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ああ、課金してぇーー!!!~課金できないから現代ダンジョンでレベルを上げる~  作者: 甘井雨玉
10章

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8話 いつまでもこんな恰好でいられるか!

 

『準備が出来た人から好きに探索していいよ。ちなみに〈ガチャ〉はこの空間でしかできないから注意してね』

『ついでに言うと、もしも敵にやられたらここで復活できるニャ』


 そう言ってどこかに立ち去っていくウサギと猫。

 その2匹が立ち去った後、この場には阿鼻叫喚の地獄絵図がそこにあった。


 何故なら猫はリアルと連動するスマホゲームと言っていたから。つまり――


「メイド服とか勘弁してくれ……」

「お前はまだいい方だろ。オレなんかビキニアーマーなんだぜ!」

「裸ワイシャツで移動できるわけあるか!?」


 ゲーム内の〈装備〉で設定した恰好が、そのままリアルにも反映されていた。

 ガチムチの男達のメイド服、ビキニアーマー、裸ワイシャツとか見苦しいにもほどがあるよ。


【アリス】の世界だからか、中国、ロシアの人達が何を言っているのか分かるけど、その内容はあまりにも泣ける内容だ。


 まあその程度の代償でこの試練に参加できるなら、僕は普通に参加したかったんだが。


「コスプレ衣装が雑貨じゃなくて防具扱いなのっておかしくないかしら?

 まあ蒼汰だし、普段から服が防具みたいなものだったからそれはいいんだけど。

 そんな事よりもこのコスプレ衣装、一度装備したら普通の服には変えられないのね」

『冬乃はその恰好でも平気そうだね』

「予想できていたことよ。【アリス】って言っても基本的には蒼汰がベースなら分かり切っていたことだし、このくらい慣れっこよ」


 平然とバニー服姿でスマホを操作し、達観した様子の冬乃。

 ……なんだか僕が冬乃の羞恥心を奪ってしまったかのようだ。いや、実際に平然としてるから、かのようだ、ではなく奪ってしまったが正解なのか。


「そうですよね。この程度のことで動揺していたら先輩とパーティーなんか組めませんし」

「いつもより露出が多いけど、このくらいなら服が破ける時もあるから平気、だね」


 着物風の和ロリィタを着た乃亜と、パーティーで着ていくような両肩が露出しているドレスを着た咲夜も全く動じていなかった。

 でも露出が多くても平気なのは僕のせいではなく、乃亜の[損傷衣転]だよね?


「くっ、殺せぇええ!!」

「ワタシもいずれあんな恰好しないといけないのか……」

「……武器だった」


 オリヴィアさんは顔を真っ赤にしながら子供が着るような、魔法少女のコスプレをしており、幸いにも武器だったソフィアさんはその様子を見ながら戦慄した表情を浮かべていた。

 オルガはむしろ残念そうなのはなんで?


「今すぐ5回〈ガチャ〉するぞ! いつまでもこんな恰好でいられるか!」

『発言がまるで殺人鬼と一緒にいられないと言って自ら孤立する人のようだ……』


 オリヴィアさんはスマホをすぐさまタップして、5ポイント消費し5回〈ガチャ〉を回し始めていた。

 同じ気持ちなのかメイド服、ビキニアーマー、裸ワイシャツなどなど、着ていたくない恰好をしている男達も同様にスマホをタップし始めている。

 その後の光景は親の顔よりも見た光景だった。


「やったぞ! 全身甲冑を手に入れた!!」

「いやあああーー! 爆死したぁああ!!」

「あ、後5回〈ガチャ〉ったら出るよね……」


 ほぼ爆死会場になってるなぁ。

 2割くらいが新たな防具に歓喜してるけど、残りはスキルを手に入れる前の僕を見ているかのような気分だった。


「うぅ……。武器や雑貨はいらないんだ……!」

『オリヴィアさんも爆死したかぁ』


 死亡フラグ発言してたし、さもありなんと言ったところだろうか。


 このガチャの割合がどうなっているのか謎だけど、オリヴィアさんの引いたアイテムを見る限りほぼ雑貨で、武器や防具は中々出ないっぽい?

 その辺の割合を提示しないだなんて、なんて不親切な運営だろうか。


「こうなったら〈クエスト〉をこなしてまた〈ガチャ〉を回すぞ!」

『オリヴィアさんの目的変わってない?』


 僕を助けるために来てくれたはずなのに、今では〈ガチャ〉を回して新たな防具を手に入れる事が目的になってる気がするよ。


 オリヴィアさんと同じ考えにいたった、露出が異常に激しかったり男が着るにはキツイ恰好をしている人達が、早速この空間内にいくつもある黒い渦の中へと特攻していった。


「悪いが私は先に行くぞ!」

「あっ、待ってくださいオリヴィアさん」

「待てるか!!」


 オリヴィアさんは乃亜の制止を振り切って近くの黒い渦へと1人で入っていってしまった。


 まあ5ポイントあれば復活できるから大丈夫かな。

 それにしても他の人に比べてあまり露出は多くなかったのに、そんなにあの恰好が嫌だったの?


「オリヴィアが勝手に行っちゃったね。ワタシ達も後を追う?」

「いえ待ってくださいソフィア先輩。[選択肢]のスキルが発動しました。ガチャを10連回すか、それとも1回も回さないかの二択です」

「「『『はぁ?』』」」


 僕やアヤメ、冬乃と咲夜は乃亜のその発言に思わず疑問の言葉が口に出ていた。


 5回だけ回すんじゃなく、全てのポイントを使うか、全てのポイントを残すかの選択肢だなんて意味が分からない。

 だけど選択肢に出た2つの意味を考えた時、もしかしてと思う事があった。


『……もしかしてこの〈ガチャ〉。最低保証があるのか?』

「蒼汰君、どう言う事?」

『中途半端に1回ずつ回すんじゃなくて、10連1回で回さないと強力な武器が出ない、もしくは出にくいとか』


 10連で回せば最低保証があるのではと思ったんだ。


 最低保証はある程度以上のレアリティを保証する仕様の事で、大抵のゲームではそれが実装されている。

 まさか、これもそうなんじゃ……?



気に入っていただけたらブクマと☆の評価をお願いします。


カクヨム様にて先行で投稿しています。

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― 新着の感想 ―
[一言] +1回や有償ガチャはあるのかな?ピックアップと云う名のすり抜けガチャも
[気になる点] まさかこのガチャ…ドッカンテーブルだったりしない?
[良い点] 何でしょうかこのワクワク感。 早くみんな底引きを味わえばいいんだ。 おっと本音が。
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