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ああ、課金してぇーー!!!~課金できないから現代ダンジョンでレベルを上げる~  作者: 甘井雨玉
14章

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プロローグ

 

≪蒼汰SIDE≫


 ついに全ての【四天王】を倒し、あとは【魔王】を倒せば各地のダンジョンで迷宮氾濫(デスパレード)を起こされる心配はなくなるというところまできた。


 もっとも、最後の【四天王】を倒した際に僕は2つも〔典外回状〕を使ってしまったせいで、1週間寝ていたためにその間世界がどう動いたのかは把握できていない。

 どの道起きたばかりで検査したりするために病室で寝て待機しているだけなので、まずは情報収集するのがいいだろう。

 僕は昨日に引き続いてお見舞いに来ていた乃亜達3人に顔を向ける。


「という訳で、今どんな感じ?」

「先輩、ちょっとざっくりとしすぎて何が聞きたいのか分かりません」

「寝てる間に他の冒険者の人達がどう動いたかと、何か変わった事が起きたかどうかが知りたいかな」


 困った様子の乃亜を見て、とりあえずこの2点で何かないか聞く事にした。


「そうですね~。他の冒険者の方達ですが大半はダンジョン前で魔物を狩り続けていますよ」

「え、もう迷宮氾濫(デスパレード)起きてるの?!」

「違うわよ。ダンジョンから魔物は出てきていないわ。ただしどのダンジョンの入口付近にも大量に魔物が集まっていて、いつ迷宮氾濫(デスパレード)が起きてもおかしくない状況だけど」


 冬乃が眉をひそめながらそんな奇妙な事を言うので僕は困惑してしまう。


「入口に大量に魔物がいるのに迷宮氾濫(デスパレード)、というか外に出てこないの?」

「うん、そうみたい。ダンジョンの入口に魔物だけ通さない見えない壁でもあるかのように、その壁を一心不乱に攻撃しているみたいだ、よ」


 咲夜はあまり深刻ではなさそうなトーンで言うけど、それかなりの異常事態だよね。


「ちなみにここにいないソフィ先輩達は近くのダンジョンで魔物の間引きを行っています。

 先輩が無事起きて安心できたので、ソフィ先輩は自国のために少しでも魔物を倒しておこうと動きました。

 それに合わせてオリヴィアさんは丁度いいからとレベルを上げるために着いて行き、オルガ先輩は2人が無茶しないか見守るために一緒に行きました」


 ああ、だからあの3人は今日はいないのか。

 それにしても魔物のその異常行動と暴走具合が明らかに“暴食”の魔女の影響だろうなぁ。

 3カ月の猶予、というか制約でその期間は人類に手出しできないみたいだから、それが“憤怒”の魔女の影響を受けている魔物にも有効のようだ。


 お陰で各地でいきなり迷宮氾濫(デスパレード)が起きて、にっちもさっちもいかなくなって文明崩壊レベルで世界が壊されるという事になってなくて良かったけど、それも時間の問題か。

 さすがに文明崩壊だけは阻止しないとガチャが出来なくなってしまうので何とかしないと。(使命感)

 ところで他の冒険者は魔物を倒してるだけなんだろうか?


「【魔王】はどうなったの? 他の冒険者が挑んだりしてないの?」

「それに関しては先輩が期限までに起きるかどうかのギリギリまで待っていた、という感じですね」

「なんで?」


 いやホントなんで?


 待たなくても挑めばよくないかな?

 そもそも僕に出来ることなんて仲間の援護くらいなもので、他の人関係ないよね?


「本気で言ってますか? 先輩の右手の紋章が今どうなってると思ってるんですか」


 乃亜に言われ右手を改めて見ると、そこには燦燦と輝く()()の紋章。


「……金よりも上があったんだね」

「さすがにそれを持つ先輩を置いて【魔王】討伐へと動くことはないですよ。

 戦力を小出しにして各個撃破されるなんて笑い話にもなりませんから、行くなら全員で挑むのは当たり前でしょう」

「でも誰かしら偵察に行っててもいいんじゃないかな?」

「どのダンジョンからでも【魔王】に挑むことはできますが、今ダンジョンは魔物達が暴走してるんですよ?

 そんな中をただの偵察目的で行きたがる人なんていませんよ。ダンジョンから帰還することも考えると普通に死ぬ可能性の方が高いです」


 人類が危機的状況になっていたとしても率先して動ける人間はそうはいない。

 誰だって自分の命が惜しいし、ダンジョン前で魔物を間引くという大義名分まであったら偵察なんて行きたくもないか。


「矢沢さんの力を使えば死んでも生き返れるけど、【魔王】の偵察をする人を生き返らせようと思ったらダンジョン内にいないといけないから無理ね。

 今のダンジョンは危険すぎて、1人しかいない死者蘇生能力者をそんな場所に連れていけないもの」

「低ランクのダンジョンに行って護衛してもらうって手もあるけど、低ランクダンジョンですら油断できないから厳しい、ね。

 そういう場所に限って【魔女が紡ぐ物語(クレイジーテラー)】が現れて冒険者達に襲い掛かってるみたい」


 聞けば聞くほどヤバイ状況だ。

 今のダンジョンの現状を聞く限り、有力な冒険者達は各地のダンジョンへと赴いて魔物を間引く作業をして少しでも迷宮氾濫(デスパレード)が起きた時の被害が減るようにしているみたいだけど、それも焼け石に水な感じ。


 やっぱり元凶である【魔王】を倒すしかなく、少しでも勝率を上げるためにリミットギリギリまで虹色の紋章を持つ僕が起きるのを待っていたということか。


 ……ほぼ強制的に参加が決定してる!!?


 まだ誰にも【魔王】討伐に参戦して欲しいと言われていないけれど、起きるの待ってたって、つまりそう言う事じゃないか!!


気に入っていただけたらブクマと☆の評価をお願いします。


カクヨム様にて先行で投稿しています。

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― 新着の感想 ―
まってました! やったね! 最後の魔女をちゃんとワカラセにいけるって(*´∀`*)あれ?
むしろなんで行かないで良いと思ってたのか
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