表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ああ、課金してぇーー!!!~課金できないから現代ダンジョンでレベルを上げる~  作者: 甘井雨玉
10章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

451/677

34話 より可愛く華やかに

 

「……普通ドッペルゲンガーは対象のコピーとなり、対象そっくりの存在となる」

「オルガ先輩。ドッペルゲンガーの定義などどうでもいい。そんな事よりも何故私が着飾らねばならんのだ!?」


 ただでさえ今も魔法少女のコスプレなどと恥辱的な恰好をさせられているというのに!

 というか、他の恰好になれるならとっくになってるわ!


「……だから落ち着いて。あの【ドッペルゲンガー】は願望があった」

『その辺は【泉の女神】とかと同じなのです。どんな願望だったのです?』


 フワフワと宙に浮かぶ不思議な存在であるアヤメがオルガ先輩へとそう問いかけると、オルガ先輩は私を上から下まで眺めた後、少しだけため息をついてから答えた。


「……おめかししたい」


 はい?


「……心ゆくまで自分を着飾りたい。それがあの【ドッペルゲンガー】の望むこと」


 なるほど。名前通り【飾りたがりのドッペルゲンガー】ということか。

 ……いやちょっと待て。だったら何故私が着飾らねばならんのだ!?


「……【ドッペルゲンガー】は決まった姿形をもたない。それ故にいくら自分を着飾ろうとも観測者が現れた段階でその姿は変わってしまう」

「それが何だと言うんだ」

「……自分のなりたい姿(理想の自分)になれない」


 なるほどな。ある意味当たり前ではある。

 ドッペルゲンガーは対象の姿を映す現象そのもの。

 にもかかわらず、その対象とは別の恰好をしていたら、それはもうドッペルゲンガーとは言えないだろう。


「……だからなりたい人物を着飾ることで、その願いを叶える」

『ああ、だからオリヴィアさんに着飾るように言ったのですか』

「……その通り」

「いや、ちょっと待て」

『何か問題があったのです?』


 アヤメが首を傾げて尋ねてくるが問題しかないだろ!


「だから何故私なんだ!」


 先ほどから肝心の答えを聞いていないぞ。


「背恰好であれば四月一日(わたぬき)先輩でも問題ないはずだ。多少背は私より低いかもしれんが、そう違いはないはずであろう!」

「咲夜はどちらでも構わない、よ」


 四月一日(わたぬき)先輩はそのような恰好でも気にしないのか!?

 今も平然と両肩が露出しているドレスを着ているが、女の私でも見惚れるほど堂々としていて、よりドレスが似合っているくらいだ。

 むしろこっちになりたいと思うのではないのか?!


「……金髪と薄い緑色の目が人形みたいで可愛いのと、高い身長に曲線的でメリハリのある肉体が美しかったから、らしい」

「くっ、何故そんなピンポイントな部分で……」


 身長に胸や尻ならば四月一日(わたぬき)先輩もある程度近いのだが、金髪で緑色の目となれば私しかいないではないか!


「……年下なのに発育がいいのが悪い」

「そんな理不尽な事、今まで言われたことなどないぞ……」


 というか、発育が良かろうと悪かろうと今は恋愛などする気もないからどうでもいい。


「……ちなみに【ドッペルゲンガー】は戦闘する以外での〝鍵〟の入手法を教えるつもりだったけど、オリヴィアの姿になったせいで意地を張ってしまって教えられなかったみたい」

「それは私のせいなのか!?」


 【ドッペルゲンガー】なのだから性格などもコピーしてしまうのであろうが、だったらそれこそ私に変身しなければ良かっただけだろうに……。


『べ、別に私は可愛い格好などしたくはない!』

「……語るに落ちるとはこの事」

「止めろ! 私の姿でそんなセリフを言うんじゃない!!」


 ぬおおおおっ! 自分が言ったわけではないのに、言ってるのが自分そっくりな存在のせいで羞恥心が湧いてくるじゃないか!!


「じゃあオリヴィアさんを可愛くすればいいんだよ、ね?」

「ま、待て。私はそれを認めてないぞ!」

『諦めるのです。

 それにしても【飾りたがりのドッペルゲンガー】の飾りたいものは、自分の事であり相手の事でもあったのですね』


 ただでさえこの魔法少女のコスプレでもいっぱいいっぱいなのに、さらに飾り立てる気……いや、そうだ!


「着飾るためには服が必要だろう。だが〈ガチャ〉を回せば高宮が言っていた通り、自滅してしまうぞ」


 つまり私を着飾る事は不可能というわけだ。


『ふん。〈ガチャ〉じゃなくてもキャラクター用の服や装飾品ならあったさ。あいつらが盗んで行ってしまったがな』

『『『おめかしー!!』』』


 ふざけるな!


 デフォルメ鹿島先輩達がこちらに見せびらかす様に持ち上げてるそれらは、私が自分で絶対着たりしないようなフリフリのドレスじゃないか!


「じゃあ捕まえないと、ね」

「……割と楽な試練? いや、おそらく【ドッペルゲンガー】のお眼鏡にかなう人物がいないと達成できない試練だったのかもしれない」

『それはどうでもいいのですが、心ゆくまでと言うことは1着や2着では済まないということなのです?』


 なんだと?!


 確かにデフォルメ鹿島先輩達の持ち上げているものをよく見たら、ドレスだけでなく着ぐるみやロリータ系まであるじゃないか。

 そんな……。私はいくつ服を着なければいけないのだ?


「【ドッペルゲンガー】も写真撮影の準備までしているし、思ったよりも時間がかかりそう、かな?」

「しゃ、写真もだと!?」


 そ、そんな……。私はどれほどの恥辱を受けねばならぬのだ?

 くっ、殺せ!


気に入っていただけたらブクマと☆の評価をお願いします。


カクヨム様にて先行で投稿しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] くっコロいただきましたぁぁあぁぁあぁぁあ!!w さて、どんな変貌がまっているのか 変わらないオリさんか 変わってしまったオリさんか
[気になる点] その写真、焼き増しできます?
[一言] くっ殺、イタダキマシターって感じ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ