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ああ、課金してぇーー!!!~課金できないから現代ダンジョンでレベルを上げる~  作者: 甘井雨玉
13章

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9話 アヤメ達親子と

 

 アメリカが用意していた宿泊施設の部屋で僕はアヤメ達親子といた。


 乃亜達が一緒の部屋で寝ようと言ってきたが、色々と問題があるので別の部屋にしてもらってる。


『なんでわざわざ別の部屋にしたのです? ご主人さま達の関係を考えると一緒の部屋でも問題なくないのです?』

「いや問題あるよアヤメ。さすがにオリヴィアさんもいるのに、一緒の部屋は不味くない?」


 乃亜達は好意を示してくれたけど、オリヴィアさんは僕に対してそこまでの感情はないはずだ。

 そんなオリヴィアさんと同じ部屋で寝泊まりするのはダンジョン内とかでもないのだからどうかと思うし、向こうも気まずいのではないだろうか?


 じゃあオリヴィアさんは別の部屋で、というのもそれはそれで1人除け者にしているようだから無しだ。


 僕はアヤメ達が付いてくるから一応1人ではないし、そもそも1人暮らしだから慣れてるので問題はない。


『ヘタレなのです』

「全力で配慮した結果なんだよ」


 さすがにヘタレ呼ばわりは酷くない?


『何が配慮した結果なのですか。オリヴィアさんを言い訳にしてますけど、【魔王】が現れる以前から手を出していないご主人さまをヘタレと言わずに何と呼べばいいのです?』

「さすがにまだ学生の身で責任も取れないのに、万が一があったらマズイでしょ」

『何十億と稼いでる人間が責任取れなかったら、この世の大半の人間はセッ〇スしたらダメなのですよ』

「発言がストレート過ぎる」


 まだ生まれて1年も経っていない存在がそんな事言わないで欲しい。


『何をそんなに日和ってるのです? ぶっちゃけ時間の問題な気もするのですが……。ご主人さま達の関係で未だに深い仲になっていないのがおかしいのですよ』


 そうは言うけどね……。

 生涯独身で終わるだろうと思っていたし、ある時点までほとんど女子と関わってこなかったにもかかわらず、この数カ月でいきなり複数の女の子と付き合い始めた人間だぞ。

 ぶっちゃけ、今までガチャに明け暮れていたのに女の子とそんな関係になる自分が想像できないというか、どういう過程を経てそこに至るのかが全く分からないというのがある。

 しかも一対一でないのだから余計にだ。


 その上乃亜や僕のデメリットスキルの関係やお金を稼ぐ目的もあって、ほとんどダンジョンに行ってデートらしいデートなんてほとんどしていないのに、いきなり肉体関係になるのはどうなんだろうか?


 乃亜のデメリットスキルで色々あったあれこれは考えないものとする。

 あれはスキルの効果であり不可抗力だからだ。


 そんな事を言ったらアヤメが目を細めて呆れた表情で僕を見てきた。


『クソドヘタレ、なのです』

「ひでぇ……」


 アヤメにフルボッコにされて満身創痍の僕。

 長々と語ったのにヘタレの一言で終わらせないでよ……。


『まあ待つのだ娘よ。ここは我に任せるのだ』

『あ、パパ。初めてパパが頼もしく思えたのです!』

『我、そんなに普段頼りない……?』


 突如として現れたのは黒い球体、クロだった。


 アヤメの発言に若干凹みながらも僕へと近づいて来るのだけど、一体何を……?


『主よ』

「な、何?」

『難しい事はとりあえず抱いてから考えればよい』

「ハウス」

『何故に!?』


 クソの役にも立たない事を言い始めたので、引っ掴んでスマホの中へと戻そうとしたけれど、抵抗して戻ろうとしなかった。


『お、落ち着くのだ主よ。これは真理であるぞ!』

「真理~?」


 そんな頭の悪いチンパンジーみたいなのが真理とか嫌なんだけど、とりあえずどういう事か聞くだけ聞こうか。


『うむ。主は女達に対して遠慮しておるのであろう? 自身の欲望のはけ口にする事に引き目を感じておるのであろう?』

「言い方をもっと考えてくれない?」


 ニュアンスとしては間違っていないけどさ。


『だがそれは相手を大事にすることではなく、むしろ手を出さないことで向こうは愛情を感じられぬのだ。

 嫌なら向こうから拒否してくるのだから、深い事は考えずに誘ってみればよい。

 男と女は体を重ねることで互いに愛情を感じ――』

『子供の前で何を言っておるのだ馬鹿者がーー!!』

『ぐほっ!?』


 スマホから飛び出してきたシロがクロに向かって体当たりをかまし、クロは吹き飛んで壁に衝突してどこかに跳ね飛ばされていった。


『せめてアヤメを家に戻してからにせぬか!』

『別にワタシは今更だから気にしないのですよ?』

『悪影響になる事は親として避けるべきだという話じゃ。ほれ、今更じゃがもう夜も更けておるのじゃし、アヤメは戻って寝ているとよい』

『残念なのです~』


 アヤメは渋々とだけど僕のスマホの中へと戻っていった。


『さて主様よ。そこの馬鹿の言うことじゃが、あながち間違いではない。

 妾が言えることは触れぬ事が大事にするという事ではない、ということを心掛けておくがよいぞ』


 シロはそう言うとどこかに転がっていたクロを回収して、スマホの中へと戻っていった。


 言わんとすることは分かるのだけどね。


「これがガチャの話なら難しい事でもなんでもないのになぁ」


 人との関係、ましてや異性との関係を難しく考えるなという方が難しいよ。


「触れぬ事が大事にするという事ではない、か」


 考えないという事は無理でも、せめてそれだけは念頭に置いておくことにしよう。


気に入っていただけたらブクマと☆の評価をお願いします。


カクヨム様にて先行で投稿しています。

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― 新着の感想 ―
[一言] ち!またさきおくりか このヘタレ蒼汰め だからお前は文房具なんだよ(なんの関係もなし)
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