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ああ、課金してぇーー!!!~課金できないから現代ダンジョンでレベルを上げる~  作者: 甘井雨玉
7章

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30話 厠

 

≪蒼汰SIDE≫


 離れた場所で謙信と戦っている亮さん達が見るからにピンチになっていた。

 亮さん達が謙信と戦えるようにスケルトンを排除していた冒険者達は、周囲のスケルトンが亮さん達へと近づかない様にするので精一杯っぽいし……。

 沙彩さん達数人だけなんとか亮さん達を救出しようとしているけど、謙信が亮さん達を攻撃しようとするのをなんとか止めれてるくらいか。

 あ、(ドワーフ)さんがなんとか復活して止めを刺そうとした謙信の攻撃を防いだけど、また吹き飛ばされてるし。


 明らかに亮さん達が絶体絶命の状態だけど、だからといって援護に向かうにはこちらに向かってくるスケルトンの数が多くて不用意にこの場から動くこともできないし、どうしたものか……。


 普通ならこの中で一番の戦力である亮さん達が殺されそうになっているならもっと焦ったりするものなんだろうけど、幸いにもこうして落ち着いていられるのは生き返れる保証があるからだ。

 そうでなかったら他のみんなもパニックになってた可能性が高そうだ。


「なんとかして謙信の気を引いて、亮さん達が立て直せる時間を作れないかな?」

『そうは言いますがご主人さま。まだ右から298体、左から407体こちらに向かって来ていますので、あの方々の手助けなんてしている余裕はありませんよ?』


 アヤメの言う通りスケルトンをまだまだ減らしきれていなくて、僕らも正直こっちの相手で手一杯だ。

 さすが武将2体分の力を取り込んだのもあって、これはどうにもなりそうにないかと思っていたら、乃亜から腕を突かれた。


「……なんとかなる、かもしれません」

「えっ、マジで?」

「はい。先ほど謙信が先輩に言ったセリフからいって恐らくは」


 ここから遠距離攻撃なんてしたら間違いなく亮さん達を巻き込むし、そもそも乃亜には遠距離攻撃手段がないはずなんだけど、どうするつもりなんだろうか?


 まさか亮さん達ごと咲夜に〝神撃〟を撃ってもらうとか?

 今の謙信だと、亮さん達だけ蒸発しそうな気がするからダメだろうし……。


「一体どうするの?」

「先輩、メガホンか何かありますか?」

「拡声器なら出せるけど」

「普通持ってるとしても逆じゃないかしら?」

「蒼汰君だから、ね」


 冬乃と咲夜はスケルトン達に攻撃しながらこっちをツッコまないで欲しいかな。


 それはともかく僕はすぐさま[フレンドガチャ]から拡声器を取り出すと、乃亜に手渡した。


「ありがとうございます先輩。それともう1つお願いが」

「何? こんな状況だしなんでも言って」

「ではキスとボディータッチ、激しめでお願いします」

「ラーメン屋で麺の硬さを選ぶようなノリで言わないでくれない?」


 なんでもするって言ったけどさぁ~。


「[強性増幅ver.2]で強化をできるだけしないと、正直何秒持たせられるか分かりません。迷ってる時間は無いので急いでください!」

「わ、分かったよ」


 女の子にグイグイこられてタジタジな辺り、ちょっと、いやかなり情けない気がするけど、こればかりは慣れないよ。

 ラッキースケベで割と色々触っているとはいえ、受動的なのと能動的なのでは大いに違いがあるし。

 しかし今はそんな事を言っている場合じゃない。

 急いで乃亜に性的な事をしないと!


「それじゃあいくよ」

「お願いします。……んっ」


 ――チュッ、チュッチュ、チュル


 抱き合って舌を絡めるディープキスを行いながら、乃亜の身体をまさぐるようにできる限りいやらしく触る。

 お尻はもちろん、胸を触ったり、あえて背中をゆっくりとなぞったりする。


「いや、何やってるんだ!?」


 左の方攻撃していた冒険者の人達がこっちを見て驚いてるよ。

 うぅ、こんなところ見られた。恥ずかしくて死ねる……。


「スキルの前準備です。気にしないでください」

「一体何のスキルなんだ……!」


 冬乃がフォローしてくれたけど、説明が足りないせいでより困惑させてしまってるな。


「ぷはっ、もういいかな?」

「……これが先輩の部屋で行えたなら」

「急いでって言ったの乃亜だよね!?」


 それ以上はいけない。


「そうでしたね。それじゃあ皆さん、おそらく謙信がこちらに向かってくるので警戒してください!」


 乃亜が正気に戻った後、周囲に大声でそう呼びかけた。

 何故確信をもってそんな事が言えるんだろうか?


 その疑問はすぐに解消されることになった。


『世継ぎも作らないで厠で死んだ謙信さーん! 私から殺すんじゃないんですかー!!』


 拡声器ごしに大声でとんでもないこと言い始めたぞ。


『あ゛?』


 すんごい形相でこっちを、具体的には乃亜を睨みつけてきたのが離れていてもよく分かった。


『あっ、あなたはあの時の娘! 一緒に来ていたのですね!』


 分からなかったのか、って今の乃亜はアイマスクで顔を隠していたし、冒険者の人達が50人もいて身長の低い乃亜は目に入らなかったのかもしれない。


『ふっ、ふふ……。一度ならず二度までもそれを口にするとはいい度胸です。そんなに死にたいのであれば殺してあげますよ!!』


 謙信が毘沙門天と共に亮さん達を無視して、周囲にいるスケルトンすら邪魔だと薙ぎ払いながらこちらに向かって来た。


 謙信が僕を苦しませないよう殺すことを覚えていたから、乃亜はこの方法でなら謙信の気を引くをことができるだろうと思ったんだろう。

 確かになんとかなったかもしれないけど、僕らが滅茶苦茶ピンチだよ!?


気に入っていただけたらブクマと☆の評価をお願いします。


カクヨム様にて1話先行で投稿しています。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 周囲のスケルトンが亮さん達に近づかせない様にする
[一言] なんとかさんもそうだったけど、生前の心残りと思われる逸話には過剰反応するのだなあ
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