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ああ、課金してぇーー!!!~課金できないから現代ダンジョンでレベルを上げる~  作者: 甘井雨玉
13章

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21話 罠だと警戒させる罠

 

 早速シロとクロを呼んだ僕は、再び2人に100皿完食してもらった後、すぐさま駄々をこねる2人を引きずりながら第二の試練、死に覚えゲーの迷宮へと移動した。


『主よ。我らの扱いが雑ではないか?』

『食べる皿まで指定される上に、キッチリ50皿ずつで区切ってしまうのもあんまりだと思うのじゃ』

「どうせ何度も挑戦して嫌でも食べるんだからいいじゃん。僕は1口も食べられないんだよ?」


 他の人達は暴食チャレンジなのに、1人だけ飯テロチャレンジになってるんだから、無駄に人の食事風景を見ている気にはなれないんだよ。


 早急に終わらせるために、〝鍵〟が出る大皿をあえて無視して一口サイズの料理の皿のみを食べさせたのだ。


 正直〝鍵〟の入手に関しては悩みもした。

 結局最初の時は〝鍵〟を使う間もなく死んでしまったけど、いざ〝鍵〟が使えるタイミングの時に〝鍵〟を持っていないと困るし、その機会を逃すと次がない可能性もある。


 けれど死に覚えゲーだと分かっている以上、〝鍵〟を使う場所が変わることはおそらくないので、〝鍵〟はスルーして一口サイズの料理だけを食べてもらう事で時短を狙ったのだ。


 大皿を食べるのは多少とはいえ時間がかかるし、必ずしも出る訳ではないから何皿も食べる必要がある。

 そして手に入れたところで使う間もなく死んでしまえば意味はないのだから、やはり使う場所が分かるまでスルーが一番だ。


「さて、またこの迷宮なわけだけど、まず正面の扉はスルーして右側か」

『主が進んで行ったら、透明な何かに頭をぶつけたという話だったか?』

「そうだね。だからあそこは屈んで行くのが正解だと思う」

『こういう姑息な罠ばかりの試練は面白くないの』

『同感だ。もっと敵とガンガン戦える試練が良かったな』

「2人ほどじゃないけど、罠ばかりよりは多少敵がいてくれる方がマシだと思うよ」


 罠が多すぎてまともに進めていないのだから、戦わないといけない状況の方がまだ前に進める気がするよね。


『では前回と同じように我がまず先に進もう。今度は罠を回避してくれる!』

『そうだの。妾もあのような間抜けな死に方はもうゴメンだの』


 T字路を右折した僕らは、クロ、シロ、僕の順に並んで早速木の扉を開けて進んで行く。


『主よ。あの辺りに透明な何かがあったのだな?』

「そうだね。頭に当たっただけだから、空中に何かが存在してるんだと思う」

『うむ、承知した』


 クロがまず先に進んで行く。

 中腰の姿勢で慎重に進んでいるが、特段何かが起こる気配はなさそうだ。


「多分僕が頭をぶつけた所は通りすぎてると思うんだけど、何か頭上にありそう?」

『いや、ないな。もう立ち上がっても良さそうだ』


 すくっとクロが立ち上がるけど、特に何も起こらなかった。

 どうやら僕が引っかかった罠は無事潜り抜けたようだ。


『ん? なんだあれは?』

「どうしたの?」

『いや、近くにある台の上に赤いボタンが露骨に置いてあるのだ』

「『罠だろ』」


 僕とシロは反射でそう口にしていた。

 今まで散々罠があったというのに、それが罠じゃない理由が分からない。


 僕とシロは慎重に身をかがめながらクロのいる場所へと辿り着くと、クロの言っていた台が見えた。


「どうする? とりあえず無視して先に進む?」

『まぁそれしかないだろう。あれを押したところで、どうせまた死ぬ未来しか見えないしな』


 クロはそう言ってボタンを素通りして、通路を進んでいき――



 バラバラになって死んだ。



「『クロ!?』」


 悲鳴すら上げる間もなくバラバラになったクロは、おそらく自身がどうやって死んだのか分からなかったんじゃないだろうか。

 だけどそれを見ていた僕らはハッキリと分かった。


「一瞬で通路いっぱいにレーザーは反則じゃないの?」

『あんなもの、躱すのは不可能であろう……』


 つまりこのまま進めば死ぬというのは間違いなく、自力での対処は不可能だということ。

 つまり――


「罠だと思っていたボタンが解除ボタン、なのかな?」

『おそらく、の。罠だと警戒するのが罠だとは酷いものじゃ』


 シロはそう言いながらボタンのある台へと慎重に近づいていく。


『これを押せば罠が解除されると思っていいのじゃろうか?』

「見る限り、それ以外は何もなさそうだし、押すしかないよね」

『であるの。じゃがもしかしたら罠かもしれぬし、念のため押したらすぐに逃げようかの。主様は離れておれよ』


 シロはボタンを押し、素早くこちらへと移動してきた。


 ――シャキンッ


『ぬおっ!? 危ないところであった……』

「ボタンを押した後、少しだけ逃げる猶予を与えてから罠が出て来るやつか~」


 シロの想定通り罠があり、ボタンを押していつまでもそこにいたら、床から突き出た剣に突き殺される仕掛けだったようだ。


『意地の悪い仕掛けだが、躱してしまえば問題はないの。これで先に進んでも問題はないはずじゃが……』


 シロはそう言ってゴクリと喉を鳴らす。

 先ほどクロがバラバラになった通路を進むというのは、思わずつばを飲み込んでしまうほど緊張してもおかしくはない。


『よし、行くぞ。主様は後から付いて来てほしい』

「わかった」


 シロは慎重にクロが殺された通路を通るが、クロのように死ぬことなく無事にそこを通過した。


風邪、というか十中八九コロナになりました。

38.8の熱とかいつぶりだろ・・・

今週は頭痛くて書けませんでした。申し訳ない

とりあえず、復活したらすぐに続きを書こうと思います


気に入っていただけたらブクマと☆の評価をお願いします。


カクヨム様にて先行で投稿しています。

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― 新着の感想 ―
[一言] とりあえず重症回避? でもお気をつけを お大事になさってくださいぃ
[良い点] クロちゃんはやられ要員 しってるww
[一言] お大事に。 私も先週末発熱しましたが、幸い陰性でした。 コロナは職種によっては色々制限かかるので、いまだにめんどくさいんですよねぇ。
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