Chat.05 Ratatoskr 03
【Chat Room Ratatoskr 03】
◎nazna1209さんが入室しました
01:はとむぎ
おー、おつかれさん
02:nazna1209
負けちゃいました(;-; )
03:はとむぎ
いや、でもいい試合だったよ
04:理解屋
だね
エゴキメ(略)良かったよ
友達の技の集合体とかアツい
05:はとむぎ
あんたおったんか……(震え声)
06:理解屋
理解屋はどこにでもいるしどこにもいない(決め顔)
07:はとむぎ
でもホントすごかったよ
あれ、てか治療とかしなくていいの?
おなかおもっきし蹴られてなかった?
08:nazna1209
あ、今保健室からスマホで
09:はとむぎ
なるほ
10:理解屋
しっかし折紙弟があんなに押されるとは予想外だったなぁ。いつも寮ですかした顔してるからスッとしたよ
11:nazna1209
でも流石アレンくんって感じで、持久戦に持ち込まれてからはダメダメで……
12:理解屋
エゴキメは多分、多才だけどバランスを考えないと崩壊するタイプだね
もし向上心があるならその筋にあてがあるから紹介できるよ
13:naza1209
ホントですか!? ぜひともです!
14:理解屋
おけまる
んじゃまたあとで元気になったら連絡してね
15:naza1209
はい!
あ、先生来たので落ちます
(・ω・)ノシ
◎naza1209さんが退室しました
16:はとむぎ
結果メモりますね
Aブロック初戦 折紙アレンVS綾織ナズナ 折紙勝利
Bブロック初戦 尾瀬タイガVS妻鹿モリコ 妻鹿勝利
17:理解屋
ねね、Bの初戦ってどんな感じだったの?
18:はとむぎ
ああ、面白かったっすよ
尾瀬はフェニックス寮で背の高い熱血漢ゴリラって感じなんすけど、キュクロプスの妻鹿が多段爆撃式爆殺大魔剣っての出してきて、場外に吹き飛ばしたんすよ
19:理解屋
キュクロプスのいいとこと悪いとこ両方出てるwww
20:はとむぎ
あ、つーことは次の太ももちゃんの相手は妻鹿さんか
あの子は良くも悪くも噂が絶えないからなぁ
21:理解屋
いいじゃん。噂が絶えないという点では太ももちゃんも一緒だし
ま、初戦を勝てれば、の話だけどね
22:はとむぎ
初戦は……
あー
なるほどね
燐燈カザネかぁ
23:理解屋
およそ考えうる最悪のマッチングだね
24:はとむぎ
まああの子なら何とかやるでしょ!
25:理解屋
うっわ、最悪のフラグ立ててやがる
26:はとむぎ
あっ^^
27:理解屋
まあ、楽しもうよ
たぶん、超おもろい試合になるから
28:はとむぎ
やっぱ賭けてるとその分楽しいんすか?
29:理解屋
そうだね~。やる(^-^)???
30:はとむぎ
やー自分は金と度胸がないんでね
31:理解屋
草
32:はとむぎ
でもそういえば綾織3位とか言ってませんでしたっけ
もしかして外した?
33:理解屋
……
…………
………………(通信途絶)
34:はとむぎ
wwwwwwwwww
35:理解屋
や、まだ浅倉折紙のワンツーがあるから!
36:はとむぎ
その試合厳しいんじゃないんでしたっけ??
37:理解屋
(´;ω;`)いぢわる言うなよ~!
38:はとむぎ
理解屋さんが検討外すというか、珍しいスね
39:理解屋
トーナメントのくじばっかりはねー
総当たりなら当たってたもん(-.-)
とはいえ──
わたしにも知らないことは沢山ある
40:はとむぎ
そうなんすか?
41:理解屋
でも知らないことがあるの嫌いだから
知ってるやつ捕まえて聞き出さなきゃね
拷問でもしようかな
42:はとむぎ
怖い怖い怖い
アンタが言うとマジ感出るから
43:理解屋
あははははは
──ジョークに決まってんじゃん
44:はとむぎ
っすよね~
45:理解屋
でも、知りたいのはほんとかな
例えば、天秤座のこと
46:はとむぎ
天秤座???
47:理解屋
ううん。キミは知らなくていいことだ
48:はとむぎ
ふーん。じゃあいいっすわ~
49:理解屋
はははは
キミみたいなやつは大好きだ
***
八神ライザはスマホを閉じると、置いていたペンチを取り、椅子に座る乙女カルラの目を見つめた。
「わたしが思うに天秤座の正義結界天秤はただ東雲スズカと契約しただけじゃないだろ。何を隠してるカルラ」
そっと親指の爪を挟まれた乙女カルラは想像するだけで身体が恐怖に支配された。魔剣師は打撃や衝撃には強いが局所的な痛みには繊細さを見せる。八神ライザはそれを熟知していた。
「ライザさん……。学院に言ったことが全てだ──。それ以外に……あったとしても隠す理由がない……」
「生徒会ならそれで通るだろうね。でも、わたしは真実が知りたいんだ」
八神ライザはペンチを少し揺らした。カルラはそこから動けない。拘束具があるわけでもないのに。
「逃げないの? 出口はあっちだよ」
「逃げたらどうなるか。……想像したくもない」
「わたしは魔剣師の家の子として、生まれてからずっと国民を守る義務を負ってきた。そしてそれは嫌々ではない。わたしは本当に、心から人々を守りたいと思っている。その手伝いをしてほしいだけさ」
「そのためなら誰かを犠牲にすると?」
「わたしが敵視するのは来訪者──悪魔だけだ」
乙女カルラには乙女座が宿る。
「……なら浅倉シオンは?」
「あの子は従順だ。とっても。従順な子は好きだ」
「──どっちが、悪魔なんだろうな」
ペンチが、少しだけ揺らいだ。
「っ──」
「結論から言って。東雲スズカに何が起きてる?」
乙女カルラはこの件に関して八神ライザの介入を良しとしていなかった。それが起きれば、八神ライザの剣聖への道が閉ざされるからだ。
そう、乙女カルラは八神ライザを剣聖に据えたい。そしてそれは彼の背部に居る老人たちの意向でもある。
事実、八神ライザは狂っている。だが、その狂気性は総て市民を守りたいという気持ちから来ている。折紙カナンとはそこが違う。
折紙カナンが剣聖になれば、今の権力主義構造は瓦解するだろう。八神ライザならば傀儡になる。
だからこの事実を伝え、八神ライザが東雲スズカを殺さなければならなくなった時、つまり八神ライザではなく折紙カナンが剣聖になることが確約される時が、カルラにとって怖い。
だが、八神ライザなら遅かれ早かれカルラの持つ真実について気付くだろう。ならば──。
「天秤は、傾いている」
はっと息を吸った八神ライザは、その一言だけで状況を理解した。そして、ペンチを落とす。
カララン。
正義決壊天秤には或る二面性がある。
一つは創造することで均衡を保つ機構。もう一つは、全てを破壊して無に帰すことで均衡状態にする機構。
過去千年の内に世界で起きた自然災害は、そのすべてがこの天秤の後者の性質──極度の破壊性によるものだ。
通常、天秤座の創造と破壊はつり合い、均衡を保っている。そうすれば何も起こらず秩序が維持される。
だが東雲スズカの天秤は今──その後者に傾いていた。
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