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ああ、課金してぇーー!!!~課金できないから現代ダンジョンでレベルを上げる~  作者: 甘井雨玉
11章

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プロローグ

 

≪蒼汰SIDE≫


「頼む、鹿島先輩! 私を鍛えてはくれないだろうか!!」

「おはようござ、……は?」


 中国とロシアで起こった迷宮氾濫(デスパレード)とマリとイザベラが起こした騒動である【魔女が紡ぐ物語(クレイジーテラー)】の問題を解決して、僕らは日常に帰ってきた。


 なので以前通り僕が学校の校門のところで挨拶運動をしていたのだけど、挨拶している最中にオリヴィアさんが意を決したような表情でこちらに向かって来て突然鍛えてくれと申し出てきたのだ。


 土下座で。


「えっと……とりあえず頭を上げてくれない?」

「断る! 鹿島先輩が頷いてくれるまで頭は上げない」


 頼まれてる側なのに、こちらのお願いが拒否されるとかおかしくないだろうか?


「何故、土下座?」

「日本ではこれが人に物を頼むときの最大限の誠意なのだろ? 相手がうんと頷くまで止めてはいけないと聞いている」

「そこまでいったらそれはもう脅しと同じだよ」


 今も大勢の人が校門から入ってくるのだけど、その視線がとても痛い。

 なにせ後輩女子に衆人環視のある中で土下座させているのだから、それはもうとても痛い。


「……蒼汰を困らすな」

「うおっ!?」


 僕の傍に引っ付いていたオルガがオリヴィアさんを驚かせながら服の襟を掴んで上体を起こさせ、強制的に土下座を止めさせていた。


 正直助かった。


「何をするのだオルガ先輩!」

「……それはこっちのセリフ。邪魔しないで」


 オルガは【ドッペルゲンガー】の時、僕に頭を撫でられたり引っ付いたりするのが好きになったようで、先ほどの挨拶の間もずっと僕の腕にしがみついていた。


 オリヴィアさんに土下座されている間の視線も中々にきつかったけど、オルガにしがみつかれながらしている挨拶も実は微妙にきつかったりする。

 なにせ、他の生徒達の視線がロリコンを見る様な目で見てくるんだから。

 オルガは僕よりも年上だというのに解せない。


 たまに羨ましそうに見る目があったのは気のせいだと思いたい。


「オルガ先輩、放してくれ! 私はどうしても強くなりたいんだ!」

「……蒼汰の邪魔しちゃダメ。そういうのは後で」


 オルガはそう言いながらズルズルとオリヴィアさんを引きずっていってくれたので、これで朝の挨拶を邪魔されずには済みそう――


「おはようソウタ。いきなりで悪いけど、ワタシを鍛えてくれないかな?」


 君もか、ソフィアさん。


「いや、僕にわざわざ頼まなくてもダンジョンに行ってレベル上げればよくない?」

「ソウタのスキルを知らなければ普通にそうしていたんだけどね。

 今はソウタも忙しそうだし、詳しい話は後でしようか」


 僕が断る前に言いたいことを言うとスタスタとこの場を立ち去ってしまった。


「……人を鍛えるより、自分のレベルをとっとと上げたいんだけどな」


 中国とロシアの迷宮氾濫(デスパレード)では思ったほどレベルが上げられなかったし、マリとイザベラの【魔女が紡ぐ物語(クレイジーテラー)】との戦いでは苦労したほどレベルが上がっていない。

 というか、【魔女が紡ぐ物語(クレイジーテラー)】の時はそれ以外との魔物との戦闘がなかったからレベルが上がらなかったし。


「ずっと一緒にパーティー組んでいる乃亜達のレベルが400超えてるのに、僕だけまだ388だし……。

 その上乃亜は【魔女が紡ぐ物語(クレイジーテラー)】を倒してレベルが上がった時に最終派生スキルまで手に入れたから、僕くらいしかもうダンジョンに行く理由がないし……」


 乃亜がダンジョンに行く理由の1つだった、デメリットスキルをどうにかするという目的は実は達成している。

 冬乃はダンジョンに行っていた理由がお金だけど、もう使い切れないくらい稼いでいる。

 咲夜は僕たちと一緒にいるのが目的なので、ダンジョンに行く行かないはどちらでもいい。


 つまり僕だけなのだ。


 僕だけがレベルを上げたいがために3人を付き合わせる事になるので、少し心苦しく思う。

 3人は気にしないでいいと言ってくれるけれど、どうしたものかと悩みはするよね。


「だからこそソフィアさん達のお願いを気軽に承諾する事はできないんだよね」


 2人の目的がレベル差のある相手とパーティーを組んでも経験値が貰えない問題を解消できるスキルである[画面の向こう側]と、その他のバフ効果目的なのは言われなくても分かることだ。

 だけど[画面の向こう側]は僕自身に経験値が貰えないため、レベルを上げたい僕としては出来れば使いたくないところだ。


「でも2人がレベルを上げたいなら、特にオリヴィアさんなら()()ダンジョンに連れて行けば一気にレベルが上げられそうだから、僕のレベルを上げるのを手伝うのを条件に手伝うのもありかもしれないな」


 あのダンジョンにはレベル上げ以外の目的もあるし丁度いいかもしれない。


「問題はいくつかあるけど、最悪目的のものだけでも買えれば十分かな」


 他にも効率的にレベル上げが出来そうな所はあるんだし、ダメ元で頼んでみるのも悪くないだろう。


 ◆


「そういう訳で、〔ミミックのダンジョン〕にソフィアさん達とレベル上げしに行くことになったから」

「先輩、当然わたし達も付いて行きますからね」

「蒼汰1人にすると、また嫁を増やしかねないから当然ね」

「蒼汰君がいくなら、咲夜達も当然一緒に行く、よ」

「……行く」


 ……あれ?


 もうレベルもお金も十分だからと気を使ったのに、結局全員で〔ミミックのダンジョン〕に向かう事になった。

 うわっ、僕の信用無さすぎ。


気に入っていただけたらブクマと☆の評価をお願いします。


カクヨム様にて先行で投稿しています。

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― 新着の感想 ―
[一言] 男だけで行っても嫁が増えるまである
[良い点] いえいえ!新章!! [一言] あ、そういえばそうだった なんだかいっぱいガチャしたきになって当初の目的忘れてたw
[一言] 大丈夫、目を離さなくてもきっと増える(笑
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