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ああ、課金してぇーー!!!~課金できないから現代ダンジョンでレベルを上げる~  作者: 甘井雨玉
9章

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28話 NTR

 

≪乃亜SIDE≫


 自分自身との戦いがここまで大変なものだなんて……!


『さすがワタシなだけあって防御力は中々高いです。[クイックロード]』

「くっ、[クイックロード]」

『[損傷衣転]と[クイックセーブ&クイックロード]の組み合わせは相手するのが骨ですね。お互い様ですけど』


 [クイックセーブ&クイックロード]は自身の装備を含めた自分自身の状態を1パターンだけ保存しそれを自身に投影できるスキル。

 そのお陰で[損傷衣転]で服がボロボロになっても元通りになるけど、再使用に30分かかるからそれまでに決着をつけられればいい。

 でもそれが出来そうにない。


「〔閉ざされた視界(フォーリン)開かれた性癖(プロクリヴィティ)〕」

『〔閉ざされた視界(フォーリン)開かれた性癖(プロクリヴィティ)〕』


 外してから視認した相手を10秒拘束できる【典正装備】までコピーされている以上、動きを止めたところでこっちの動きまで止められてしまう……!

 どうしたらいいんですか? こうなったら最終手段を使うしかありませんけど、それがしくじったら打つ手がもうない。それに――


「[セーブ&ロード]まで使えるなら、賭けに出るのも無謀」

『そのスキルばかりは分からないですね。さすがに死んで確かめる訳にはいきませんから。

 ですけど、ドッペルゲンガーのワタシでは()()()()()()()()()()()死ぬでしょうから、スキルの効果は発揮しないかも?』

「それはいい情報を聞きましたけど、どうして教えてくれるんですか?」

『未確定の情報を教えたところで痛くも痒くもないです。それに、やっぱり[セーブ&ロード]が使えましたという方が、使えない事に賭けてあなたがワタシに挑んできますから、次があればワタシが確実に勝ちますからね』


 もちろんわたしも[セーブ&ロード]でこの試練を挑戦する前に戻れるから、この情報を次に持っていくことが出来る。

 問題は過去に戻るタイミングが向こうよりも遅くなければ、次で確実に負けるということ。


「[セーブ&ロード]が使える使えないにかかわらず、どちらにしろあなたを[セーブ&ロード]を使わずに倒さないといけないだけってことですね」


 [セーブ&ロード]の保険はないものと考えた方が良さそうです。


「はあっ!」

『はあっ!』


 お互いが本来なら片手で振るうのも難しいような巨大なモーニングスターを振るい、それを大楯の〔報復は汝の後難と共に(カウンター リベンジ)〕で受け止める。

 モーニングスターの魔道具の性能の1つである〈火魔法〉の効果で火を纏ってるため、その火がわずかに身体を炙るせいでほんの少し服が破けてしまう。


 これでは先ほどの展開と変わらない……。

 一体どうすればこの状況を打破できるのか。


 決定打となり得る攻撃手段はあっても、使いどころを間違えれば自滅する以上、下手にそれを使う訳にはいかず困ってしまう。そう考えるのはわたしだけではないのは、向こうがワタシだからでしょう。


『本当はあなたはハーレムをそこまで好きじゃないですよね』

「なっ!? 急に何を言うんですか!」


 突然こちらを困惑させるような発言をしてきました。

 こちらの精神をかき乱すのが目的だろうか?


「何を言っているんですか。そんなわけないじゃないですか!」


 ハーレムが好きじゃなければ、卒業したらすぐにでも先輩と家庭を築きたいと考えるはずがないというのに。


『いいえ。ワタシはわたしだから分かります。あなたが憧れているのは自分の家族。

 だからあなたはこれ以上先輩にお嫁さんが増えるのを好ましくないと思っていますよね』


 その発言に思わずドキリとして、手に握るモーニングスターに思わず力が入ってしまう。


「な、何を言って……」

()()()の家族は母親が3人。そして今の現状はそれに合致している。

 だから【ミノタウロス】の時も、あのお嬢様口調の人が先輩の膝に座ってベタベタしていることが内心許せなかったし、今もこれ以上ハーレムメンバーを増やす事に積極的ではない。そうですよね?』


 ……自分自身と問答するというのは嫌ですね。

 的確にこちらの心情が分かってしまうのですから。


 ですが、そんな事今この場では関係ない!

 こんな事でわたしが取り乱すと思ったら――


『その気持ちがワタシを強くする……。これがあなたの“強欲”なんですね』


 違った。

 これはわたしの動揺を誘う為じゃなく、自分の力を最大限に引き出すための行動だった。

 この試練はただのドッペルゲンガーとの戦いじゃなく、“強欲”と“傲慢”の魔女の試練だということを失念していた!?


『ああ先輩。ワタシと理想の家庭を築きましょう。妻となる女性は3人まで。冬乃先輩咲夜先輩、そしてワタシ。ですから、そのためにはあなたは邪魔なんですよ!!』


 くっ、力が増した……!?


『死んでください! 先輩と幸せになるために、あなたは必要ない存在なんですよ!!』

「ふざけないでください! 所詮あなたはわたしのコピーで、この場限りの存在のくせに!」

『違います。ワタシはドッペルゲンガー。ならばあなたと入れ替われば済むだけの話です。

 安心してください。あなたの代わりにワタシが先輩達と幸せになりますから』

「寝取り発言はいい加減にしてください!!」


 偽者風情に立場を乗っ取られてたまるもんか!!


気に入っていただけたらブクマと☆の評価をお願いします。


カクヨム様にて先行で投稿しています。

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― 新着の感想 ―
[良い点] いきなり精神にクリティカルなタイトルを、、、 過去ではなかった(*´Д`*) [一言] これは、締め技で決着か?つまり寝技(意味深)が強い方がかつる!!
[一言] パートナーを寝取られるの自分自身(偽物)と異性、どちらがマシかなぁ
[一言] あんまりヒロイン増やすと、セリフとか出番とか、めんどくさいですしね。
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