閑話 シルベリア聖典 第二章
〇NK(ナチュラルキラー)細胞/忍者型モンスター
免疫細胞の一種であるリンパ球の中で、キラーT細胞と相補関係にある大型の細胞。攻撃力は「大」。
顆粒状の身体は身を隠すのにうってつけであり、また同じく身を隠している対象を発見する能力に優れている。
どんな細胞にも必ず存在する自己マーカー(MHCクラスⅠ分子)を喪失している対象を攻撃する。
キラーT細胞と同じく、飛ぶ斬撃である《パーフォリン》、一刀両断技である《グランザイム》という遠近両方の攻撃法を持つ。
要注意モンスターに指定。
〇MHCクラスⅠ分子/自己の象徴を示す糖タンパク質
MHC(major histocompatibility complex、主要組織適合遺伝子複合体)から作られる糖タンパク質。
MHC分子にはクラスⅠとクラスⅡが存在し、クラスⅠ分子はほとんど全ての体細胞の表面に存在する。
NK細胞が正常な細胞を攻撃しないのは、MHCクラスⅠ分子が深く関係している。
自己性を喪失した細胞(=MHCクラスⅠ分子の発現低下)を異常細胞として認識し、攻撃するのがNK細胞であり、自己性を保有したままの細胞による暴走は他の免疫細胞により認識され、破壊される。
薬師魔法のうちのひとつ『擬態魔法』は、このMHCクラスⅠ分子の発現を低下させることが分かっている。
〇レギュラトリーT細胞/僧侶型モンスター
免疫細胞の司令官的存在であるヘルパーT細胞の亜種。
強化魔法である《サイトカイン》とは逆の働きを持つ《リ・サイトカイン》を唱え、免疫細胞の過剰な働きを抑制する(=免疫抑制作用)。
法衣を着た中肉中背の気弱な僧侶で、他者に敵対心を持たない。
リンク中はこの免疫細胞を発見できるかどうかで生還確率が大きく変動する。




