしそうだった。

 自分の手元にあるこれから漂って来る匂いも凄く食欲がそそられるものだ。


「でも試練でもないのに何であの時と似た料理がここに?」

『ん』


 いや『ん』って言われても怠けきってるローリーが翻訳してくれないと何も伝わってこないのだけど……。


 そう思っていたらビディの試練でよく出ていたお馴染みの看板が、ビディ達の横に出現した。


 ―――――――――――


 あの時のは全部ワタシが作った料理のコピーだから材料さえあれば作れる


 ―――――――――――


「嘘でしょ!?」


 食べた人間が夢中になってしまい、100皿でいいはずなのに延々と食べ続ける人間まで続出したあの料理が、まさか【魔女が紡ぐ物語(クレイジーテラー)】の力で生み出したものではないとは思いもよらなかった。

 いやコピーだから使ってないわけではないんだけど、味自体は自力で作りあげてるのだから凄いとしか言えない。


『この場所が魔改造されてることとか、ビディの料理の腕とか色々言いたいことはあるでしょうけど、【魔王】になったアグネスについて何か私達に聞きたいことがあったんじゃないのかしら?』

「あ、そうだった」


 エバノラに言われてそれを思い出した。

 ついつい別の事が気になって仕方なかったけど、肝心の聞きたいことは【魔王】についてだった。


「それでさっき制約がなんとかって言ってたけどどういう事?」

『アグネスは3カ月の猶予を与えるという制約で、他のダンジョンを支配するのにかかるリソースを減らしたりとかしていたみたいなのだけど、制約はあくまでも自分自身にかけた呪いの様なもの。

 3カ月を待たずに行動を起こそうとすれば肉体にも魂にも並々ならぬダメージを負う事にはなるけど、制約を無視する事が出来るのよ』


 いくらダメージを負うからってそんなの反則じゃないか。


『普通はそんな事すれば自壊するのは間違いないのだけど、残り2週間程度であった事に加えて、全てのダンジョンを支配しダンジョン入口に集まった魔物を倒されたことで、リソースを大量に獲得できたこと、そして魔物は出てこないという条件で可能になったのでしょうね』


 “憤怒”の影響によるものが故意か偶然かは分からないけど、ダンジョンの入口に魔物達が集まったことでそんな結果になるだなんて誰が予想できるんだ。


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カクヨム様にて先行で投稿しています。

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― 新着の感想 ―
一応は弱体化?してるようだけど憤怒だからなぁ なんだか自分にダメージがある程攻撃力が高くなるとかそんなのでアドバンテージにしかならなかったり、、、
> 魂をちょっといじってスキルを変質させるくらい訳ない事よ 課金制限解除できるか…?
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