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ああ、課金してぇーー!!!~課金できないから現代ダンジョンでレベルを上げる~  作者: 甘井雨玉
10章

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7話 似たようなシステム

 

 スマホが僕以外の全員に渡されたけど、これをどう使うのかが分からなくて首を傾げている人が多数の中、ウサギ達が説明の続きをし始めた。


『スマホでどうやって敵と戦うか想像つかない人が多いんじゃないかな?』

『だが安心するニャ。ここにいるほとんどの人間は経験のある事だニャ』


 …………嫌な予感がするぞ。


『全員スマホを起動させて』


 ウサギにそう言われスマホを起動させるとそこには――


【廃課金への道】


『お前達にはリアルと連動するスマホゲームをやってもらうニャ』


『僕 に も や ら せ ろ !!』


 嘘でしょ?

 よりにもよって僕が参加できないタイミングで、こんな素晴らしい試練が始まってしまうだなんて……!?


『『あきらめ(て)(ろニャ)』』

『くうっ、なら乃亜達の誰かから借りれば……!』

『本人しか使えないから無理ニャ』

『ちくしょう!!』


 僕が捕まってなかったら参加できたのに、僕が捕まらなかったらこの試練にはならないだなんてあんまりだ!


「先輩らしい試練というか……」

「少なくとも血みどろになるような試練ではなさそ、う?」

『まだ軽い説明しかされてないのに、殺伐した試練じゃないと分かるのが凄いのです』


 乃亜も咲夜もアヤメも少しホッとしたかのような表情を浮かべていた。

 というか、アヤメもスマホを持ってるけど、ドッペルゲンガーの時と同じで参戦可なんだね。


「私、全然スマホのゲームなんてしたことないんだけど……」

「……ボクも」


 逆に心配そうにしているのは冬乃とオルガか。

 この2人は【Sくん】が泣きながらスマホを返してきたらしいし、一切そういうのに触れてこなかったんだね。


「この試練なら私でもクリアできるか?」

「大した事なさそうな感じだけど、一応【魔女が紡ぐ物語(クレイジーテラー)】だし油断はしないようにしよう」


 適度な緊張感をもってそうなのがオリヴィアさんとソフィアさんか。

 確かにソフィアさんの言う通り、気の抜けそうな試練だけど【魔女が紡ぐ物語(クレイジーテラー)】ではあるから気を付けないとね。


 ……僕、今回何をどうすればみんなの助けになるんだろ?

 より姫プレイに磨きのかかってる今の現状では、せいぜい口しか出せないんだよなぁ。


『君達にはこの世界のどこかにある5つの〝鍵〟と【アリス】を探してもらうわけだけど、そのために必要なツールがそのスマホさ』

『さあ今すぐそのゲームのホーム画面をタップするニャ!』


 冬乃が僕を片腕で抱きながらスマホをタップする。

 ……僕を地面に降ろせばいいのでは? まあそうすると見れなくなるからありがたいんだけど。


 ホーム画面をタップすると、画面の右上にはハートマークとその横に10マスのメモリのバー、画面下には〈装備〉〈育成〉〈クエスト〉の3つの項目があった。

 しかし何より目立つのは画面の半分を埋めるカプセルトイの絵とその中央に〈ガチャ〉の文字が書かれていることだった。〈ガチャ〉の圧が凄い。


『まずは〈ガチャ〉をタップするニャ』

『初回無料だから安心してね』


 とりあえず言われた通り、この場にいる全員が〈ガチャ〉をタップする。

 すると画面の半分を占めていたカプセルトイへとズームされ、画面の全体がそれになったときレバーが1回転した。


 〔バニー服を入手した!〕


「なんだか普段蒼汰に着させられてるコスプレみたいな雰囲気がするわね」

『いやそんな事言われても……』


 僕がこのゲームを創ったわけじゃないんだよ?


『何が出るかはランダムだよ』

『武器、防具、雑貨の3種類の中のどれかが出るニャ。でも今回は全員武器か防具しか出ない仕様なのニャ』

『それじゃあ出てきた武器か防具を装備しよう。左上のマークを押すと元の画面に戻るから、戻ったら次は〈装備〉を押してね』


 冬乃が〈装備〉をタップすると、画面には冬乃をデフォルメしたようなキャラクターがポツンと存在し、その下に3つの空欄が存在していた。


「これ、私かしら?」

『多分そうだよね。獣耳ついてるし』

「そこで判断しないで欲しいわね」


 そんな事言われても一番の特徴だからしょうがないね。


『下の空欄に触れると入手した武器や防具を選べるよ』

『そうすることで、そのキャラクターが敵と出会った時に、その装備を身に着けた状態でお前達の代わりに戦ってくれるニャ。もう分かっていると思うが、今入手しているキャラクターはお前達自身がベースとなってるニャ』


 そこからの説明はよく知るもので、〈ガチャ〉で入手した武器、防具は〈装備〉で設定し、〈育成〉では手に入れたキャラクターのレベルを上げて強化する単純なシステムだった。


『あとは右上のバーが何を指し示すのかだけど、これはある意味君達の命そのものと言ってもいいものだよ』

『と言っても、これが0になっても死ぬわけじゃないニャ。0になった状態で敵と戦って負けたら死ぬニャ』


 とんでもない事をあっさり言わないで欲しい。


『このバーは敵に負けた際にポイントを消費して復活できるものだからね。ちなみに復活にかかるポイントは5ポイントだから』


 それじゃあメモリが10あるから2回は復活できるのか。


『他にもガチャを回すのにも使えるニャ。どう使うかはよく考えるといいニャ』

『このポイントは〈クエスト〉のお題をクリアすれば増えるけど、ご利用は計画的にね~』


 システム自体は単純だし、安全マージンを考えて行動すれば死ぬことはなさそうだ。


 ……それはそうとしてクリア方法が【アリス】を助け出しここから連れ去るとなると、【魔女が紡ぐ物語(クレイジーテラー)】の中でも【ドッペルゲンガー】や【織田信長】のようなボスタイプではなく、エバノラの時のような環境タイプと思って良さそうだね。


気に入っていただけたらブクマと☆の評価をお願いします。


カクヨム様にて先行で投稿しています。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ホーム画面がタップすると、
[一言] うわーこれ私ならまず5回、回しちゃう奴だよ ギャンブラーなら10連かなぁ
[一言] ガチャで0.8%で引ける星5Sくんを5凸したらクリアじゃないの?
感想一覧
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