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ああ、課金してぇーー!!!~課金できないから現代ダンジョンでレベルを上げる~  作者: 甘井雨玉
13章

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6話 オルガと初めて

 

 大量に生えていた果物がなくなったことで、【玄武】へと近づくことが出来た冒険者達の攻撃は激しかった。


「うわっ、凄いわね。剣や槍で何でテレビで見る様な岩盤を掘削するような音が出るのよ」


 僕の近くにいた冬乃が、周囲の冒険者達の攻撃を見て驚いていた。


 その気持ちは分かるけど、よくよく考えると僕らよりも凄いのは当然だろう。

 なにせ僕らのレベルはここに召集された冒険者達の中ではレベルは低い方、むしろ断トツで低いと言ってもいいレベルだ。


 そのレベル差を覆せてるのが、自分で言うのもなんだけど支援特化の僕のデメリットスキルと各々の強力なスキルと【典正装備】のお陰なだけで、本来であればこの場に居られることはなかったはずだ。


『世界に恥を晒し続ける私の歌を聞けーーー!!』


 もはや色々なものを投げ捨てている矢沢さんのような特殊なスキル持ちと違い、絶対にこの場に必要かと言われると首を傾げざるを得ないいのだけど、そこはやはり右手にある金の紋章のせいだろう。


 これは【魔王】や【四天王】に特効効果があり、支援系であっても支援した相手にある程度反映されるからね。


「それでは先輩。強化をお願いします」

「僕のスキルで出来ることは十分やったんだけどなぁ」

「わたしのスキルがまだ残ってますよ?」


 分かってるよ乃亜。

 でも人前で、しかも真剣に戦っている人達が見える範囲でいるにもかかわらず、()()をするのが気恥ずかしいというか、どうなんだろうと思うだけだ。


「では[強性増幅ver.2]お願いしますね」


 [強性増幅ver.2]という、まさに乃亜の[ゲームシステム・エロゲ]の派生スキルの中ではその名に恥じず、恥ずかしさしかないスキルだ。

 なんせ強く性を感じる行動をすることで、その度合いに応じて力を増幅させるとか効果がふざけている。

 それに加え僕に好意を持っている人にも効果が及ぶのだから、もうそれなんてエロゲ状態である。


「……ちょっと待った」

「どうしましたかオルガ先輩?」

「……ボク、まだ蒼汰とキスしたことないから先にさせて欲しい」


 確かにオルガとはしたことなかったか。

 イギリスに行った時は別々に行動していたし、【青龍】の時は全裸で抱き合うことで強化されていたんだよね。


 ……初めてなのに雰囲気もへったくれもないこんな場所でいいの?


「……情緒がない場所で裸で抱き合ったのに今更」


 それは確かに。


 いつものようにオルガに心を読まれていると、乃亜はオルガからの要望に対し頷いていた。


「あ、そういう事でしたら先にどうぞ。皆さんもいいですよね?」


 乃亜が全員に視線を向けると、オリヴィアさん以外は首を縦に振る。


「わ、私には関係ない話だから先に行くぞ!」


 顔を赤くしたオリヴィアさんは他の冒険者達のように【玄武】へと向かってしまった。


「オリヴィアさんも強化していった方がいいと思うんですが……」

「……今のオリヴィアならそこそこ強化されそうだけど、行ってしまったのなら仕方ない。それよりも早く、しよ」


 そう言いながら初級チャイナ服を着ているオルガが雰囲気を出して抱き着いてきた。

 恰好がチャイナ服なだけあって、いつもとは違う恰好に少しドキッとしてしまう。


「……そう感じてくれたのなら嬉しい。それじゃあお願い」

「分かったよ」


 ただそれはそれとして、いつから僕は人前でキスすることに躊躇がなくなってきたのだろうか。

 いや、さすがにこういった場面限定だと思いたい。


 頭に過ぎった不穏な思考を追い出し、僕はオルガを抱きしめ返し、目を瞑って顔をこちらに向けているオルガの唇に自分の唇をそっと重ねた。


「……んっ」


 軽く触れるだけのキス――からの舌を入れて絡め合うディープキスまでの移行が早かった。

 普段ダンジョンでのレベル上げとかばかりで、オルガが好意を示してきた時以降こういう機会がなかったからか積極的に攻めてくる。


 いや、あの、もういいんじゃないですかね?!


 今までの経験からもう充分強化されてると僕が思ったので、心が読めてるから伝わっているはずなのにオルガが中々離れず、いつの間にか僕の首にオルガの腕を回していて離そうとしなかった。


「……ふぅ、悪くない。もっと普段からしたい」


 ようやく唇を離したオルガが、チロリと舌で自身の唇を舐めながら笑っていた。

 その姿に不覚にも先ほど以上にドキッとしてしまう。


 さすがにそういう事を言われるとなんだか恥ずかしくなるね……。


「……今からもっとするのにこの程度で恥ずかしがってる場合じゃない」

「えっ?」


 明後日の方向を向くオルガにそう言われて、その視線を辿るとどこか期待している表情の乃亜達がそこにいた。


「……それじゃあ交代」

「はい、ありがとうございますオルガ先輩」


 オルガが僕からスーッと離れていき、乃亜が僕へと近づいてきた。


「それでは先輩、お待たせしました」


 待たせたのは僕なような?


 そんな事を思いながら、乃亜達4人とキスをすることになった。

 オルガの濃厚なキスの後だったからか、みんながみんな滅茶苦茶激しかったです。


 そして周囲の目も滅茶苦茶痛かった……。


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