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航空機搭載潜水艦伊400最後の出撃  作者: 飛龍 信濃
呉空襲 連合艦隊の終焉
65/112

第64話連合艦隊の終焉⑧

読みづらいです

「まだ、伊勢に攻撃が集中してるから、良いようなものの、いつ榛名に攻撃が集中するか?大体、敵のロケット弾には耐えたが、500キロ爆弾には耐えられるかわからない装甲なんだ。本艦よりも装甲が厚いはずの日向がすでに破られ、艦内をめちゃくちゃにされているんだ。下手をしたら、本艦のような装甲では弾薬庫で誘爆を起こし沈んでしまうかもな。

いや、重巡でも耐えられるんだ。いいところで沈みはしないが、機銃や高角砲に多大な損害を食らうか。」

吉村艦長はボソボソと伊勢の方向を見ながら、呟いている。

艦の幕僚は、そんな艦長を不審に思っていたが、榛名への攻撃はやんでいたため、苦言を呈することもなかった。

今榛名の艦上では、先ほどの攻撃で受けた損害の修復が大車輪で進められている。

少しでも邪魔になるものはどかし、甲板をきれいにしていく。

しかし、周囲に飛び散っている血肉を取るのには難儀していた。

見た目がグロい上に、取りづらいのだ。

それにしても、アメリカ攻撃隊の攻撃は、まだまだ続いている。アメリカ機を対空砲火で落とす場面も見えるが、大勢は決していた。

いや、直掩機のなく燃料不足で動くこともできない、連合艦隊最後の艨艟たちに勝ち目があるはずがなかった。

こうしているうちにも、被害は積み重なっていく。

もう、連合艦隊の歴史が終わろうとしているのは明らかである。

今もまた、一隻の巡洋艦が被害に耐えられなくなり着底していく。


「派手にやってるみたいだな!」

友軍の苦戦を助けるために一度様子見をする事とし8000の高空から、眼下で繰り広げられている死闘を見ると、一種の芸術のように見えた。黒煙はたなびき、水柱は乱立している。さらには、弦側が対空射撃の発砲炎によって真っ赤に染まっている艦も1隻や2隻では無い。

その中で、一隻だけ黒煙をたなびかせていない艦があった。そいつが、目標だ。

うーん、いつ飛び込んだものかな。


「随分やられてるな。もう殆どの艦艇が、やられてしまってるではないか。」

金沢中将が、長官室の窓から湾内の惨状を見て呟いた。

それにしても、酷い。アメリカは、どれだけの力を持っているというんだ。

もう、連合艦隊は何一つ反撃できてないではないか。

彼は、敵の巨大さと味方の不甲斐なさに、虚しさを感じていた。

もう、防空隊を出すことすら出来ないのか。

皇国はこの惨状で何時まで、戦争を続ける気なんだ?

陸軍の上層部は、この現実が見えてないのか?

いや、見えてるがな今迄負けたことがないという皇国の歴史に、泥を塗ってはいけない。

となどという、くだらない理由では無いだろうか。

皇国は、どこに向かおうとしているのだろう。この状態で、本土決戦を、などと言った所でアメリカが本土上陸作戦を実施に移さなければ、意味がないだろうな。

しかも、敵戦車に対抗できる戦力が、ほとんどと言っていいほど無く、ほとんど運頼み的な状況だとも聞くからな。


日本陸軍の現状は、そこまでひどかったのである。簡単に現状を言えば、一式機動47ミリ速射砲もしくは、対戦車特攻でしか戦果を期待できないという、惨状であった。

現状のM4シャーマンでさえそうであったのだ。

西部戦線では、単独ではドイツ陸軍の、Ⅴ号戦車パンターや、Ⅵ号戦車ティーガーに体良くあしらわれていたが、アメリカ得意の物量作戦と、制空権を握り続ける事により、空からの援護によって、おしかえしたのは、有名な話である。

しかし、それでも多大な損害を被ったために、M26パーシングの実戦投入をしており、ティーガーと互角の勝負を演じていた。

M4シャーマンには、一式機動47ミリ速射砲が何とか対抗でき、沖縄戦でも待ち伏せによって、戦果をあげていたが、それをはるかに超える戦車である、M26パーシングを撃破できると期待できるのは、対戦車地雷程度しかなかったのだ。

しかし、海軍にはまだ対抗可能な砲が残っていた。

長10センチ高角砲である。

まだ対戦車戦闘を行ったことはないから詳しいことは言えないがが、初速が1000メートルという速さと10センチという口径の大きさから、撃破を狙えるのではないかと思われる。

しかし、制空権を失った戦場ではそんな物の意味はなくなってしまう。

常に弾着観測機を飛ばすことによって、どこか怪しいところがあれば、即座に砲撃を加えて来るからである。


「今でさえ、制空権を取れてないんだ。本土決戦を行った所で、惨敗に終わるだろうな。」

日本側にその制空権を、取れるだけの戦力はない。

殆ど対抗できず、一方的な戦いで終わるのでは無いだろうか?

そう、彼は思っていた。


「いいか、戦いはまだ続いてるぞ!気を抜いたら、日向みたいになっちまうぞ!」

榛名艦長吉村大佐が、乗員に発破をかけるために言った。

度重なる攻撃によって、日向の艦上は荒れ果てており、さらに浸水が始まってしまってのだろう、若干傾斜を始めていた。

まだ激しく敵と砲火を交えているのは、榛名と伊勢、そして空母葛城程度になっていた。

終わりは近い。

第64話完

実際の所どうだったのかは分かりませんが、行けたんじゃないかよ思ってます

長10センチ高角砲の対戦車戦闘

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