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ああ、課金してぇーー!!!~課金できないから現代ダンジョンでレベルを上げる~  作者: 甘井雨玉
8章

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24話 相談

 

 月夜ちゃんにお願い事をされた後、月夜ちゃんは咲夜に見つからないようにコッソリ来たため今は見つかりたくないということで、詳しくはまた後でということになり、ひとまず連絡先を交換して月夜ちゃんと別れた。


 その後は咲夜と共にいくつかの催しを見て回って文化祭1日目が終了した。

 色々あって楽しかったし、女の子と一対一でまともにデートしたのなんてこれが人生初めてだっただけに感慨深い1日だったな。


 もっとも1日はまだ終わっていないのだけど。


「来ていただきありがとうごさいます。急に訪れて半ば強引にお呼びしたのでもしかしたら無視されるかもと思いまし、た」

「咲夜のことについてだしね。それに咲夜の妹さんを無視することなんてできないよ」


 僕は月夜ちゃんに呼ばれ、学校から少し離れた場所の公園で再会した。


 いつもであれば乃亜達と共にダンジョンに向かったりするのだけど、文化祭の期間はダンジョンに行かないことになっているので今日は幸いにも時間はある。

 まあ本来なら乃亜達と一緒に帰宅したんだろうけど、今日は用事があると言ってここに来ている。

 彼女と帰らず別の女の子に会いに行くなんてまるで浮気みたいだけど、断じてやましい気持ちはないので勘弁して欲しい。


「それで、咲夜との仲を取り持って欲しいって言っていたけどどう言う事かな?」

「はい……。ハッキリ言ってしまえば、月夜や両親とお姉ちゃんはあまり仲が良くありま、せん」

「そうなの? 友達がいなかったのは聞いていたけど、家族とも仲が良くなかったのか」


 でも確か前に家族にも怯えられているとか言っていた気がするな。


「正確には上手く接する事が出来ていないん、です」

「どう言う事? やっぱり咲夜の力が怖いから?」

「いえ、月夜はお姉ちゃんの力を怖いと思った事はない、です。ただ()()()があるだけで」

「負い目?」

「はい。月夜が幼い頃、病弱のため病院を行ったり来たりする毎日だった、です。

 お姉ちゃんが特別な施設に預けられている間、両親は忙しい中体が丈夫じゃない月夜にかかりっきりでした。

 そのため、両親は施設に預けられているお姉ちゃんとの月に1度の面会の時も、疲労が酷くて会話もおざなりだったと言っていました。

 それに加え最初の頃は両親はお姉ちゃんの力を恐れていた時があり、それらの事を後悔していて、お姉ちゃんが人と上手く接する事ができないのは自分達のせいだと思って、ます」


 好き嫌いの感情ではない話だからちょっとホッとした。

 しかし負い目となるとそれはそれで困った話だ。

 相手に借りがある状態では対等に接する事ができない、みたいなものだから。


「そんな風に負い目を抱えてるせいか、ようやく家に帰ってこれたお姉ちゃんと上手く話せていない、です。

 お互いぎこちないというか、これ以上関係を悪化させないよう刺激しない様にしている感じでして」


 その状態なら咲夜が積極的に話しかけて行けばいずれ改善される問題だったのだろうけど、僕と初めて会った時仲良くなるために漫画を鵜呑みにして戦いに来たくらいだし、コミュニケーション能力が低いからどうしようもなかったんだろう。


「ですが最近そのお姉ちゃんが楽しそうにしていて。どうしてなんだろうと思っていたらハーレムを作ったという噂を耳にした、です」

「……1つ聞きたいんだけど、月夜ちゃんって年いくつ?」


 噂を聞いたと言われ、思わず気になった事を反射的に口にしてしまった。


「13歳で中1ですけどそれがどうかしました、か?」

「ぐふっ」


 僕は思わず膝から崩れ落ちてしまう。

 他校の、それも中学生にまでそんな噂が流れていることを知り、酷いダメージを負った気分だ。


「だ、大丈夫です、か?」

「き、気にしないで……」


 いけない。これ以上は中学生に介抱される情けない高校生になるのはいけない。

 気力を振り絞って立ち上がり、何でもないと軽く手を振って示す。


「えっと、咲夜のハーレムの噂を知ったんだよね。それで何で僕にお願いを?」

「鹿島さんはお姉ちゃんと恋人になるほど仲が良い、です。ですから鹿島さんを通してお姉ちゃんとの関係を改善できないかと思い、相談しようと思いまし、た」


 なるほどな。

 ……いやなんで僕?


「乃亜や冬乃、咲夜と親しい女の子もいたのになんで僕に?」

「高校生でハーレムを築けるほどの人なら、コミュニケーション能力も高いと思いまし、て」


 ほぼほぼ成り行きでありコミュニケーション能力とか関係ないのだけど、期待している目で見られているこの状況では否定し辛い。

 それに赤の他人ならともかく、咲夜の家族の事なのだから力になれるのであれば力になって上げたいよね。


「分かった。どこまで出来るか分からないけど、手を貸すよ」

「ほ、本当ですか!」

「うん。その為にはまず乃亜達にも紹介した方が良いかな。他の人の協力も仰ごうと思うけど大丈夫?」

「はい。よろしくお願いします」


 まずは乃亜と冬乃に連絡を入れよう。

 直接会って話したほうがいいだろうから、来れそうならこの公園に来てもらおうかな?


ようやくたどり着きたいとこまで来た。

ん?そう考えるともしかしてこれ折り返し?

いやいや、さすがにそれは……。あと10話以内になんとかこの章終わらんかな?


気に入っていただけたらブクマと☆の評価をお願いします。


カクヨム様にて1話先行で投稿しています。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 心温まりそうな感じ 大好物です(*゜∀゜*) [一言] 明けましておめでとうございます! 今年も更新楽しみにしております(*´꒳`*)
[一言] 次回数ヵ月後の話にしたらあっという間に終わるよ! この数ヵ月の間なんやかんやあって問題が解決したってな! 僕じゃなかったら思いつかない天才的な対処法だね!
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