第21話 更にエスカレートしていく(1)
「おい! チビ! プラウムの、物はどれだ?」
「サラの下着はどれなんだ?」
「俺達の女神さまの下着はどれだ?」
男達の僕への虐めが段々と酷くなれば。
とうとう、こんな変態染みた輩も多々でてくる。
だけど僕は、いくら自身が大変に弱い者であろうとも。
「僕にそんなことを聞かれても知らないよ! そんなことよりも洗濯籠を返してよ。おねがいだよ。一枚でも紛失したら僕がみんなに怒られるから籠を返してよ」
僕の奥さま達の宝物、財産だけは絶対に死守した。
そう、僕から籠を取り上げた奴や。
籠の中に手を入れ──下着を一枚手に取り。
「う~ん、良い匂いだ」
「女の匂いがする」
「うぅ、うううっ、堪らん……」
「俺、これをおかずにして、いまから自慰をしようかな? わっ、ははは」
「あっ! 俺もしよう!」
まあ、こんなくだらない言葉を漏らしつつ、変態行為をしている奴や。
しようとしている奴らの腕に僕は慌てて掴まり。
そいつ等の腕を噛んで、抵抗をしたことも多々あるよ。
「お前等返せ! 返せよ!」
僕はいくら、異世転移の歴代主人公の中でも、一番の最弱男だとしても彼女達……。
そう、後になって僕にもわかることだけれど。
僕は奥さま達の下着や衣服は、命懸けで死守した。
「うわぁ、あああっ! このクソガキ! 俺の腕を噛みやがった!」
「何するんだ! クソガキ!」
「痛いじゃ、ないか、クソガキ!」
「てめぇ! 死にてぇのか?」
「クソガキ! ぶっ殺してやる!」
「ほら、ほら、死ねぇ! 死ねぇ!」と。
僕の顔や身体中を男達に蹴られ、踏みつけられようが。
僕は奥さま達の下着や籠を取り返すまでは。
喧嘩なんてしたことなど無い僕だけれど何度も立ち上がり。
泣きながらあいつらに嚙みつき、ロ〇コンパンチで抵抗を試みたんだ。
「返せ!」、
「返せよ!」、
「返してくれ!」、
「おねがいだよ」と。
男達が諦めるまでね、何度も! 何度もだよ!
アイカの奴は、僕のことなど気にもしていないから、知らないとは思うけれど。
僕自身もやつらに勝てないから、抵抗するが無駄だとわかっていても。
奥さま達の下着だけは、自身の顔を血まみれにしながらも守護──守り切り。
ヒロインさま達の夫らしい振る舞いもしたことも多々ある。
アイツは弱い僕のことが嫌いだとは思うけれどね。
◇◇◇




