第38話 謀反(1)
「うぎゃぁあああっ!」、
「ぎゃぁ! ぎゃぁ、あああっ!」と。
僕が自身の顔を両腕庇いつつ悲痛な顔、声音で。
地面を転がりつつ、絶叫を吐けば、吐くほどウォンの奴は。
「このクソガキが生意気なぁ!」、
「どうしようもないぐらい弱々しいガキの分際で、俺に生意気にも意見をしやがってぇ!」、
「クソガキがぁ、ぶっ殺してやるー!」と。
ウォンは荒々しい言葉を吐き、吠えながら。
ウルハ達から、僕へと目標を変え、最初はあいつの硬くて、重たい拳でワン! ツー! で殴る、の連打を繰り返してきた。
だから僕の貧弱な身体は、速攻で地面を枕に、ウルハ達のように倒れた。
でッ、倒れればこの通りだよ。
ウォンは僕の頭、顔、腕、身体、足を踏む、殴る、の連打攻撃をしてきたと思う?
僕自身も身体中が痛くて、呻り声や絶叫──断末魔に近い声を出していたから良く覚えていない。
でもさ、僕が! 夫が! 他所の男に襲われている訳だから。
最初は呆然としていたサラやその他の奥さま達も黙ってはいない。
「ウォン!」
「貴様~!」
「健ちゃんを」
「家のひとを」
「よくも殴り、足蹴りにしたなぁっ!」
「許さない!」
「ぶっ殺してやる」と呻り、吠えると。
ドン! だ。
バン! だ。
ウォンの奴に襲い掛かり、殴り始めだした。
だからまた混戦──。
先ほどまで戦場だった場所が、また戦場へと変わる。
そう僕──。
あの集落の男王だった僕の下知に対して拒否、どころか?
憤怒しながら怒声を吐き、暴力へと訴えかけてきた。
謀反人ウォンを修正するための戦が今度は始まった。




