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ああ、課金してぇーー!!!~課金できないから現代ダンジョンでレベルを上げる~  作者: 甘井雨玉
9章

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42話 ヒェッ!?

 

「咲夜先輩大丈夫ですか!」

「大丈夫。問題があるとしたらオルガさんが物凄く強いこと、かな……」


 ソフィアさん達の戦いに気を取られている間に気が付いたら咲夜の服がかなりボロボロになっていた。


 乃亜がフレンドリーファイア覚悟で無理やり隙を作ったのがとんでもすぎて気を取られたけど、ほんの短い時間だったのにここまで攻撃を受けるだなんて……。


「ごめん咲夜。すぐに服を直すよ」

「まだ数回攻撃を受けても大丈夫だったから気にしないで」


 オルガの様子を見る限り攻撃を受けた様子はなさそうだけど、咲夜相手にこれだけ一方的に戦えるだなんてどれだけ強いんだよ。


「咲夜さんは[鬼神]を全力で使って一瞬で終わらせようって思わなかったの?」


 確かに冬乃の言う通りだ。

 咲夜の全力の[鬼神]なら、いくらオルガが強いとはいえさっきまでの戦闘を見る限り咲夜より少し強いくらいだったから、十分倒せるはずなのに。


「使おうとしたけど、スキルを意識したタイミングで何故か攻撃されて止められるせいで使えなかった」

「嘘でしょ?」


 スキルの使用なんてそれを意識するだけで発動できるんだから、それを狙って止めるなんてまず不可能だ。

 使おうと意識したタイミングで攻撃を受けるとスキルが発動できないとはいえ、1度だけなら偶然ですむけど、何度も阻止し続けるなんて宝くじで1等を当て続けるようなものだよ。


「でも今ならみんながいるから使え――くっ!?」


 咲夜がスキルを使おうとしたであろうタイミングで、どこからともなくナイフが飛んできて咲夜が攻撃された。

 乃亜の[損傷衣転]でダメージはないとはいえ、衝撃を受けたせいでまた[鬼神]の全開使用を防がれてしまう。


 一体どういうカラクリなんだ?


「咲夜先輩、わたし達が攻撃を極力防ぎますからその間になんとか[鬼神]の発動をお願いします」

「ええ、それでいきましょう。どうやってるのか分からないけど、3人がかりなら止めようがないでしょ!」

「うん、分かった」

「攻撃を受けても先輩がいるから服の心配がないので、被弾覚悟で止めていきますよ」


 オルガからの攻撃を防ぐために乃亜と冬乃が咲夜の前に出る。

 さすがに2人に守られている咲夜のスキルの発動を止めることなんてできないでしょ。


『……こっちも全力でいく』


 オルガはそう言いながら両手の指に挟んだ合計8本のナイフをタイミングをずらして投擲してきた。


「きゃっ!?」

「[幻――うそっ?!」

「くっ」


 有り得ないでしょ!?

 乃亜は使えるスキルがないとはいえ、咲夜だけでなく冬乃の[幻惑]まで止めてくるなんて。


「こんなの心でも読まないと無理なんじゃ……」

『……正解』

「えっ」

『……[マインドリーディング]』


 マジで心を読んでいたようだ。


 ………………いやいやいや!!

 心を読んだからといって、それで相手のスキルの発動を止められるかは別問題でしょ!?


『……[回収]』


 投擲したナイフが自動でオルガの手元に戻っている様子から何度でもナイフを投擲できるスキルもあるようだけど、今はそんな事はどうでもいい。

 たとえスキルを発動される瞬間を読んだところで、ナイフを投げてスキルの発動を止めるのは手遅れになるのでは?


『……[先読み][思考加速]』


 教えてくれてありがとう。

 敵に回ってるけど妙に親切ですね。いやホント、疑問が解消できるのはありがたいんだけどさ。


「わたしは戦闘で使用できる自分の意思で発動するようなスキルがありませんから、関係ありませんよ!」


 乃亜はそう言うけど、どう見ても強がりだ。

 乃亜にアクティブスキルのようなものがあろうとなかろうとオルガの攻撃は止められておらず、乃亜達はほとんど一方的に攻撃を受けてしまう状態が続いていた。


 乃亜達3人がかりでここまで一方的だなんて、オルガはどれだけ強いんだよ。


「乃亜達は[損傷衣転]と僕が服を何度でも直す事ができるから倒される事はないけど、これだとオルガが疲弊するまで待つしかないね」


 オルガの先ほどまでの攻撃を見る限り攻撃手段がナイフなので、一撃で[損傷衣転]が発動しないレベルで服をズタボロにされてすぐに攻撃される、みたいな事は起こらないだろうからね。


『いくら心を読んでも身体が動かなければ意味ありませんからね。

 しかしなぜご主人さまを攻撃してこないのでしょうか?

 ご主人さまを倒せば服を直す事が出来なくなると分かるはずなのに』


 アヤメの言う通り、何故かオルガはこっちに攻撃してこない。

 戦ってる乃亜達から少し離れた位置にいるとはいえ、こちらに攻撃を仕掛けようと思えばできるはずなのにそれを一切してこず、ただひたすら乃亜達に攻撃しているのはどういう事なんだろうか?


 教えて、オルガ先生。


『……攻撃したくない』


 ……え、今ホントに答えてくれた?


 ボソッと呟いただけだけど、確かにその声が聞こえてきたから間違いない。

 よくよく耳を澄ますとまだ何か呟いてるような気がする。

 何を言っているんだろう?


『……あなたが欲しい


……温かいあなたが、欲しい


……絶対に、逃がさない』


 ヒェッ!?


気に入っていただけたらブクマと☆の評価をお願いします。


カクヨム様にて先行で投稿しています。

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― 新着の感想 ―
[良い点] そんなスキル持ってると分かったら…って言ってた人よりも持ってると分かったら避けられるスキル持ってた点。こういうの好き [一言] なんで本国の人間と妙に壁があるのかと思ってたらそういうことか…
[一言] まずは一人確定ですね(合掌) さて、最終的に何人増えるのかな。
[一言] ひえぇ(>人<;) どこぞの男子一同(知ってた)
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