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ああ、課金してぇーー!!!~課金できないから現代ダンジョンでレベルを上げる~  作者: 甘井雨玉
8章

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3話 一気にレベルが増えた弊害。それは情報過多(3)

 

 最後に僕となるわけだが、まあ当然のごとく戦闘中はスマホをポチポチするだけで変化はないですよ。


「まるで自分は何の変化もないと言いたげな顔をされていますが、一番変化があったのは先輩ですよね?」

「あれだけレベルが上がったのに課金額が変わらないなら、変化していないのと同じじゃない?」


 なぜ100レベルも一気に上がったのに[ソシャゲ・無理のない課金]時の課金上限が増えないのかが解せない。

 月5000円ってどうなの? 高校生なら5万はいくよね?


「蒼汰がどう思っていようと、蒼汰の新しい派生スキルはかなり有用じゃない」

「本人にもっと還元してくれるとなお良しなんだけどなあ」

「色々助けになってる、よ」


 そう。先ほど乃亜が僕のお陰で時間があると言っていたけど、それは比喩的な意味でも間接的な意味でもなく、その言葉通りの意味で僕は時間を操れるようになった。

 まあ限定的にだけど。


 ───────────────

 鹿島 蒼汰

 レベル:319

 HP(体力) :749/749

 SV(技能値):783


 スキルスロット(2)

 ・[ソシャゲ・無課金]

 →派生スキルⅠ:[ガチャ]

 →派生スキルⅡ:[チーム編成]

 →派生スキルⅢ:[放置農業]

 →派生スキルⅣ:[カジノ]

 →派生スキルⅤ:[ログインボーナス]

 →派生スキルⅥ:[フレンドリスト]

 →派生スキルⅦ:[マンスリーミッション]

 →派生スキルⅧ:[Now Loading]

 →派生スキルⅨ:[時短戦闘]

 →派生スキルⅩ:[クエストステージ]

 →派生スキルXI:[ショップ]

 →派生スキルXⅡ:[画面の向こう側]

 →派生スキルXⅢ:[助っ人召喚]

 ・[ダンジョン操作権限(1/4)]

 ───────────────


 派生スキルⅨの[時短戦闘]だ。

 このスキルは僕とそのパーティーが戦闘を行う際、その空間内の時間の進みを早くするというもの。

 体感する戦闘時間はいつもと同じなのだけど、戦闘にかかってる時間は二分の一になるんだ。

 もっとも戦った事のある相手限定ではあるのだけど、そんな制限はほとんどあってないようなものである。


「[時短戦闘]だけじゃなくて[ショップ]もいい派生スキルよね。おかげでお店で手に入らなかった[浄化]を集めた魔石と交換することで手に入れられたわけだし」

「魔石が必要とはいえ、狙ったスキルオーブが手に入るって相当レアスキルですよね」

「冒険者組合から魔石とスキルの交換依頼が来るくらいだから、乃亜の言う通りこんなスキルを持ってる人ほとんどいないのかもね」


 [ショップ]は魔石と交換でスキルオーブや日用品などが手に入るスキル。

 ……僕のスキル、日用品出過ぎじゃない?


 それはともかくスキルオーブの交換には必要な魔石は多いものの、本来であればダンジョンからでしか産出されないものが手に入るのだ。

 こんなスキルのせいか冒険者組合にはきつく口止めされており、[ショップ]スキルに関しては家族であっても口外禁止となっていてる。

 そんな話をする家族が傍にいないから全然問題ないわけだけど。


「[ショップ]はまだいいスキルだけど、他の派生スキルの[クエストステージ][画面の向こう側][助っ人召喚]の3つは正直微妙かな~」

「そうですか? [画面の向こう側]は身を守れますし、[助っ人召喚]は切り札になりますよね」

「[画面の向こう側]はデメリットの方がキツイよ」

『ご主人さまの目的がレベル上げであることを考えると、無意味以外のなにものでもないのです』


 [画面の向こう側]:スキル使用者専用の異空間に入ることができる。[チーム編成]を起動している状態に限り使用可


 スキルの効果を見る限り、一見何の問題もないように見える。

 実際使ったところ他のみんなが戦闘中に僕だけが白い空間内に移動させられ、戦闘の様子をスクリーンで見ることができるし、声で指示することも問題なくできた。


 では何が問題化となるのだけど、アヤメの発言から分かる通り経験値が一切入らないのだ。


 異空間に入った状態で乃亜達が魔物を倒した後、異空間内で『異空間内のため、経験値は入手できません』とアナウンスがあったんだ。

 いや、先に言えよ。


 それに異空間のため声を届けられるだけで【典正装備】での援護は出来ないし。

 普段使いすることはまずないので産廃である。

 そして他2つもご覧の有様だ。


 [クエストステージ]:ダンジョン内でのみ使用可能。1日3回、強化素材をドロップする戦闘を行うことが出来る

 [助っ人召喚]:[フレンドリスト]に登録されている人物のコピーを1日1度だけ一時的に召喚出来る


 [クエストステージ]で手に入る強化素材は〔成長の種〕とかであり、僕を強化してくれるわけではない。

 [助っ人召喚]は【典正装備】は無理だけど、咲夜のコピーを召喚できるが1日1度だけで使いづらいのだ。

 普段使いできる派生スキルが生えてくれよ。


「新しい派生スキルでマシだったのは[時短戦闘]と[ショップ]くらいか」

「確かにスキルはそうだけど、蒼汰は乃亜さんと同じで【典正装備】手に入れてるじゃない」

「ああこれね。一応ラミアクイーンと対峙した時使えたら使うけど、戦闘ではまず使えないよ……」


 何故よりにもよってコレなんだ……。


気に入っていただけたらブクマと☆の評価をお願いします。


カクヨム様にて1話先行で投稿しています。


ラーテさんという方がファンアート描いてくださり、それ見たさにTwitter始めました。

興味のある方はご覧いただければと思います。

作者、大歓喜!

ラーテさん、ありがとうございます!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] [画面の向こう側] これはこれは なんて悪用のしがいのゲフンゲフン! なんて無駄なスキルなんだ!! [一言] うひぃ((((;゜Д゜))))))) また、描く時間ができましたら こりずに…
[一言] 助っ人召喚は女装アイドル呼べれば無茶し放題なのでは…
[良い点] 相変わらず支援特化のスキル構成ですね、蒼汰くんは。でも、無課金以外はわからないと母親が言ってたわりに、蒼汰がとにかく安全になるようになっているのは面白いな。やはり影響が出てるのでは。 [気…
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