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ああ、課金してぇーー!!!~課金できないから現代ダンジョンでレベルを上げる~  作者: 甘井雨玉
10章

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17話 よくあるプレゼント

 

 乃亜達が【泉の女神】に負けた後周囲の光景が突然暗転して、気が付いたら僕らは〈ガチャ〉の空間へと戻っていた。


「あれ、反則じゃありません!?」

「あの時はなんとか勝てたけど、こんなのどうやって勝てばいいのよ!」


 乃亜と冬乃は昔に【泉の女神】と戦った時のと今回戦った時のを比べて憤慨するように唸っていた。


 ターン制だと【泉の女神】は反則級に強いな。

 それに今回は[魔剣一斉射撃]とかいう訳の分からない必殺技を使われたけど、まだ最後の1体から再び101体に増えるループが残っている――というか、その無限ループを攻略することこそが肝だろうから、それすらさせずに負けた時点で、今の戦力では到底勝ち目なんかないのが分かる。

 というか、限定ガチャで装備出さなきゃ到底勝てない設定なんじゃないかな?


「あれに蒼汰君達、勝った、の?」

『ご主人さま達を疑う訳ではありませんが、レベル15や20そこらで勝てる相手じゃないと思うのです』

「……あれに挑むのは無謀」


 あの時勝てたのは自分の持つスキルとの相性が良かったという以外、言えることはないんだよね。

 あと挑みたくて挑んだわけじゃなくて、逃げられなかったから仕方なかったんだよ。


 咲夜達3人は驚く様な呆れる様な表情で僕ら3人を見ているけど、正直アレを以前戦った【泉の女神】と同一視するのは間違っていると思う。

 たとえ同じ能力や似た行動をしてきたところで、そもそもルールが違う。


 何でもありの現実と違い、決められた通りにしか動けないゲームでは真っ向から戦わざるを得ない以上、抜け道なんか存在しないのだから。


『やっぱりもっと強化しないとボスには勝てそうにないね。〈ガチャ〉を回して強力な武器や防具を手に入れて、〔成長の種〕以外の〈育成〉を使用できる方法を見つけないと』

「先輩の言う通りですね。さすがに今の状態で挑むのは無謀すぎました」

『ワタシ達は〈ガチャ〉をもっと回してから挑むべきだったのです。……ご主人さまみたいな事を言う日が来るとは思いもしなかったのです』


 どういう意味かな?


「……そういう意味」

『……自分の言動が少数派であるのは認めるところ』


 まあオルガにツッコまれてしまった事はさておき、今は【泉の女神】だ。


『今回初めて負けちゃったけど、少なくともボスの1体と思われる【泉の女神】を見つけたんだから十分な成果だよね。

 限定ガチャで【泉の女神】に対しての特効ガチャが出たらチャンスだよ』

「そうですね。特効ガチャで武器を引き当ててもボスがどこにいるか分からないと意味ありませんから」


 乃亜は頷きカプセルトイの方へと向く。

 そこには今も何人もの人間が、まるで角砂糖に群がる蟻のごとくカプセルトイに近づいては絶叫して立ち去り、近づいては苦悶の声を上げて立ち去っていくのだから。

 〈ガチャ〉会場というより爆死会場になってるなぁ。


「さすが0.01%。まだ特効ガチャから特効武器が排出されてないんだ、ね」

「一応さっきまでの散策で〈クエスト〉をそれなりにこなせたから、ポイントは30ポイントくらい残っているけどどうしようかしら?」


 咲夜と冬乃もカプセルトイの方を見て、少し悩まし気な表情を見せていた。

 そりゃあもし仮にここで【煩悩の仏】特効武器が手に入ったところで、【泉の女神】には何の意味もない。


 でもそれとは関係なしにガチャを回したいんですね分かります。


「……それは違う。ガチャを回したい訳ではない」

『ご主人さまがトンチキな事を考えている事が分かるのです。

 咲夜さんと冬乃さんはガチャを回してキャラクターを強化する事を悩んでいるに決まっているのです』

「先輩、目的と手段が入れ替わって――いえ、目的と手段が一緒くたになってしまっていますよ」


 ガチャを回す事が目的で何が悪いというのか?!


「……蒼汰が望むのなら回すのもやぶさかではない」

「えっ、オルガさんいいんですか?!」


 オルガがスッとスマホを取り出して僕の前で〈ガチャ〉を回そうとしたので、乃亜が若干止めた方がいいというようなニュアンスを含めて問いかけていた。


「……どうせいつ狙ってる限定ガチャが来るか分からない。いっそのこと、誰か1人が強化しておいて効率的に敵を倒せるようになった方がいいかもしれない。

 ……もしかしたら今の限定ガチャの装備が出る可能性もある」

「確かにそれもありですね。ですが1人だけ回すくらいなら、2、3人回して効率を上げるのも手です。

 オルガ先輩の言う通り、限定ガチャの装備が出れば万々歳ですし」

「それは一理あるけど……。せめて限定ガチャが次にいつ、何が来るのか分かったらいいのに」


 冬乃が悩まし気な表情を浮かべていたら、地面に突然穴が空いて、そこからひょこっと例のあいつらが現れた。


『呼んだかな?』

『ゴーホーム!』

『ここがホームニャ』


 乃亜達が〈ガチャ〉を回すか回さないか悩んでいたら、再び現れたウサギと猫。

 帰れと言ったけどここがホームだと言われたらぐうの音も出ないよ。


『ところで何をしに現れたの?』

『決まっているよ。新しい限定ガチャの告知のためさ』

『マジっ!?』

『マジニャ。具体的にはボスが見つかった事による新ガチャ解放ニャ』


 それって僕らのこと?

 ボスに出くわした衝撃でさっきまで気づかなかったけど、〈クエスト〉ではボスを見つけたことにより隠しクエストとして10ポイントも貰えていた。

 まさかこれは新ガチャへの布石だったのか。


『それに加え、ボス発見ボーナスとして全員にプレゼントが送られるよ!』

『100連ガチャチケットニャ。せいぜい大切に使うがいいニャ』


 まさかの〈クエスト〉とチケット合わせて110連とは!?

 確率は渋いけど、サービスいいなぁ。


気に入っていただけたらブクマと☆の評価をお願いします。


カクヨム様にて先行で投稿しています。

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― 新着の感想 ―
[一言] おいおいおい こいつはいつか確定ガチャもでてくるよ 蒼汰は引けないけど(*´∀`*)
[気になる点] この瞬間にもS君が海泳いでるんですね なんか日本上陸 大樹のスマホGETまでみたい
[一言] なおこのチケットは恒常のみですっていうんだろ 騙されんぞ!
感想一覧
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