第57話 お猫様の力! (2)
「いいや、いい、にゃん」
「気にしないでくださいませ、にやん」
「ミィとクイーンは殿の専用の精霊だから、にゃん。──殿が召喚してくれなければ暇で仕方がない、にゃん」
「そうですよ、御方さま……。キングが言う通りで、御方さまわらわたちを召喚してくれなければ。わらわたちは暇で致し方がないのです、御方さま……」
僕の隠しスキル……。
そう何故か、この世界へときてから使用不可能になった僕の最終奥義の猫型三等身のぬいぐるのようなキングとクイーンの容姿なのだが。キングは黒猫で頭に中華式の冕冠を被り、中華式の黒と紫のツートンカラーに金と赤の装飾が施された、やはり中華式の防具に和刀のダブルソード仕様に。
クイーンの方はと言うと? 白猫に太后の王冠、髪飾りに、秦、漢……。どちらの時代か、未だに僕もわからないけれど、薄いピンク、桜色の後宮ドレスに魔法武器の鳥の羽を加工したような扇子を優雅に使用しながら、二人共宙に浮いた状態で、主である僕へと久し振りに笑顔を見せてくれたのだ。
だから僕自身もこの場の緊張感が一気に解け、安堵……。リラックスになるから。
「じゃ、二人共準備はいいかな?」と。




