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ああ、課金してぇーー!!!~課金できないから現代ダンジョンでレベルを上げる~  作者: 甘井雨玉
13章

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3話 そう言えばR18とTSだったか……

 

 おかしい。

 何でまた【典正装備】が習字道具になってしまったんだ。

 今回〔忌まわしき穢れは(ブラック)逃れられぬ定め(イロウシェン)〕は使ってないのだから【三枚のお札】や【Sくん】の時みたいに、〔緊縛こそ(ノーボンデージ)我が人生(ノーライフ)〕や〔明晰夢を歩く者(アリス)〕とかでもいいと思ーー


 ……この2つがR18装備とTS装備であることを考えると、習字道具がマシに思えてくるから不思議だ。

 あれ、僕まともな【典正装備】を持っていない?!


 いや効果自体は悪くないんだけどね。


 〔不浄を(アンチ )通さぬ黒き(イロウシェン)毛氈( クロス)


 この下敷きはあらゆる液体を通さないのだけど、その液体に加わっている運動エネルギーや液体が浴びている効果すら無にしてしまう効果を持っている。


 要するに【青龍】の時のように水弾を放たれても、これで防げば衝撃すら伝わらないという仕様なのだ。


 大きさもA4サイズから3×3メートルほどまで伸縮自在と高性能ではある。

 まあ液体を防ぐ機会なんか今までの経験を鑑みるに、敵の攻撃をこれで防ぐ機会はそれほどないだろうけど。


 って言うかどう考えても〔忌まわしき穢れは(ブラック)逃れられぬ定め(イロウシェン)〕とセットじゃん。


 〔忌まわしき穢れは(ブラック)逃れられぬ定め(イロウシェン)〕の〔典外回状〕から仲間の身を守るために使えって言ってるようなものだよね?

 習字道具の下敷きをそのまま【典正装備】にしたような効果なのもね……。


「また【典正装備】が習字道具ってなんでなんだろ? あとはカバンかケースが手に入ったらコンプリートじゃないかな?」

「そこまでいくと【魔女が紡ぐ物語(クレイジーテラー)】側のせめてもの仕返しみたいなのを感じますよね」

「でも魔女達曰く、【典正装備】は完全にランダムだから意図してそんな事できないって話だし、偶然ってことなんでしょ」

「偶然にしては偏りが酷いんだよ」


 乃亜と冬乃が僕が今まで手に入れた【典正装備】を思い出しているのか指を折りながら数えてるけど、その中でいくつ習字道具だったのかを数えているのが明らかだった。


 10個ある内の5個がそれって、半分が習字道具なのはどう考えてもおかしいよね。

 これだけ手に入れて武器として普段使いできるのが1個もないのも泣ける。


 まあ僕の場合基本的に後方支援だから武器があってもしょうがないし、今回討伐しなければいけない【四天王】の【玄武】には僕ら以外の大勢の冒険者が参戦するから、僕が近づいて戦うことはまずないだろう。


 ◆


 新たに手に入れた【典正装備】の使い道などをみんなと話し合ったり、映画を楽しんだり睡眠をとったりしていると、気が付けばアメリカへと到着していた。


 ここがアメリカか~、なんて思う間もなく【玄武】のいる地へと移動になったけど。


 まあ急いで倒して欲しいのは分かるし、今もよく分からない果物が地面から生えてきている上に、その範囲が徐々に広がっているから一刻も早く何とかしたいのは分かるけど、到着したばかりなのにすぐに【玄武】と相対することになるとは……。

 もっとも、移動している飛行機内でその事は案内の人に説明されていたので心構えはバッチリだ。


「あれが【玄武】か。ここからでもかなり大きいと分かるね」


 だから大勢の冒険者が集結していた謎の果物が生えていないかなり離れた場所で、僕らは【玄武】を遠巻きに見ることになっている現状に驚くことは無い。

 そんな事よりも【玄武】の大きさの方が驚きだ。


「遠くからですから正確なところは分かりませんが、【青龍】よりも明らかに大きいですよね?」

「乃亜ちゃんの言う通り、かも。【玄武】の近くにある建物と見比べると一目瞭然」


 なにせシロやクロの【青龍】と【白虎】の時のサイズに比べて、おそらく2倍くらいはデカい。


 その2体と比べると動きは鈍重そうなのが救い、というか出現してから一歩も動かずにあそこに居座り続けているらしい。

 人を襲ったりもせずに何をしているんだろうか?


「最後の【四天王】は魔女のはずだから、人憎しで襲ったりするもんじゃないのかな?」

「いや鹿島先輩。必ずしもそうではないだろう。“嫉妬”の魔女なんか、自分の趣味嗜好を優先して率先して人を襲って来なかったぞ」


 確かに自分の陣地をダンジョンの上層に創って、人に嫉妬されたりして悦に浸っていた。

 それに他の魔女達も何だかんだであまり人を殺そうとしてなかったか。


 “強欲”の魔女(イザベル)“傲慢”の魔女(マリ)ですらほとんど人を殺してないし、むしろ生き返らせている。

 まあこの2人は人間とかどうでもいいって思ってたから、気まぐれで生き返らせてくれただけだけど。


「それで被害は不用意に近づいたり攻撃したアメリカの冒険者や軍人だけで、一般人の被害は今のところ聞かないんだね」


 さすがに自身の生まれた国なだけあり、ソフィがそう言いながらホッとした様子を見せる。


「でもいつまでもあそこでジッとしているかどうかは分からないわよね。3カ月の猶予が経ってないからダンジョンの外では人間に率先して危害を加えないだけかもしれないし」


 そう言われると確かにその可能性の方が高いか。

 しかし3カ月の猶予があるはずなのに暴走する果物を生やしていくのはありなんだろうか?


「ここの魔女は“暴食”の魔女のようだけど、一体何を目的にこんな事をしているんだ?」


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― 新着の感想 ―
[一言] 必死にもぐもぐする暴食ちゃん 彼女の目的は、、、? せかいせーふくー←んなわけない
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