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航空機搭載潜水艦伊400最後の出撃  作者: 飛龍 信濃
呉空襲 連合艦隊の終焉
75/112

第74話連合艦隊の終焉&シンガポールにて

遂に連合艦隊の終焉編が終わります

「かなり手痛くやられたみたいだな。」

「というか、全滅といってもいいのではないですか?」

呉空襲で帝国海軍が受けた損害は、伊400の幹部2人にすらそう思わせるほどのものだった。

「もう稼働艦は、駆逐艦や潜水艦程度だな。」

「 もう、巡洋艦以上がほとんど壊滅してますからね。」

「俺らも、愚図愚図していられないということかな?」

「今はむしろ、じっくりと工事を進めたほうが、良いと思いますが?」

「佐伯中佐と長原技術少佐に聞いてみるか。」

そう言って、伊400艦長日下中佐は副長の渡辺大尉を引き連れて、艦外で作業していた長原技術少佐にまず声をかけた。

「作業の方は、どうだ?」

「日下中佐では無いですか。作業の方は順調に進んでるので、予定通り8月5日には終えられると思いますよ。」

「なるほど、佐伯中佐にも話を聞きたいんだが、ついて来てもらっていいか?」

「私は別に構いませんが、如何されたのですか?」

「工員や乗員には聞かれたくない話だから、港湾部部長室で話したい。」

長原技術少佐は少し考え込んでから答えた。

「分かりました、行きましょう。しかし作業のたまたげにならない程度の時間にしてくださいよ。」

「そこは分かってるよ。」

ドックから、港湾部のある建物までは、さほど遠くない為、歩きで行くことになった。

「なんの話ですか?」

「工員や乗員には聞かれたくないと言ったろ?まあ、一つは工事を急がせても問題はないか、と言うことなのだが、どうかな。」

「工事を急ぐ理由はなんですか?」

「今は言えないが、可能かどうかを聞きたい。」

「出来なくはないですが、確実を期すならこのまま、5日に完了させるのがいいと思いますが。」

「あと今日を入れて8日か、長いのか短いのか、分からんな。」

「でも艦長、焦ってやり直しになるのは、避けたほうが良いのでは、無いですか?」

「確かに、事故とかを起こされるよりはましか。」

「晴嵐が一機それで、修理不能になってしまいましたからね。」

そう、晴嵐を修理中焦ったのかは定かでは無いが、クレーンの操縦員が操作を誤り、火星一一型発動機を落下させてしまったのだ。

晴嵐自体には、損傷がなかったが火星一一型発動機は使い物にならなくなってしまった。

しかも、予備の発動機が無かったため、その一機は他の2機が大きな損傷を負った時のパーツ取りに使用される事になった。

「確かにそれは、痛手ですよね。」

言ったのは長原技術少佐だ。

そう、晴嵐が一機でも使えなくなるということは、航空機を搭載している利点が、減るということになる。

伊400が図体をここまで大きくし、隠密性と言う潜水艦元々の利点を減らしてまで、航空機を搭載したのは航空機の持つ索敵力を生かすためだった。

だから、搭載機による攻撃は本来はお門違いといってもいい。だが図体を大きくした伊400の場合は違う。むしろ大きくした図体に3機の特殊攻撃機を搭載することによって、遠隔地の敵拠点を奇襲することに重点が置かれていた。

だが、3機の搭載機を得たことにより、索敵力も同時に向上している。

その搭載機を生かしたのが、パナマ運河攻撃作戦なのである。

さらに伊400には、地球を一周半できる航続距離があった。

その航続距離を生かしたのが、オーストラリア沖での通商破壊作戦だった。

伊400は、わずか1回の出撃で持てる能力のかなりを発揮していたのだ。それは、この大戦での日本艦をが直面した、作戦の拙さによって、本来の目的に使用される前に沈んでしまうといった、事には陥らず本来の目的に使用されたということである。

そう、伊400は珍しく建造目的を果たした艦であったのだ。

と言うよりも、最適な作戦に投入されたとも言えるだろう。

その最適な作戦への投入によって、伊400は生き残っていたのではないだろうか。

「そうなんですよ。これでは本領を発揮できませんから不便ですよ。」

「なるほど、どの辺が不便なのですか?」

「艦長、ここは私が。」

「じゃあ副長、説明して差し上げてくれ。丁寧にな。」

「分かりました。何が不便かと言うことですが、3機あった晴嵐が2機になってしまったために、3線出せていた索敵戦が、2線に減ってしまった事です。

単純計算でも、3割の偵察面の減少です。ですから、敵を見落とすという危険が出てきたのです。」

「そういう事ですか。やはり航空戦力では遠く、空母には及ばない、という事ですね。」

「その通りです。もっとも、水上機母艦と比べてもらったほうが、分かりやすいと思いますが。」

「どうしてです?」

「艦載機と水上機の性能が、違いすぎるからですよ。まあ、水上艦にない利点といえば、航空機を発艦させる時以外は潜行していれば良いので、敵に発見されずらいというのがあります。」

「なるほど、と言うことはあくまで隠密作戦に投入すべき、艦なんですね。」

「ですから、使い所を誤らなければ、今回のような戦果が望めるというわけです。」

「そろそろつきますよ。あそこに港湾部の建物が、見えてます。」

「結構きてたみたいだな。集中してるとやはり、時間の流れが短く感じるな。」

第74話完

ここまで長かった・・

今日からしばらく1話投稿になります

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