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異世界版でデスゲーム  作者: 妄想日記
第一章 幼児編
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第8話 四才 躾

 四歳にまで成長したボクたちのところへなぜか二人の美少年が連れて来られた。

 歳はボクたちより少し上くらいだろうか?

 まさか……いや、でも……万が一にもありえないけど……許婚……とか…………。

 ボクは恐怖を振り払って母さんに聞いてみた。


「母さん、この人たちは?」

「あなたたちもそろそろ男の躾け方を学んでもいい年頃だと思ってね。ちょっと私に逆らえない子爵のところから見目麗しい子たちを借りてきたのよ。向こうもどうぞどうぞって真っ白な顔をして笑顔で差し出してくれたわ」


 母さん……それは恫喝どうかつというのでは……。


「リーゼはこんなのいりません!」


 横にいたリーゼがいち早く拒絶する。

 こんなのって……何気に酷いな。

 でもその意見にはボクも同感だ。はっきり言っていらない。


「それよりもお母様、お姉様の躾け方を教えてください!」

「おい……」

「あらあら、多分この子たちより難易度低いわよ」

「ちょ、母さん!?」

「ふふっ、冗談よ。半分はね」


 は、半分だけですか!


「大丈夫よ。相手に手玉に取られないための方法もきっちり教えてあげるわ」

「そ、それはお願いします。本当に。心の底から。あとボクは、気の強い年上女性の躾け方を知りたいなぁ……なんて」

「それはそろそろセフィリアのことを抱く準備ができたということかしら?」

「ちょっ!?」

「アンネリーゼ様、御戯れが過ぎます」

「そ、そうだ!セフィもっと言ってやって!」

「既に私ほどヴァレリア様に従順なダークエルフは他に御座いません」

「そうそう。そのと……って違ーーーーう!!!」


 なぜだ……おかしい!なぜボクがツッコミ役などになっているんだ!


「って、だからそうじゃなくて……」

「もしかして私狙いかしら?多分ヴァレリアだと私のことを持て余すと思うんだけど……」

「か、母さんに手を出そうなんて考えたこともないから!」


 何てことを言い出すんだこの人は!

 いくらボクもそこまで命知らずじゃないって…………。


「そう?残念ね」


 ふふっと笑うとお母様は全くこれっぽっちも残念じゃなさそうに言葉を続けた。


「確か、将来迎えに行く予定の女の子の話よね」

「そうだよ。全くもう……」


 そうなのだ。

 実は全部説明しているわけじゃないんだけど、将来嫁になるであろう姫のことを母さんとセフィにはちょっとだけ話してあったのだ。


「その娘が気の強い年上の女性……っていう設定なのかしら?」

「いやいや。設定じゃないから!」

「お姉様の残念な脳内では残念ながらそういうことになっています」

「ちょ!おまっ!なにひとを頭のおかしな奴に仕立て上げようとしてるんだよ!設定じゃないから!脳内彼女とかじゃないからね!」


 リーゼの奴は隙を見せれば姫のことをすぐになかったことにしようとする。

 なんて恐ろしい奴なんだ…………。


「それにしても二人とも女しかダメだなんて勿体無いわね。男だって結構いいものよ?」


 そう言われてもボクには姫がいるし……ウホッなんて想像もしたくない。


「愛するお姉様の性別がたまたま女だったというだけです」

「……お前は少し他に目を向けても罰は当たらないと思うぞ」

「どうして目の前にステーキが転がってるというのに、ピーマンなんかに目を向けないといけないんですか?」


 お前どんだけピーマン嫌いなんだよ……。野菜も食え、野菜も。というか転がってないからね、そのステーキ。オリハルコンの檻で守られてますよ?


「うーん、そうなってくるともうこの子たちはいらないわね。テラ、親御さんの下へ送り返して上げなさい。首だけ」

「畏まりました」

「ちょちょちょちょちょっ!」


 ちょっと待て!それはどんな論理展開だ!

 母さんの言葉を聞いて二人の美少年が声を殺して涙を流し始めた。


「ふふ、もちろん冗談よ」


 ブラックジョークにも程があるぞ!というか本当に冗談ですよね?


「テラ、丁重にね」

「畏まりました」


 そしてボクたちはその後これまた連れられてきた子爵の娘さんたち相手に躾けの仕方を勉強することとなった。

 まだ四歳児ですよ……。

 ダークエルフマジぱねぇっす。


 女の習い事は男よりも遥かに多かった。

 男は女を悦ばせる方法さえ覚えればいいのに対して、女は相手を屈服させる方法、支配する方法、上手く操る方法、悦ばせる方法、そして自分が支配されないための方法を学ぶ必要があるらしい。

 いや、正直姫を支配するよりどちらかというと支配されたいから、悦ばせる方法さえ教えてくれればいいんですけどね。

 と思っていたが、母さん曰くこれは女として最低限の教養よ、としっかり教え込まれることとなってしまった。

 そんなことを当たり前のように学ばなければならないダークエルフの性文化は日本より遥かに進んでいるようだ。

 そして子供に自ら性教育を施す母さんには一生頭が上がらない気がする。

 でももちろん最後の一線を守っているどころか、直接的なことはキスすらしていない。

 技巧に関しては道具を使って練習したし、あとは言葉や視線の投げ方、そして空気の作り方と人の心理を勉強したくらいだ。

 なんと言ってもボクの初めては全部姫のものって決めてるからな!むふ。

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